ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

地域復興・教育

Reconstruction

2013.5.9

南三陸町のコミュニティ強化を支援

日本 地域復興・教育

東日本大震災から2年と2ヶ月が経ちました。
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、震災直後より宮城県南三陸町にて、生計再開支援や漁業再開支援などの緊急・復旧支援を実施してきました。
震災2年目は、新しい町づくりをテーマに、コミュニティ強化再建支援として、2012年6月から「南三陸町ふるさと学習会」を開始しました。
この支援では、同町の子どもたちが、「南三陸町ふるさと学習会(=以降:ふるさと学習会)」に参加することで、町にある魅力を大人たちから学びます。
一方、先生として参加する地元の大人たちは、それぞれの得意分野を披露することで、町の魅力を子どもたちに伝えています。
ふる学を通じて、将来の町を背負って立つ子どもたちが、地元の経験や知識に誇りを持ちながら語り継いでいくこと、そして、以前からあった住民同士のつながりを子どもたちの接点から、親の世代へと波及することで、新たなコミュニティのつながりを強化し、新しい町づくりを再考していく一助となることを目的としています。

紙粘土とホタテの貝殻を使った子どもの作品
紙粘土とホタテの貝殻を使った子どもの作品

南三陸町の復興と新しい町づくりを考える上で、従来の町の魅力を守りながら、震災以前から課題とされる高齢化や少子化をどう克服し、町づくりを進めていくべきか、協議が続いています。
PWJはその過程において、大人だけでなく、子どもたちも将来住み続けたいと思う町づくりができるきっかけ作りと、町の魅力を大人たちが伝え続けていく機会を創りたいと考えました。
そこで、同町で震災後に設立された一般社団法人南三陸町復興推進ネットワークと連携しながら、PWJは「ふるさと学習会」の運営・サポートを行っています。
ふる学は、主に二種類の体験講座を実施しています。
一つは、「町民先生講座」です。
この講座は、南三陸町民が町民先生となり、同町の歴史、文化、産業などを伝える講座です。「ふるさと学習会」は、震災以前、南三陸町教育委員会主催の課外授業として実施されていた経緯がありますが、震災以降は受け入れ先の商店街や漁協が被災したこともあり、課外授業を再開できない状況でした。
しかし、PWJは、同町の教育委員会と連携し、この文化を受け継ぎ、町民先生とともに「南三陸町ならでは」の講座を子どもたちへ提供しています。
町民先生の講座の一例として、志津川地区の淡水漁協による「サケの捕獲・採卵見学」があります。
PWJは、緊急時に経済復興支援の一環としてサケ・マスふ化場の再開支援を実施しました。
関連記事:サケ・マスふ化場の支援について
この時に培った関係を活かしながら、仕事を再開した組合員を講師として招き、子どもたちに仕事の魅力を伝えてもらいました。
サケのふ化放流事業は南三陸町の産業には欠かせないものですが、実際に採卵現場を見学できる機会は多くありません。
本講座を通して、子どもたちは鮭のオスとメスの見分け方から採卵や受精のさせ方までの一連の流れを学びました。
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講師の及川さんの息子さんも参加。お父さんの晴れ姿が自慢でした。
もう一つは、「スペシャル講座」です。
町外や県外の企業や団体を講師として招く、企業先生による講座です。子どもたちは、震災という大きな体験をした後も、被災地の情景を目前に生活しています。
PWJは、それでも子どもたちが将来に希望を持ち続けて、町に誇りを持ちながら震災を乗り越えてもらいたいと考えました。
南三陸町の内外で活動しているそれぞれの企業・団体が持つノウハウや強みを生かした講座を提供することで、子どもたちが感化され、将来への可能性が膨らむことを期待しています。
※講座内容の詳細は、PWJ東北チームのブログでご紹介しています。

慶応義塾大学の生徒さんが、ボランティアとして創作活動に参加したときのようす
慶応義塾大学の生徒さんが、ボランティアとして創作活動に参加しました

また、ふる学は、子どもたちにとって、週末に会いたい友達に会える大切な場所でもあります。
震災後、狭くなった校庭で自由に遊び回れない環境と、慣れない仮設住宅で過ごしながら、送迎バスで学校と仮設住宅を行き来する子どもたちにとって、友達と自由に遊ぶという単純な行為は、容易にできることではありません。
PWJは、仮設住宅や地域を巡回する送迎バスを手配して、「ふるさと学習会」の往復時に友達と自由に遊ぶことのできる場所づくりにも努めています。
また、講座に参加した全学年の生徒が協力して体験学習を行うため、自然な流れの中で、高学年が低学年の生徒を助けてあげたり、地区の違う友達ができたりと、年齢、地域、男女の垣根を越えた子どもたち同士の交流の場となっています。
いつも元気な子どもたち
いつも元気な子どもたち

PWJはこれからも南三陸町の方々と真摯に向き合い、長期的に復興をサポートしていきます。
▼南三陸町ふるさと学習会の詳細についてはこちら
http://www.facebook.com/minamisanriku.furugaku?fref=ts
報告:西城 幸江

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