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私たちの活動

地元の産品、販売・レストラン・体験で地域再生を支援

東北の沿岸部には、「森と里と海」のつながりがありました。このつながりのなかで生まれた穀物やクルミ、牡蠣などを使った商品を開発し、生態系の保全に取り組みながら、雇用や地域再生を図ろうという取り組みが動き出しています。こうした産品を実際に味わうことができるレストランや体験イベントも計画されていて、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、地域コミュニティの再生にもつながるこうした取り組みを支援しています。
取り組みの舞台となっているのが、宮城県気仙沼市周辺の大川流域。室根(むろね)山系の森が、大川を通じて、気仙沼湾の豊かな海を育んでいるとの考えのもと、商品物販、レストラン、体験の3つの事業が一体で進められます。実践しているのは、ピースネイチャーラボ(気仙沼市唐桑町西舞根)。現在は、首都圏のカフェのレジ横での販売と、オンラインショップ「森里海工房」による販売が主な事業で、主力商品は、独特の食感を持ち、地元の浜で手拾いされたクルミなどを使った「森のクッティー」と、大川流域のめぐみで育ったという牡蠣の燻製。クッティーとハンドクラフトとの組み合わせ、牡蠣の燻製とパスタやパスタソースとの組み合わせで、各種のギフト用セットも用意しています。
4面_クッティー
▲写真:森のクッティー
大川流域や気仙沼市唐桑地区は、以前から人口が減り、地域再生が求められているなかで震災に見舞われ、大きな被害を受けました。ピースネイチャーラボの松田憲代表理事は、震災からどのように復興するかを地元の人たち と話し合うなかで、「人と自然のつながり」をキーワードにした取り組みが生まれたといいます。
「震災直後から、土台だけになってしまった家屋やお店の跡、地盤沈下し潮の満ち引きで湿地帯のようになってしまった畑の間を縫うように通り、支援物資を運んでいました。2011年の6~7月頃から、人々の生活が土台にしか残っていない陸地に草花が咲き、湿地になった場所には貝や海藻、鳥などが見えるようになりました。悲しくも美しい風景でしたが、自然界の生態系のたくましさを実感しました」
紛争地や災害被災地での緊急支援に多くかかわってきた松田代表でしたが、生態系や自然と人間のかかわり方に真剣に目が向くようになったのは、このときが初めてだったそうです。この地域には、「森は海の恋人運動」が以前からありました。そして、地元の人たちと夜、たき火を囲んだりするなかで、牡蠣を燻製にするアイディアも生まれました。
代表は、気仙沼市唐桑町に住まいを移して、事業を本格化。地域に雇用を生むため、震災前から地元にいる人や地元出身で震災を機にUターンを決意した人たちを多く採用しました 。調理師の資格を生かして商品開発を担当する宮崎由衣さんは、務めていた書店が震災で被災、ピースウィンズの仕事を経て、今の仕事に。「商品開発を通じて、本当に苦しんでいる人たちのために貢献できれば」という思いで取り組んでいます。
ピースネイチャーラボが現在、急ピッチで準備を進めているのが、来春オープンを予定しているレストラン。地元の森里海の幸を活用し、地元料理はもちろん、世界の漁師料理や郷土料理をメニューにする計画で、実際にこの地域を訪れて豊かな自然や味覚も体験してもらおうという構想です。2014年3月にも仮オープンし、4月下旬からの大型連休に、できるだけ大勢の人に足を運んでもらえればと期待も高まっています。
※本支援は、JTIFoudationからの助成や、皆さまからのご寄付により実施しています。

▼ピースネイチャーラボ オンラインストア
http://store.shopping.yahoo.co.jp/morisatoumi/
▼ピースネイチャーラボ ホームページ
http://www.morisatoumi.jp/

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