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私たちの活動

北部でのシェルター支援を開始

内戦中は、戦火を逃れたりして、北部のあちこちを転々として生活していた人々が、昨年5月の終戦以降、収容されていたキャンプから故郷に戻ってきています。

PWJが支援をしている北部キリノッチ県カンダワライ郡の村でも、約1500世帯が今年4月以降続々と帰ってきましたが、彼らが目にしたのは、内戦中いろいろな形で失ってしまったもの、すなわち破壊された家、乾ききった土地、どこかへ行ってしまった家畜たち、そして何よりも、脚や腕など自身の体の一部や愛する家族、という厳しい状況でした。
人々は、キャンプから持ち帰った防水シートと、瓦礫の中から見つけたトタンなどで住みかを作っていますが、迫り来る雨季を前に、雨露がしのげて家族が安心して暮らせる場所を、と願う声は強く、PWJは特にニーズが高い123世帯を選定して仮設住宅の資材を提供し、建設のサポートをしています。

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写真左:内戦で倒壊した家
写真右:テントの住宅前に佇む女性
(c)PWJ / Yukari NISHINO (C)PWJ

先日のモニタリングでは、建設の進捗状況を確認する中、大工さん、左官さんとともに作業をしている受益者の皆さん、子どもたちに会ってきました。

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写真左:エンジニアのアドバイスを受ける受益者
写真右:コンクリート塗装の様子
(c)PWJ / Yukari NISHINO

PWJのエンジニアが技術面を確認し、受益者の方々にアドバイスをしていきます。

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写真左:アドバイスを受ける受益者②
写真右:完成したシェルター
(c)PWJ / Yukari NISHINO

同行してくれたのは、村の婦人会のリーダー、タヴァマニさん(写真右)。
キュートで責任感の強い素敵な女性です。

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写真左:婦人会リーダー(写真右)と受益者
写真右:PWJ北部チームのモニタリング風景
(c)PWJ / Yukari NISHINO

現地政府の郡長からは「仮設住居ではないみたいだ。これならずっと住めるよ」と太鼓判を押されるような住居が続々と出来ていますが、その中にはPWJが予想しなかったような様々な住民の皆さんそれぞれの工夫を目にし、モニタリングしながら嬉しくなってしまいました。
たとえばこの家は他の家に比べて床が50センチ以上高くなっています。この家の所有者である男性は、「盛り土はわしがしたんだよ。時間はかかったけれど、これで雨が降っても大丈夫だ」と嬉しそうに説明してくれました。

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写真左:盛り土作業の様子
写真右:盛り土を施す村民の様子
(c)PWJ / Yukari NISHINO

「避難する前は、畑が何枚もあって、貧しさというものを知りませんでしたが、今は噛み締めるように分かります。戦争中に幼い息子を失ったことが一番悲しいですが、今は残った家族でもう一度、一からスタートするつもりでいます」と語ってくれたのは品のある婦人。
丁寧な暮らしぶりを伺わせる庭の木の洞(うろ)を使った鏡台と、バラエティ豊かな家庭菜園を見せてもらいました。

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写真左:洞の鏡台
写真右:庭園の様子
(c)PWJ / Yukari NISHINO

また、受益者の一人である聾唖の夫人は、「お祈りをする場所を夫に作ってもらいました」と身振り手振りで台を見せてくれました。

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老婆の様子
(c)PWJ / Yukari NISHINO

受益者の方たちの様々に工夫された仮設住宅を見てまわる中、「これはベストプラクティスね!」と笑顔でタヴァマニさんが感心した住居は、パーテーションに椰子の葉を使って、ドア枠をPWJから支給されたペンキで塗ったお宅。
その家に住む受益者からは「椰子の葉を編んだ素材は、私たちの村の自慢なので、PWJから支給された分に上乗せして、自分でできるだけ買って多めに使いました。」と工夫のほどを説明してもらいました。

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写真左:室内の様子①
写真右:室内の様子②
(c)PWJ / Yukari NISHINO

そんな思い思いの家が建つ中、現在建設中の家を見に来ていた少年。「おとうさんがお仕事しているのを見にきたの。青色の窓、好き!」新しい家が完成することが楽しみで仕方ない様子で満面の笑顔です。

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満面の笑顔の子供
(c)PWJ / Yukari NISHINO

PWJは今後もこんな笑顔が見られることを励みに、キリノッチ県に引き続き、北部ムラティブ県でもシェルター支援を行っていきます。

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