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私たちの活動

【ウクライナ危機】「家族」の絆を繋ぎとめるために~来日ウクライナ避難民支援事業報告

「戦争」は80年前のもの。
今私たちが生きている世界は「平和」だと、多くの日本人はなんとなく信じていたのではないでしょうか。
空襲警報が鳴り響き、頭上から爆弾が降り注ぎ、夜には灯りが漏れないように息を殺して身を隠すことなど、遠い昔の、歴史上の出来事だと。
半年前のあの日までは。
 


PWJ代表・大西がウクライナ国内で調査を実施

 
ウクライナを遠く離れ、場合によっては複数の国を経て、日本までたどりついた「避難民」は1,700人を超えました。
武力紛争が始まって半年が経った今も、入国者数は一定の水準を保ち続けています。
2月24日に即ウクライナを離れた人、しばらく近隣国に滞在してから日本に来た人、自宅が爆撃を受け、砕け飛んだ壁の破片で背中じゅうにケガを負って日本に来た人、様々です。

そのような人たちの中で、私たちピースウィンズ・ジャパンがサポートしているのは、ペットと一緒に日本に避難してきた人たちです。
これまでずっと一緒に暮らしてきた、大切な家族の一員。
しかし、必ずしも人間と同じように扱われないのは、人命がかかった極限状況では仕方のないことなのかもしれません。
戦火が迫る地域から、郊外や国外へ避難する人を乗せるためのバスにペットが乗ることができないのは、日本で災害が起きた時、洪水の中に取り残された人を救助するヘリにペットは乗せられないことがあるのと同じようです。
実際に、ペットはウクライナや近隣国に留まる人に泣く泣く預けて、日本に避難してくる人も多くいます。

「ペットを連れて日本に避難したいんだけれど、手続きがよくわからない」「人間のフライト代は支援してもらえるらしいんだけど、ペットの分は出せないと言われて・・・」といった来日前の方。
「検疫期間中にお世話をしてもらう費用を、いったん半月分は支払ったんだけど、その後の分を払い続けるのが大変で・・・」「1年間、都営住宅にタダで住ませてもらえるんだけどペットは一緒に住めないらしいの・・・」といった既に日本に来られた方。
私たちは、それぞれのご家族の状況や局面に応じて、ペットも含めた「家族」が日本での生活基盤を整えるためのサポートを続けています。
 


 

動物検疫所での愛犬との面会(上・下)

 
もちろん、私たちだけでできることは限られています。
たくさんの連携機関やそこに所属する一人一人の、強い思いに根差したサポートが、ウクライナから来るペットとその家族を温かく取り囲んでいます。
ペットの入国に係る手続きを管轄する農林水産省や各空港の動物検疫所、在日ウクライナ大使館、職務の間を縫って一緒に活動してくれる企業のプロボノチーム、同じく避難民支援にあたる他のNPO・・・。
 


農林水産省・動物検疫所の皆さまとの協議
 

在日ウクライナ大使館での意見交換

 
その中でも、特に心を打たれたのはある中学生たちから託された募金でした。
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。
PWJは、避難所となっていたある小学校で、毎日支援活動を行っていました。
あのとき小学校5年生だった子どもたちも、もう中3。
全国各地の人たちからたくさんの支援を受けた。今度は自分たちが「恩送り」をするんだ、と募金活動をし、「日本に来て困っているウクライナの人たちのために遣ってください」と託してくれました。
 


真備の中学生たちからの募金贈呈式

 
いつこの武力紛争は終わるのか、いつ国に帰れるのか。
それまで、言葉も文化も違う日本で、仕事を見つけ、子どもたちを学校に通わせ、「日常」を営んでいくことができるのか。
避難民の方たちは、尽きることのない不安や不確実さに取り巻かれながらも、力強く人生を切り開こうとしています。
そのそばに、ずっと一緒に暮らしてきた愛犬や愛猫がそっと寄り添うことができるように。
これからも、PWJは伴走を続けていきます。
https://global.peace-winds.org/support/ukraine

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