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私たちの活動

高齢者らが集い活動する場を再び

「毎日10時ごろからお昼をはさんで2時ごろまで、グラウンドゴルフに行ってた」
「毎週集まって、陶芸をやり、コーヒーカップや一輪挿しを作ってた」
そんな震災前の日常の一部を取り戻し、町や地域コミュニティの再生につなげるため、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は宮城県南三陸町で、高齢者らが集い、活動するための施設を建設します。単なる施設建設ではなく、地域の人びとの交流のための施設とするため、住民有志による近隣施設の視察や意見交換会も重ねています。
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▲施設のあり方などについて考える住民有志との会合
しかし、町を襲った津波は、沿岸部にあったセンターの事務所と倉庫兼作業場も押し流したため、陶芸に欠かせない窯も失われました。グラウンドゴルフの道具がなくなったばかりではなく、仮設住宅の建設や再開発事業のためグラウンドもなくなりました。再建費用、活動資金の確保も難しく、主要メンバーは復興のためにそれぞれ奔走せざるを得ないことから、センターは再建を断念し、昨秋、解散。水産加工業などにも影響があるほか、「友の会の活動もなくなって、みんなバラバラ」(鈴木さん)。高齢者が仮設住宅にこもる一因ともいわれています。
同町でも高齢化は進み、65歳以上が人口に占める割合(高齢化率)は2013年3月現在、29.9%。しかし、元気に活躍される方も多く、高齢者らが活発に動くことで、町に活気が戻り、町やコミュニティの再生につながるとPWJは考えました。そのため、かつてセンターが果たしていた軽作業などのあっせんサービスと高齢者・地域の人びとの交流空間を再生するため、「いきがいサポートセンター」(仮称)を建設することを決めました。
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▲写真左:会合に参加した住民有志、写真右:住民に説明するPWJ西城
計画を進めるうえで重視しているのが、メンバー主導で利用方法を決め、施設を運営することです。2013年秋以来、前シルバー人材センターの利用者を含む住民バー有志で県内各地の紙すきや陶芸の施設、菜種油を抽出・加工する会社、障がいを持つ人が働く水産加工や牛タン加工の作業所などを視察し、視察の結果も踏まえて施設の利用法について話し合う会議を重ねています。
話し合いを通じてまとまりつつあるのが、施設にカフェを併設すること。カフェで使うコーヒーカップは陶芸をやっている人たちで制作しようと盛り上がっています。また、「視察で、障がいを持つ人が一生懸命に働く様子を見て感心した」(千葉邦夫さん)こともあり、障がいを持つ人の活動の場としてもらうことにも前向きです。「私たち高齢者と障がいを持つ人が一緒に過ごす場、憩いの場になるとすばらしいと思う」と千葉さんはいいます。
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▲写真左:建設予定地の確認作業、写真右:建設計画などについて検討するPWJスタッフら
進入路や水道など、町や行政との調整もほぼ終了し、施設は2014年1月中にも着工予定。完成目標は3月で、この施設を拠点に、春から活動が始まる見通しです。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金や皆さまからのご寄付により実施しています。

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