SHARE
facebook X LINE
私たちの活動

【ケニア】仮設住宅でも「我が家」のように

みなさま、こんにちは。アフリカ事業担当の竹中です。
今回は、ケニアにあるカクマ難民キャンプでの活動をご報告します。
1月下旬、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が本部を構える広島県神石高原町では雪が降る中、私は支援現場の調査のため、年間で一番暑く、蝶が乱舞するカクマ難民キャンプに向かいました。カクマ難民キャンプは、ナイロビから飛行機で約1時間半、南スーダン国境から約100㎞のところにあります。今年で24周年となる難民キャンプですが、今も、南スーダンをはじめ周辺国から多くの難民を受け入れています。2015年は新たに約7200人の難民が到着し、当初計画していた受け入れ可能人数の約2倍となる約18万人が避難生活を送っています。

カクマ
1~2月、蝶の乱舞が見られるカクマ難民キャンプ

カクマ難民キャンプで私たちが目にしたのは、新たに仮設住宅を建設するスペースも十分になく、定員5人の住宅に10人以上の家族や別世帯の人々が一緒に暮らさざるを得ない状況でした。難民キャンプに暮らすのは、ほとんどが女性と子どもです。成人男性は南スーダンに残り、家を守ったり、戦闘に加わったりする中、女性や子どもたちは国境を越えてこのキャンプに逃げてきたのです。自分たちの子どもに加えて親戚の子どもを預かり、一緒に暮らしていている世帯や、2つの母子家庭が同居している世帯もあり、多いところでは13人が小さな仮設住宅で一緒に暮らしていました。しかし、床面積が約16平米の仮設住宅では10人以上が一緒に寝ることができず、外で寝る人たちもいました。
PWJは、このような過密状態で暮らす人々を対象にシェルター支援事業を行っています。シェルター支援とは仮設住宅を提供する支援です。屋根や柱の資材を用意し、難民や周辺地域に住む現地の大工さんを雇用して建設しますが、壁は難民の人々が自身で積み上げます。1軒あたり、約1200個の土ブロックが必要で、人びとは割り当てられた場所や水場近くで掘った土と水を混ぜ、木枠で型を抜いた後、天日で乾燥させてブロックを完成させます。

カクマ
土ブロックを頭に乗せて運ぶ子どもたち

完成した住宅の壁には鮮やかなイラストが描かれていたり、前庭がきれいに掃き清められていたり、小さなお花が植えられていたり。ひとつひとつ手作業でブロックを積み上げ、自分たちで家を完成させていく中で、仮の住まいではあるけれども「我が家」という感覚を持ってくれているように私の目には映りました。そして、人びとは、故郷を追われた悲しみやつらさをのみこみ、今の目の前の生活をしっかりと築いていこうとしているように見えました。

カクマ
壁に色鮮やかなイラストが描かれた家

シリア難民に世界的な注目がシフトする中、南スーダン難民のみならずアフリカの難民支援を巡っては国連にも資金が集まらず、計画通りに進めることが難しいのが現状ですが、カクマに暮らす難民の人々がいつか故郷に帰れるその日まで、どうか関心を寄せ続けていただければ幸いです。
報告:竹中奈津子(本部アフリカ事業担当)
※この事業は、ジャパン・プラットフォームの助成や、皆さまのご寄付で実施しています。

カクマ

SHARE

SUPPORTご支援のお願い

支援が必要な人々のために
できること

ピースウィンズは世界各地の地震・洪水・干ばつなどの自然災害と、
紛争や貧困など人為的な要因によって
生命や生活の危機にさらされた人を支援しています。
また、復興・開発のために支援を行います。