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私たちの活動

2007年産ピースコーヒー、日本に向けて航海中

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が、エルメラ県レテフォホ郡の生産者と共に生産した2007年産のコーヒー豆13トンが、10月31日、無事に東ティモールを出港しました。昨年春の治安悪化を乗り越え、今年も美味しさの詰まった、深いウグイス色のコーヒー豆が広い太平洋を渡って日本に向かっています。

例年は5月末から始まるコーヒーの収穫作業。しかし、今年は異常気象の影響で7月10日から始まり、3カ月強続きました。また、降水量の低下と裏作の年も重なって収穫量は昨年の半分以下に落ち込みました。収穫の日は朝8時にはコーヒー生産者組合「カフェ・タタマイラウ」のメンバーがグループごとにs各々のコーヒー農園に集り、電気の無い地域が多い中、精製作業が夜8時から9時頃まで続きました。
2007年の組合員数は6村232世帯。今年の収穫量は昨年の半数以下となりましたが、今年は治安が安定し始めていることも影響して、生産者のコーヒー精製作業の品質への意識も強まり、昨年に比べて乾燥度合いがよく、格段に品質が向上しました。

コーヒー代金支払いのための資料作成する組合代表とPWJスタッフ

コーヒー代金支払いのための資料作成する組合代表とPWJスタッフ
(C)PWJ/Midori IGOSAKI

きれいに赤い外皮を取り、ぬめりをしっかり取った薄いベージュ色の美しいパーチメントは、日差しをたっぷりと受けて乾燥し、なんとも懐かしく、やさしい香りがします。そのパーチメントを各組合員から引き取り、10月の中旬から首都ディリで脱穀、欠陥豆の選別、麻袋詰め、コンテナ輸送、という一連の輸出作業を行いました。今年一番の目標は、組合代表者たちが一連の輸出作業を習得すること。5人の組合代表はディリに泊まりこみ、2週間余りの輸出作業を学びました。

組合会計担当に支払方法を指導する金丸代表ディリの脱穀工場でコーヒー水分値を測る組合代表とPWJスタッフ

写真左:組合会計担当に支払方法を指導する金丸代表
写真右:ディリの脱穀工場でコーヒー水分値を測る組合代表とPWJスタッフ
(C)PWJ/Midori IGOSAKI

代表者の中からは、「新しいことをたくさん学んだ。自分がこれから何を勉強していかなくてはならないかが分かってきた」というコメントもみられ、彼らの言動から代表者としての自覚が芽生えていることが伝わってきました。組合が自立的に運営できるようになるためには、まだたくさんのことを吸収していかなくてはならないですが、PWJの事業という意識の強い組合メンバーの中に、「自分たちの組合活動だ」という自立の意識が芽生え始めたことは、人材育成における大きな一歩です。
組合員のたくさんの笑顔と努力の詰まったコーヒーは、ただいま神戸港に向けて航海しています。
※PWJの東ティモールコーヒー生産者支援事業はJICA(国際協力機構)の協力を得て進めています。

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