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私たちの活動

南スーダンでの「新生活」

世界で一番新しい国、南スーダンで帰還民支援を続けているピースウィンズ・ジャパンのチームに新しい駐在員たちが加わりました。今回は、新鮮な視点からの南スーダンの印象や驚きについてお伝えします。
ピースウィンズ・ジャパンの南スーダン事業 現場でのヒアリング
写真:現場でのヒアリング
途上国では「何でも安い」と思われがちですが、他の国を経験した私たちでも、この国の物価には驚かされます。1米ドル(約100円)で買えるのは卵3個。日本のスーパーなら10個200円前後なのに。トマトや玉ねぎなら小4つで約165円。食生活が異なり、私たちと必要な食材が違うのか、この国や、ケニア、ウガンダなど、放牧が主な人びとは肉、ミルク、穀物のみで食事を済ませてしまいます。しかし、20年以上の紛争の間、周辺国に避難し、家畜を失ったため、今では放牧生活を知らない人も多くなっています。
一方で、避難中にエチオピアなど異国の料理に触れたことも、人びとの食生活に影響しているようです。国境から離れた私たちの駐在地にも野菜市場や輸入食品店ができ、地元住民も利用しています。しかし、小麦粉などの加工品だけでなく野菜の多くが輸入で、雨季に道路状況が悪くなると、例えば粉ミルクは40%も値上がりするので、南スーダン人スタッフは、給料の4分の1を買い置きに充てていました。私たちも、事務所の空き地で野菜を育てていますが、高価な果物は着任後ほとんど口にしていません。
ピースウィンズ・ジャパンの南スーダン事業 町の野菜市場ピースウィンズ・ジャパンの南スーダン事業 ボー事務所の家庭菜園
写真左:町の野菜市場 写真右:ボー事務所の家庭菜園
物が豊富な首都のスーパーで見た、衛生用品の価格にも驚きました。200mlの日焼け止めが40ドル、同量のシャンプーが8ドル。外国で買い出しする人がいるのもうなずけます。独立前は北スーダンから品物が入りましたが、2年前の独立後はそれも途絶え、南スーダンの北部に行くほどに品薄だそうです。
北部の事業地に行く際は、自ら米や豆、飲料水、テントを持参し、自炊してしのぎます。陸路では移動ができず、船でしか動けないこの地域では、私たちピースウィンズ・ジャパンに限らず多くの支援団体が高い輸送費に苦労しています。ガソリンは1リットル約264円もするので、必要な分だけ運んでいます。
今なお人びとの帰還が続く南スーダン。前回のルポで紹介した南スーダン人スタッフのように、6月下旬だけでも1,920人の人びとが、ナイル川を船で上り、「故郷」へ帰還しました。しかし、「故郷」といっても、以前とは変わり果て、戻った時には祖先の土地に見知らぬ人が住んでいたり、あまりに幼かったため、その記憶すらなかったり。彼らを待ち受けるのは、水などインフラの整っていない土地で、一から生活を立て直すのは大変です。若い世代では家族を養える職を求め、大きな町に活路を見出すことを目指す人も多い中、私たちはよりアクセスの悪い地域へ支援を展開しています。
近隣諸国のキャンプや北スーダンで、故郷の平和と帰還できる日を待ち望む人びとの思いにも寄り添いながら、今後も活動に励んでいきます。
ピースウィンズ・ジャパンの南スーダン事業 ボーの村ピースウィンズ・ジャパンが建設した井戸を使う南スーダンの子どもたち
写真左:ボーの村 写真右:ピースウィンズが建設した井戸を使う南スーダンの子どもたち
報告:清水貴子(南スーダン駐在)
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