ACTIVITY
私たちの活動

パラオPALAU

パラオでの活動

2021年3月より、パラオ共和国において、離島への巡回検診・診療と非感染性疾患(生活習慣病)の予防体制の強化を目的とした事業を実施しています。

同国では保健医療分野においては、慢性的な保健医療サービス従事者不足のため、十分な医療サービスが行き渡っておらず、人材育成を含めた保健医療水準の向上、および生活習慣病予防が急務となっています。

パラオの基礎データ

国名
パラオ共和国 (Republic of Palau)
首都
マルキョク(2006年10月、コロールより遷都)
面積
488平方キロメートル(屋久島とほぼ同じ)
人口
18,024人(2021年、世界銀行)
言語
パラオ語、英語
民族
ミクロネシア系
宗教
キリスト教

パラオで解決したい課題を教えて!

パラオ共和国は日本の真南約3,000kmに位置する小さな島国です。
人口約18,000人、340以上の島から成り立っているパラオでは、国で唯一の国立病院が中心地コロールにしかなく、パラオ国内の医療へのアクセスが乏しいこと、慢性的な医療人材不足などが理由で、医療サービスが受けにくい状況にあります。特に中心地コロールから離れた離島ではその問題が顕著になっています。

また近年、食生活の変化により生活習慣病が急増しています。中でも深刻になっているのは、心臓疾患、糖尿病、がん等の病気です。パラオ保健省の調査によると、70%以上の死因が生活習慣病によるものです。
生活習慣病の主な要因となっている肥満の人は成人で72.5%もいるにもかかわらず、予防に重要な毎年の検診を受けていない成人の数は48.1%、これまで一度も検診を受けていない成人は19.6%にのぼります。

その結果、多くのパラオ人が糖尿病や高血圧などの生活習慣病が進み、症状が深刻な状況になって初めて病院を受診することとなり、ずっと治療が必要な状態となっています。

ピースウィンズの活動を通して、改善されたことを教えて!

ピースウィンズは、パラオの健康課題を改善するためコロール(Koror)州とペリリュー(Peleliu)州、アンガウル(Angaur)州、カヤンゲル(Kayangel)州、ソンソロール(Sonsorol)州、ハトホベイ(Hatohobei)州にて生活習慣病予防事業を行っています。
具体的には、生活習慣病に関するパラオ国内の医療体制を整え人材を育成すること、検診船「KENSING号」の運用を通してこれまで検診を受けられなかった人々に検診の機会や生活習慣病に関する知識を提供しています。

これにより、パラオの人々の生活習慣病に対する理解を深め、住民自身の自発的な予防への取り組みを促進しています。

今後活動を続けるにつれ、より改善できそうな所は?

検診船「KENSING号」を運用し生活習慣病予防事業の一環であるコロール州および離島5州での検診を行うことで、医療へのアクセスを改善し、自身の健康に気を遣う人が増えることを目指しています。

その中でも私たちでなければ医療アクセスの改善ができない地域があります。中心地コロールがある島から約600km離れた南西諸島と呼ばれる地域です。
パラオに数隻しかないKENSING号サイズ(36m)の船でしか訪れることができず、到着まで1日以上かかる場所に位置していることから、パラオ人のほとんどの人が南西諸島へ行ったことがないと言われるほど、物理的なアクセスが乏しいエリアです。

南西諸島の島々では、診療所には十分な医療機器・医薬品はなく、常駐する医療従事者もいない状況であり、非常に厳しい状況です。
南西諸島で私たちの検診を受けた住民からは「南西諸島に住む私たちはパラオ国内ではマイノリティで、正直忘れ去られている存在です。その私たちのためにわざわざ検診をしにきてくれてありがとう」という言葉を頂きました。

船の運用は容易ではありませんが、KENSNIG号によって、これまで医療サービスを受けられなかった人・地域に対して、継続的かつ効果的なサポートをしていきたいと考えています。
本事業はパラオ大統領からもパラオの国の人々にとって非常に意義のある事だと認知されており、ピースウィンズとしても継続する必要性を強く感じています。

最後に、生活習慣病の健康課題はパラオにとどまらず、大洋州全体の問題でもあります。そのため、パラオ事業がモデルケースとして大洋州全体の健康課題解決の一助となることを目指しています。

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また、復興・開発のために支援を行います。

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