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ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2009.1.29

ミャンマーサイクロン「ナルギス」被災者支援【中間報告】

ミャンマー 海外人道支援

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、5月初旬にミャンマーを襲ったサイクロン「ナルギス」の被災者に対し、緊急生活物資の配給等の支援を行ってきました。2008年5月10日から12月31日までの支援状況をまとめましたので、ご報告します。PWJのミャンマーサイクロン被災者支援は、皆さまからのご寄付や、会員の皆さまのご支援を得て、これまでの成果をおさめることができました。心よりお礼申し上げます。

PDF版の報告書はこちら(512KB)
<現地の概況>
2008年5月2日・3日にミャンマー沿岸部を襲ったサイクロン「ナルギス」は、死者・行方不明者14万人、被災者240万人(ミャンマー政府・ASEAN・国連による発表)という甚大な被害をもたらしました。被災直後より、ミャンマー国政府や、ミャンマー国内の寄付者の他、国連機関、ASEAN諸国をはじめとする各国政府、および国際NGOによる緊急支援が、さまざまな分野で展開されてきました。
サイクロン被災から8か月あまりが経過し、被災地域には復興の兆しが少しずつ見えてきています。しかし、被災地の多くの人びとは、サイクロンの打撃を受けた暮らしを立て直すため、いまなお、たゆまぬ努力を続けています。
<ピースウィンズ・ジャパンの支援活動>
サイクロン被災が報道された直後から、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、支援を行うための情報収集を始めました。5月11日には、被災状況を確認し、支援実施の可能性を探るため、日本からスタッフが現地に入りました。ミャンマー商工会議所連盟(UMFCCI)と協力して支援を実施することが可能と判断し、支援内容の検討を進めました。5月末には第2陣スタッフがミャンマーに入り、最大都市のヤンゴンに事務所を開設。現地スタッフを採用し、事業実施体制を整えました。
[第1期事業:緊急生活物資の配給]
最初の事業として、サイクロンの被害が甚大であった、沿岸部のエヤワディ管区に住む被災者10,000世帯に対する緊急生活物資の配給を開始しました。
鍋やステンレスのボウルなどの台所用品や、インスタント麺や豆などの食品、Tシャツなどの衣類のほか、現地の習慣に合わせ、「タナカー」という伝統的な日焼け止めや、巻きスカート「ロンジー」も入れました。また、学校の生徒用に、鉛筆、ノート、制服の配布も決めました。これらの物資は、現地パートナーのUMFCCIを通じて、すべてミャンマー国内で調達しました。
今回の被災地域は、多くの河川が海に注ぐ沿岸部の低地(デルタ地帯)。被害の大きかった地域へ通じる道路はなく、10,000世帯分の配給物資を船で輸送しましたが、それはPWJとしても初めての経験でした。ヤンゴンのUMFCCI本部で、各世帯に配る品目を「ファミリーキット」として一袋に詰め、トラックと船で対象地域まで運びました。現地では、PWJスタッフとUMFCCIのチームが協力し、被災者に物資を直接配給しました。こうして8月27日までに、ディディエ、ピヤポン、ボガレ、ラビュッタの4地区で10,000世帯への物資配給を完了しました。

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ファミリーキットの配給(中央はPWJスタッフ齋藤)
(C)Peace Winds Japan

[第2期事業:基礎インフラ整備、学校修復など]
9月からは、サイクロンで壊れた道路や船着場などを、村人たちと協力して修復する事業を始めました。これまで地域の農業、漁業に従事することで生活していた農地を持たない人びとは、サイクロン被災後は収入の道がなく、施設を復旧するこれらの事業は、そのような人びとに限られた期間ながら、収入の機会を提供しました。12月までに、3つの村で、道路、船着場、橋、そして海水遡上を防ぐ堰の修復を完了することができました。

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左:修復した村内道路  右:修復した船着場
(C)Peace Winds Japan
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左:修復した橋   右:修復した河川堰
(C)Peace Winds Japan

このように、いろいろな施設の修復を進めてきましたが、それぞれの村で強く要望されたのは、これまで村人たちが運営してきた学校の修復でした。サイクロンの後、村人たちがかろうじて修復した建物は、使い古した木材の骨組みに、やしの葉とビニールシートで屋根と側面を覆ったもので、床はむき出しの地面。床の一部は、雨期には水溜りになっていました。PWJは、関係機関との話し合いや建物の設計などの準備を進め、12月には、2つの村で学校の修復を開始しました。地元の大工や村人の参加も得て、現在急ピッチで建設を進めており、2009年2月までに2校が完成する予定です。

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建設中の校舎
(C)Peace Winds Japan

また、2009年1月以降PWJは、農地を持たない人びとの暮らしを助けるため、各家庭に子豚を配布し、飼育させて、将来の収入源につなげる事業を、村と協力して実施していく予定です。
【PWJミャンマー現地代表 齋藤雅治より】
このたびは、PWJのミャンマーでのサイクロン被災者支援のために、温かいご寄付をいただきまして、誠にありがとうございました。現地で支援に携わるスタッフを代表いたしまして、心からお礼申し上げます。
「真っ暗な中で流され、木にしがみついて、やっと助かりました。周りには流されてしまう人もいて、誰かが泣いている声も聞こえました」。人口の半数近くが亡くなった沿岸部の村で、かろうじて助かった子どもたちは、サイクロンが村を襲った夜のことを、こう話してくれました。大切な家族や友だちを一夜にして奪われた人びとの心の痛みが、いつの日にか癒されるようにと祈るばかりです。
そして今、ミャンマーの人びとは、厳しい現実と向き合いながらも、ともに助け合ってたくましく立ち上がろうとしています。PWJが村と協力して直した道路や船着場から、多くの人びとが、近くの村や、川の上流の町まで出かけるようになり、村には少しずつ活気が戻ってきました。人びとが笑顔を取り戻し、未来に向けて新しい一歩を踏み出した姿を見るとき、私たちとしても、与えられた役目を果たせたものと感じています。
こうして人びとが暮らしを立て直していく過程を、私たちがお手伝いすることができるのは、ひとえにPWJを支えてくださる皆さまのご厚意の賜物です。PWJのスタッフ一人一人は、皆さまと被災地の人びとの心をつなぐ「架け橋」として、毎日の業務に励んでおります。これからも、私たちの活動をご支援くださいますよう、心よりお願い申し上げます。
【ミャンマーサイクロン 緊急支援 収支報告】
期間:自2008年5月10日 至2008年12月31日
・収入

収入項目 実績 今後の
収入予定
合計
ミャンマーサイクロン緊急支援特定寄付 7,628,318 7,628,318
助成金(※1) 141,840,986 61,412 141,902,398
助成金返還額(※2) △2,439,590 △18,451,677 △20,891,267
合計 147,029,714 △18,390,265 128,639,449

・支出

項目 実績 今後の
支出予定
合計
緊急支援
  緊急初動調査 1,380,663 1,380,663
  緊急物資配給 85,128,884 85,128,884
  インフラ補修 9,018,590 26,331,733 35,350,323
  生活再建 5,456,832 5,456,832
広報 広告宣伝・報告費 178,500 178,500
管理 東京本部経費(※3) 1,144,247 1,144,247
総計 96,850,884 31,788,565 128,639,449

※1 ジャパンプラットフォームおよびチャリティープラットフォームによる助成金
※2 初動調査および物資配給事業で助成を受けた残金の返金額
※3 特定寄付額の15%を限度に、日本国内における費用(事務所の管理運営費、調査・提言活動のための費用など)に活用させていただいております。

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