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【バングラデシュ】診療所開設から4年。ミャンマー避難民キャンプの今 ~前編~

バングラデシュ南東部コックス・バザールにあるミャンマー避難民(ロヒンギャ難民)キャンプの一つ、キャンプ14に、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が現地団体のダッカ・コミュニティ・ホスピタル・トラスト(DCHT)と開所した診療所は、2022年1月10日に4周年を迎えました。
 

 
本診療所は、キャンプ14に住む約34,000人の避難民と周辺地域(ホストコミュニティ)で暮らすバングラデシュの人々に対し、24時間年中無休の分娩介助を含めた基礎的医療サービスを提供し、「ジャパン・ホスピタル」の愛称で親しまれています。
患者さんからの反応を伺うと、まず診療所サービスの質が評価されていて、また医療の質だけでなく、診療所スタッフとのコミュニケーションも高い満足に繋がっているようです。診療所には、活動初期から継続して働いているスタッフもいます。またミャンマーにいた時には何百人ものお産を介助した経験があり、避難民から信頼が厚い伝統的産婆(Traditional Birth Attendant:TBA)が診療所で活動していることも、自宅でのお産が多いなか、医療施設での分娩を推進する上で、大きな役割を果たしています。避難民とバングラデシュ人では話す言語が同じではないため、避難民の言葉を理解できることや、同じスタッフが継続して診療をすることが、患者やその家族にとって大きな安心感につながっており、「診療所スタッフが家族のように真摯に話を聞いてくれた」と嬉しそうに話す患者さんもいます。
 


2018年から診療所で働く医師。患者からとても信頼されています。

 
診療所が地域に親しまれている他の理由には、コミュニティヘルスワーカー(CHW)という立役者もいます。彼らは専門的に医療を学んだ医療従事者ではなく、ホストコミュニティの住民です。診療所に常駐しているわけではなく、キャンプ内や周辺ホストコミュニティに出向き、家庭訪問による保健啓発活動や、キャンプ内で行われる予防接種などのヘルスキャンペーンへの協力など、住民たちに保健の知識や情報を届け、医療が必要な人には診療所受診につなげる重要な役割を担っています。
 
今回は、2019年から従事している二人のCHWを紹介します。
 


COVID-19の予防方法を説明するNureさん(写真左)

 
一人目は、大きくはきはきとした声で話すのが特徴的な CHWのリーダー的存在のNureさん。「家庭訪問で受診が必要な状態の人を診療所に連れて行ったあと、彼らの体調が良くなっていく姿をみるのがモチベーションになっている」と話してくれました。また、住民への啓発活動を通して、「最初は、人前で話すことに慣れていなかったけど、啓発活動を重ねて自信がつきました。コミュニケーションスキルが向上して、友達も増えました。」と笑顔で話します。保健知識の伝達自体は単純な業務だと感じるかもしれませんが、それを理解してもらうには様々な困難があります。例えば、住民の中には、伝統的な慣習や考え方と異なることから、自分や家族が診療を受けることに否定的な人も少なくありません。そのような意見にも耳を傾けつつ、行動の変化を促していくような働きかけは簡単ではありません。彼女のコミュニケーション力は、きっと住民との地道な対話を通して鍛えられたのでしょう。
 


健康的な生活習慣について説明するRiponさん(写真右)

 
二人目は、診療所で唯一の男性CHWのRiponさん。彼は主に男性への働きかけを担っています。「男性への啓発活動では、どのように彼らを説得できるか考えて実施しています。女性の意志決定は男性の意見に左右されることも多いので、啓発を受けた男性の妻が産前健診や施設へ分娩に来てくれた時は、嬉しい気持ちになります。」と、活動を通して感じられた人々の変化を話してくれました。また、活動を通して彼ら自身も初めて知る保健知識も多く、それを家族や友達に助言をすることもあり、地域への波及にもつながっています。
                  
4年以上続けてきた活動を通じた二人の成長は、大きな意義の一つです。地域に住む彼らが、住民と同じ目線に立って地域で活躍することは、彼ら自身がその地域の資源となるだけでなく、嫌煙されがちな啓発内容をより身近なものし、その地域の力をさらに伸ばす可能性を秘めています。
 
後編では、4年間を経て、難民キャンプで変わったことと変わらないこと、現在の活動が目指すことについて、ご紹介します。
 
※本事業はジャパン・プラットフォームからの助成金や個人・法人のみなさまによる寄付金により実施しています。
 
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