「夢之丞」と呼ばれる犬をご存知ですか?
夢之丞は、広島県動物愛護センターのガス室の前で、冷たい床にポツンと置かれたケージの隅に、震えながらうずくまっていました。おびえた表情で、まるで自分の気配を消そうとているかのようでした。
生後3~4か月の夢之丞(当時)は、ガス室が満杯になり、
殺処分が延期されたところでした。
殺処分される仲間たちの最後の叫びを聞いていたからでしょう。スタッフが保護するために抱き上げると、夢之丞は自分の死を覚悟して、震えながらおしっこを漏らしてしまいました。
スタッフはこの子犬を引き取り、ガス室から生還したこの子に夢と希望を託す意味を込めて「夢之丞(ゆめのすけ)」と名付けました。
臆病で人が苦手な夢之丞でしたが、トレーナーの地道な努力が実り、やがて災害救助犬候補として訓練を受けるようになりました。日々たっぷりの愛情を受けつつ厳しい訓練をこなしました。
そして2014年に発生した広島土砂災害では、レスキューチームとともに出動、捜索・救助活動にあたり、夢之丞は行方不明者1名を発見することができました。
その後も被災地に出動し、近年では、北海道胆振東部地震(2018)やインドネシア・ロンボク島地震(2018)にも出動しました。
あなたのご支援が、殺処分のない世界をつくります
ピースワンコ・ジャパンは、広島で殺処分の対象となった全ての犬の引き取りを行っていて、これまで7,000頭以上の命を救ってきました。
動物愛護センターから引き取った犬には、獣医師による健康診断やワクチン接種などの適切な健康管理や、ドッグトレーナーによるしつけをシェルターで実施します。
その後、譲渡が可能と判断された犬は全国に8カ所ある譲渡センターで新しい里親さんに譲渡されています。
しかし、ピースワンコ・ジャパンが6年以上にも渡り殺処分の対象となった犬の引き取りを行っているにも関わらず、動物愛護センターに収容される犬は後を絶ちません。
また、シェルターで保護している約2,500頭の飼育費(フード代、医療費など)や、施設の補修・拡張には大きな費用が掛かります。
1頭でも多くの犬を殺処分から救い、新しい家族に引き合わせるために、あなたのご支援が必要です。
ピースワンコに来る犬は愛護センターからばかりではありません。
今年2月のある寒い朝、シェルターの前にケージごと捨てられていた「いっくん」。
毛と爪は伸び放題、痩せて元気もなくなっていました。でも…
スタッフが一生懸命、お手入れとお世話をしてすっかり見違えるように可愛くなったいっくん。
もう一度、しつけトレーニングを行い、無事、優しい新しい家族と出会い、卒業することができました。
私は2013年からピースワンコ・ジャパンのスタッフとして働いています。
先日も動物愛護センターに収容されている犬を殺処分から救うため、センターを訪れました。殺処分対象の檻の中には多くの犬がおり、近寄ってきてじっと見つめてくる子や、とても人懐こく、私たちが十分に愛情を注いで飼育すればすぐにでも譲渡できそうな子もいました。
2016年4月以降、私たちは広島県の殺処分対象の犬を引き取り、殺処分ゼロを維持しています。
私たちはこれまでに、2,500頭以上を収容できるように犬舎を拡大し、譲渡センターを広島県、神奈川県、東京都、奈良県、岡山県など8カ所に開設し、保護頭数および譲渡数を着実に伸ばしてきました。しかし、少しでも気を緩めたり、施設の拡充が遅れたりすれば、再び殺処分機の稼働を許してしまいます。
皆さまのご支援が頼りです。
どうか1頭でも多くの命を救うため、お力を貸してください。
あなたの寄付が保護した
ワンコの支援になります
3,000円のご寄付で
保護した犬の血液検査1回分の支援になります。
10,000円のご寄付で
1回分の狂犬病予防注射と混合ワクチンの支援になります。
15,000円のご寄付で
3頭分のドッグフード約1ヶ月分の支援になります。
ピースワンコ・ジャパンとは
ピースワンコ・ジャパンは、動物と人の真の共生を実現するために、殺処分対象の犬を動物愛護センターから引き取り、シェルターで保護した後適切な医療・飼養・訓練を経て、里親の方へ譲渡する活動です。活動開始から約10年間で7,000頭以上の命を救い、2016年からは広島県は犬の殺処分ゼロを継続しています。また、保護犬の適性をみながら「災害救助犬」や「セラピー犬」「低血糖アラート犬」の育成にも取り組んでいます。 これからも、人間の身勝手によって生み出される犬・猫の殺処分をなくし、犬と人間の真の共生を実現するために活動を続けます。
※ピースワンコ・ジャパンを運営するピースウィンズ・ジャパンは、都道府県から認定された税優遇が受けられる「認定NPO」です。ピースワンコ・ジャパンに寄付していただくと、税制優遇を受けることができます。
※私たちの「殺処分ゼロ」とは、動物愛護センターに持ち込まれる犬のうち、愛護センターの獣医師の診断でもう助からないと判断され、安楽死させられたり、センター内で病死してしまったりした犬を除く殺処分対象の犬をすべて引き取り、いわゆるガス室を使った無差別的な処分を止めることを指します。