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私たちの活動

ハラブジャ母子病院を設計者の荒木建築士が視察

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、かつての毒ガス攻撃によって大きな被害を受けたハラブジャで、2008年8月から母子病院の建設を進めています。2009年5月までに鉄筋コンクリートの骨格部分がほぼ完成し、現在、一階内部の間仕切壁のブロック組積工事や、給排水管、電気、換気などの工事を進めています。5月には、設計を担当した荒木洋建築士が現地に入り、工事の進み具合などを確認しました。

現地のエンジニアと打ち合わせをする荒木建築士

現地のエンジニアと打ち合わせをする荒木建築士
(C)PWJ/Masatoshi KAKUMEN

ハラブジャは1988年3月、当時のサダム・フセイン政権から、毒ガス爆弾(サリン、VXなどの混合ガス)による攻撃を受けました。人口8万人のハラブジャで、市民約6000人が死亡し、約2万5千人が負傷したといわれています。現在でもハラブジャ地域では、先天性異常の新生児や妊娠異常の発生率が、周辺の地域よりも高くなっています。こうした状況に対応するため、PWJは産婦人科と小児科の病院を建設し、医療にかかわるスタッフの研修を実施することになりました。
建設中の母子病院は2階建て50床。手術室、分娩室、新生児室、検査室、産婦人科病棟、小児科病棟、緊急手術室を備えます。

2階床の型枠設置工事

2階床の型枠設置工事
(C)PWJ/Masatoshi KAKUMEN

ハラブジャの冬は寒く、1月から2月にかけては雪も降るため、しばしば作業ができない日もありましたが、3月以降暖かくなってからは、工事は順調に進みました。
5月に現地を視察した荒木建築士は、建設中の病院や宿舎を実際に確認し、設計どおりに建設されているかの確認を行いました。また、パートナーである現地の建築家とともに、仕上げに使用されるタイルや石を選んだりしました。

病院とエントランス通路

病院とエントランス通路
(C)PWJ/Masatoshi KAKUMEN

これからの季節は気温が上がり、50度を超える日もあります。8月にはイスラム教の断食月が始まる予定のため、日中の仕事は難しくなっていきますが、現地政府や業者の協力のもと、工事を着実に進めていきます。病院の完成は、2010年3月を目指しています。
※ハラブジャ母子病院の建設は、国連開発計画(UNDP)の協力も得て進めています。

病院の完成イメージ

病院の完成イメージ
(C)AN architects

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