ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

地域復興・教育

Reconstruction

2014.9.4

【東北支援】 東京報告会:PWJの活動とともに被災地の今を発信

日本 地域復興・教育

東北報告会
報告するPWJ東北事業代表の角免

東日本大震災の発生から間もなく3年半。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)の取り組みとともに被災地の現状を首都圏はじめ被災地外にも発信していこうと、PWJでは7月31日、東京・青山のFIAT CAFFEで、活動報告会「2014夏 被災地・南三陸からの報告~高齢者が元気だと町は元気だ~」を開催しました。
格差拡大、仮設住宅の長期化… 被災地の課題を確認
報告会の前半では、防災や災害被災地の復興についての取材を続けてきた共同通信編集委員(前仙台支局デスク)の所澤新一郎さんにお話ししていただきました。
所澤さんは「2014年になって、集団移転やかさ上げ工事などが急ピッチで進んでいる。しかし、家計にやや余裕があって再建を果たした人と、資力が乏しいために仮設住宅にとどまらざるを得ない人がいて、格差が広がっている」と指摘しました。2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決まったとき、ある被災者は「仮設のテレビでオリンピックを見るんじゃないだろうか」と漏らしたそうです。
民間の賃貸アパートを借り上げた「みなし仮設」の家賃負担の問題についても、「打ち切りになると途方に暮れる人が多いのに、ほとんど議論されていない」と危機感を訴えました。
東北報告会東北報告会
写真左:宮城県南三陸町内でも急ピッチでかさ上げ工事が進む宮城県南三陸町内、写真右:同町内の仮設住宅。長期化が懸念される一方、住宅を再建して退去する被災者も。
役割が大きかった国際協力NGOによる支援
震災発生当初、「ボランティアは時期尚早」「必要ない」とのメッセージが発信されてしまったため、多くの人がボランティア活動への参加を控えたと所澤さん。実際には外からの支援は必要で、「機動力や資金力のある国際協力NGOの震災直後からの活動は大きかった」。
所澤さんは、阪神・淡路大震災のあった1995年が「ボランティア元年」と呼ばれるように、2004年の新潟県中越地震はPWJなどが活動し、「国際協力NGOによる国内災害支援元年」と言えるといいます。東日本大震災では、支援のために被災地入りする人の動員数からみても、国内や地域で活動するNPOの存在感が大きくなり、「国内NPOの災害展開元年」と言えると評価しました。また、企業や中間支援組織、芸能人らの取り組みにも重要なものがあったといいます。
震災後の前向きな動きとして、所澤さんは、若い世代の間に“地元の宝”をさがす意識が生まれてきたことを挙げました。「これまでは『地元には何もない、早くここを出たい』と思っていたのに、地元のすてきな人、すてきなものがわかってきた。『ないもの探し』から『あるもの探し』に変わってきた」といい、PWJがサポートを続けている「ふるさと学習会(現在は、わらすこ探検隊)についても高く評価しました。
東北報告会東北報告会
写真左:PWJがサポートする「ふるさと学習会(現・わらすこ探検隊)」で、魚の解体に見入る子どもたち。講師は町内の魚屋さん(2013年2月)、写真右:町を歩き、地域の再発見をする子どもたち(2012年8月の「神社見学&きりこ作成」)。かつての住宅の土台も今ではあまり見られなくなった。
地元出身スタッフのビデオメッセージ
PWJの被災地での活動紹介では、PWJ東北事業代表の角免昌俊による報告のほか、宮城県南三陸町での支援事業を担当するスタッフ西城幸江と渡邊陽介が登場するビデオも上映しました。
南三陸町にはかつて、町シルバー人材センターがあり、高齢者らに軽作業などをあっせんするほか、陶芸やグラウンドゴルフなどの拠点ともなっていました。しかし、震災による津波でセンターが全壊したうえ、活動の中心となっていた人たちが震災後、隣の登米市などに移転したことなどからセンターは解散しました。
PWJは現在、住民向け活動拠点「晴谷驛(ハレバレ―)」の建設を進めています。同町出身の西城は、ビデオのなかで「高齢者だけでなく、地域の人が一緒に利用する場にしたい。若者の活動する機会もつくっていきたい」と意気込みを話しました。

東北報告会
高齢者らが取り組む「エコ平板」づくりは進化中
報告会後の8月8日には出張講座としてイオンモール石巻で実演

自立も意識した支援を継続
施設完成に先だって、高齢者らのグループが、廃材を利用した装飾用の建設資材「エコ平板」づくりに取り組んでいます。担当の渡邉は、青森県出身ながら、たまたま訪れた南三陸町の魅力に惹かれ、家族で移住。震災で被災し、仮設住宅に住みながら活動を続けてきました。
活動の進め方について角免は、担当スタッフ5人のうち、自分以外の4人が東北地方の出身者であることを紹介し、「地元の人が地元を盛り上げるために活動し、外部の人や企業などが支援している。この関係がよいのでは」と分析。「今後、エコ平板の完成品を販売することも計画していて、補助金に頼らず、自立した取り組みも意識して活動を続けていきたい」と話しました。
※PWJは今後も被災地外での報告会を実施予定です。予定が決まり次第、ホームページのほか、PWJのフェイスブックページなどでもお知らせします。
▼関連リンク
「エコ平板」創作を定期実践中!(2014.7.15)
高齢者や地域の人たちの拠点「晴谷驛(ハレバレー)」建設で安全祈願祭(2014.6.24)
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