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【ミャンマー】変わる世界、変わらない日常ーヤンゴンの人々の生活ー

最近のミャンマーに関するニュースでは、2月1日の未明に起きた政変の結果、市民のデモによる抗議やそれに対する国軍の反応、首都ネーピードーでの政治情勢などを伝えることに始終していますが、このような状況下でも一般の市井に暮らす人々には変わらぬ日常があるのです。今回はPWJの駐在員が見たヤンゴンの日常を報告します。
 

現在、ミャンマー全土を対象に夜8時から早朝4時まで夜間外出禁止令が出されており、ヤンゴン市内でも店舗やレストランなど多くが休業で食事を取ることも容易ではありません。このため、最近は道端の露店で売られているイーチャークエという揚げパンを朝食用に買いに行くのですが、その途中、毎朝、変わらぬ日課としてほうきで掃除をしている近くのアパートの管理人マウンさん(62)と出会います。
 

 

マウンさんによれば、20年以上もアパートの管理人を務めているそうで、ヤンゴン市内に母親が住む実家があるそうですが、アパートを24時間管理するため、朝から晩までアパート横の詰所で住み込みで働いているそうです。
 

毎日の日課としては、朝も暗いうちから建物前の道をほうきで掃き、電源を入れて地下から水をポンプで屋上のタンクへ汲み上げ、アパートのエレベーターを稼働させ、ごみの処理などを行います。この他、荷物や飲料水が配送された時にはそれらを預かって詰所の横に保管したり、電気の配線など各部屋の修繕を手伝うこともあるそうです。そして夕方にはまたほうきでアパート前の道を掃除します。また、月に一度は各世帯の電気代の支払いのために、歩いて20分ほどの電気公社の窓口に出向く時があるそうです。
 

 
そんな彼に、この20年間の近所の変化を聞いてみると、20年前は古い建物も多く住人も多かったのですが、近年は新たに資本が入って大きなショッピングセンターができるなど目まぐるしく環境が変化してきたとのことです。しかし、昨年来のコロナ禍で最近はすっかり人通りは減り、外国企業の事務所は閉鎖され、事務所が閉じたことで、空き家も多くなっているそうです。
 
そして、今回の政変をどのように見ているか聞いてみると、これまでもミャンマーではいろいろなことがあったと話します。以前には2007年にも僧侶によるデモがあり、2008年には未曽有の犠牲者を出したサイクロン・ナルギスが襲来し市内は倒木で歩くのも困難になったそうです。更に、今後はどうなると思うか聞いてみたら、正直わからないとのことでした。この国はまた以前の軍政のようになるかもしれないし、それでも自分の生活はなるようになる、他の人たちも普段の生活は変わらないと言っていました。
 
それでも変わったことと言えば、最近はコロナ禍の影響で電気代の支払いが政府の措置により無料、あるいは減額になったことから、電気公社の窓口でも長時間並ばなくてもよくなったので早く用事が済んで良くなったと笑っていました。
 
そんな彼のところには最近はデリバリーフードの自転車の青年らが頻繁に訪れ、アパートの部屋番号やその位置を訪ねるようになったのも変化かもしれません。夕方にはほうきを片手に自転車の青年のスマホをのぞき込み親切に教えてあげる彼の姿が印象的でした。
 

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