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私たちの活動

【シリア】国内支援―食糧で尊厳のある生活を支える―

2011年3月以降、紛争の収まらないシリア危機はすでに9年目に入りました。
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は現地の提携団体と協力して、紛争によって充分な食糧を買うことが難しくなった家庭に、食糧キットをお届けしています。

約1か月分の食糧が詰まっています
約1か月分の食糧が詰まっています
配布場所に集まる人々
配布場所に集まる人々

食糧キットには、米やパスタ、豆、小麦粉が入っています。シリアをはじめとする中東地域の代表的な主食は、ホブスと呼ばれる平たいパン(日本で「ピタパン」として知られているものに似ています)。このホブスを作るには、小麦粉が欠かせません。

右にあるのがホブス。爆撃を受けて損壊した建物に住む避難民の家にて
右にあるのがホブス。爆撃を受けて損壊した建物に住む避難民の家にて

このほかに入っているのは、保存のきくミート缶やイワシ缶、砂糖や塩。そしてシリアの人々の食生活に欠かせないもの、チーズと紅茶です。シリアの食事にホブスとチーズがないというのは考えられず、コップの底に溶けきらない砂糖が残っている甘い紅茶がなければ、食事が終わりません。団らんのときも紅茶は必需品です。通りすがりの人に「紅茶を一杯いかが」と声をかけ、気付いたら何時間も一緒におしゃべりしていた、なんていうこともよく聞く話です。

「きちんと食事がとれること」は、尊厳のある生活の基本です。そして、シリアでは、家族がそろう食事の時間がとても大切にされています。たとえ厳しい避難生活を送っていても、栄養が取れる、ということだけなく、食事の時間に少しでも喜びがうまれるようなものを届けたい。そう願って、できる限り人々が日常的に食すものを選んでいます。

国連によれば、長い避難生活、収入の機会が限られていること、農耕地が爆撃を受けたために農作物の生産高が減ったことなどで、シリア国内で650万人が食糧不足に陥っています。
ハリ(30歳)も、そのうちの一人です。食糧品店で働く彼は、年老いた両親と10人の兄弟をたった一人で養っています。

食糧キットを持ち帰るハリ(仮名)
食糧キットを持ち帰るハリ(仮名)

「今は質素な家にみんなで暮らしています。兄弟も仕事を探していますが、なかなか就職できません。物価も上がって、生活はとても厳しいです。たとえ1か月分でも、食糧キットはとても助かります。節約できた分でほかに必要なものを買うこともできます。何より、食糧キットは家族みんなを笑顔にします。」

支援がなくても普通の暮らしができるようになるように、PWJは、現地提携団体と協力をしてシリア国内での支援を続けていきます。

※本事業は、皆様からのご寄付のほか、ジャパンプラットフォームからの助成金により実施しています。今後とも、温かなご支援をよろしくお願いいたします。
※シリアの現地情勢を考慮し、関係者に危険や不利益がおよばないよう活動地域の詳細は伏せ、人の名前は仮名を使用し、一部写真の加工をしています。

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紛争や貧困など人為的な要因によって
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また、復興・開発のために支援を行います。