ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2013.10.30

学校運営能力向上トレーニング事業を新たに開始

イラク 海外人道支援

ピースウィンズ・ジャパンは、1996年の設立以来、イラク北部のクルド人自治区を中心に、教育、医療、保健衛生、インフラ整備、社会福祉事業など多岐にわたる支援を展開してきました。2009年後半からは子どもたちの教育環境改善に力を入れています。
2012年5月に開始したイラク北部3郡での小学校計7校(生徒数計1,480名、教職員数計90名)の改築事業は予定通り今年5月に終了しました。この支援により、「生徒たちが以前より意欲的に学習に取り組めるようになった」、「先生たちも新しい教育環境で教えることへのモチベーションがさらに上がった」と喜びの報告が現地から届いています。
ピースウィンズ・ジャパン イラク事業ピースウィンズ・ジャパン イラク事業
写真左:改築前の学校。基礎工事の不備から、壁に亀裂が入り倒壊が懸念された 
写真右:改築後の学校。6教室からなる新校舎
そして、今年5月からはイラク北部2郡計3校の教育環境整備に加え、クルド人自治区では初めての試みとなる校長先生の学校運営能力向上トレーニング事業を新たに開始しました。
教育現場における教育の質は、校長先生の学校運営能力に左右されることが多いといわれていますが、クルド人自治区には校長先生を対象とした学校運営トレーニングを提供する政府機関やその他の教育機関がないため、学校運営のノウハウを知らずに、教師から校長先生になる場合がほとんどといわれています。したがって、教育の質を向上させる一つの切り口として、教育現場における校長先生の学校運営能力向上のためのトレーニングが必要とされていました。ピースウィンズ・ジャパンは、クルド人自治区教育省からの要請を受け、自治区内3州のうち、今年度はドホーク州において、同州の実態に合わせた学校運営能力向上トレーニングを、国際専門家を現地に招聘し、現地教育省、現地教育局との連携の下で実施することになりました。本事業では同州の各郡・地区をカバーできるように選ばれた25名の校長先生をマスタートレーナーとして養成するだけでなく、その後、各マスタートレーナーが他の校長先生5名に同トレーニングを実施することで、実践によるスキルの定着を図るとともに、本事業終了後も現地教育局とマスタートレーナーが中心となり、持続的に同トレーニングが実践されていくことを目指しています。
これまでに現地教育局と国際専門家によるマスタートレーナー候補者の選抜が行われ、9月下旬には2日間の日程で候補者となった校長・副校長先生25名に対し、国際専門家よるトレーニングについてのオリエンテーションが行われました。また同会場では同州の実態に合わせたトレーニング教材作成のための情報収集の一環として25名を対象としたアンケート調査や国際専門家との意見交換・質疑応答もとても活発に行われました。出席した先生たちからは「今まで知りえなかった新しい考え方やアプローチを知ることができ、実に有意義な時間だった。早くトレーニングを受講したい」、「講師と受講者のやり取りがとても活発なオリエンテーションだった。講師の方の話だけではなく、他の先生たちの意見や関心、現在かかえている問題などについても知ることができたのはよかった」、「オリエンテーションに参加しただけで明日からさっそく応用できそうな学校運営に役立つ内容を知ることができた。実際のトレーニングを継続して受講し、新しいやり方を実際の学校運営にもっと活かしていきたいです」など同トレーニングへ期待を寄せる声が多く聞かれました。
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写真:オリエンテーションの様子
次回のイラク教育支援の現地活動ルポでは、マスタートレーナー養成トレーニングの様子を中心に報告させていただきます。
報告:牛田眞也子(事業部)
*本事業は、外務省「NGO連携無償資金協力事業」による資金や寄付金などにより実施しています。

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