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私たちの活動

【ケニア】世界最大規模の難民問題と輝きを放つケニア

皆さん、こんにちは。ケニアの首都ナイロビにあるPWJ事務所でインターンをしている香川と申します。私は大学四年生で、昨年からナイロビ大学に交換留学をしています。今回は、私がインターン活動やケニアでの生活を通して感じたことをご紹介します。
世界が今直面しているのは、戦後最大と叫ばれている難民問題。2011年から内戦状態が続いているシリアからの難民を含め、世界全体での難民や避難民の数は今や6000万に上ると言われます。国連機関やNGOなどさまざまな主体による支援活動が行われていますが、未だ多くの人々が苦境にあえいでいます。ケニアには、ソマリア国境寄りに世界最大の難民キャンプの一つであるダダーブ難民キャンプ、南スーダン国境寄りにカクマ難民キャンプがあり、PWJはその両方で支援活動を行っています。ダダーブ難民キャンプで唯一、仮設住宅新設事業を行う団体として、難民の人々の笑顔を咲かせているPWJの活動に感銘を受けた私は、インターンとしてその事業運営に参加することを決意しました。
インターン活動を通して私が感じたこととして、まず一つ目は「快適な住居の重要性」です。翻訳作業を任され、ダダーブ難民キャンプでの事業の現場レポートと支援を受ける人々のインタビューを読んだとき、PWJが建設した仮設住宅を提供されて喜んでいる難民の人々の姿がとても印象的でした。以前までは、住居がない、破れたテントに住んでいるため雨風をしのげない、テントが小さいため病気の家族を看病するのが難しい、など、さまざま々な問題を抱えていた難民の人々が、今はPWJが提供した仮設住宅に住み、皆とても嬉しそうにしている様子がコメントや写真から伝わってきました。住居は単に生活に不可欠なものの一つであるだけでなく、難民の人々の健康や心の豊かさにも繋がっているのだと強く感じました。

ケニア
PWJが建設した仮設住宅とそこに住む家族

二つ目は「犠牲となる子どもたちの存在」です。世界の難民の約半数を占めるのは子供たちです。例えば、ダダーブ難民キャンプに住む約35万人のうち、6~7割を24歳以下の若い世代が占めています。私と同じ世代、さらにはうんと年下の子供たちが、家族と離れ離れになったり、住み慣れた場所を追われて行き場を失ったりしていることを考えただけで、とても胸が痛みます。未来を担う大切な子どもたち。躍動する生命の波を広げる大きな使命を持った子どもたち。今、彼らと共に歩む国際的な支援が必要であることをひしひしと感じました。
今このルポを読んでくださっている皆さんは、アフリカに対してどんなイメージをお持ちでしょうか。サファリに代表される大自然のイメージも強いでしょう。その一方で、貧困・飢餓・疫病などのマイナスイメージもあると思います。私はケニアで、そうした一般的なイメージの対極にあるものをたくさん見ました。ケニアには雄大な自然もありますが、首都ナイロビは高層ビルや大型ショッピングモールが立ち並び、洒落た服を着こなした人々と車やバイクが行き交う大都会です。貧困等の課題を抱えているのも事実ですが、アフリカには人々の溢れる生命力や互いに助け合い相手を思いやる心といった人間的な豊かさがあります。
私はナイロビ大学でたくさんの学生に出会いましたが、皆温かく、支えてくれて、彼らには感謝の思いでいっぱいです。難民問題のような世界的な課題の解決を図るにしても、最も重要なことは、まず、自分の目の前にいる人を心から大切にすることではないでしょうか。私たち一人一人のこの地道な一歩が、きっと平和への貢献に直結すると私は確信しています。
ケニアケニア
写真左:ナイロビ市内が一望できるケニヤッタ国際会議場の屋上から見た景色
写真右:仲良くなった温かいクラスメート
報告:香川由香(PWJナイロビ事務所インターン)

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