東日本大震災 3.11 あの日、あの時から

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東北10年 感謝を原動力に

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東日本大震災復興支援 10年間の活動報告

あの日、あの時、目の当たりにした被災の現実。10年間、私たちを突き動かし続けてくれたものとは…。支援活動に携わった当事者の想いとともに東日本大震災を振り返ります。

 

あの日、あの時、目の当たりにした被災の現実。10年間私たちを突き動かし続けてくれたものとは…。支援活動に携わった当事者の想いとともに東日本大震災を振り返ります。

力ある支援をいただいた10年の感謝を、すべての方へ。

2011年3月12日、ヘリコプターで駆けつけた私たちは、上空から想像を絶する光景を目にしました。地上に降り立つと、周囲を埋め尽くす瓦礫とヘドロのなかで、多くの人が着の身着のまま避難所に身を寄せ、家族の消息を探していました。直後から私たちは、必要な救援物資をできるだけ早く届けるために奔走しました。あの日から10年。力不足で悔しい思いもしましたが、商店や漁業の再開支援、子ども向けのふるさと学習会、原発地域のペットの保護、コミュニティ活動の場づくりなど、さまざまな支援を今日まで続けることができました。

それは、私たちを信じ、地域や国境を越えて活動を支えてくださった皆さまのおかげです。心から感謝を申し上げます。
ピースウィンズ・ジャパンは、東北の被災地での経験と想いを糧に、一秒でも早く、一人でも多くの命を助けられるよう、支援チームの強化に力を注いでいます。いつ、どこで起こるかわからない災害への備えに、これからも皆さまと一緒に取り組みます。引き続きご支援、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

NEVER FORGET 2011.3.11 / 14:46

忘れることができない、あの日、あの時。M9.0の衝撃が奪った東北の日常。

ACTION HISTORY 東日本大震災復興支援 10年間の活動報告

緊急期

ピースウィンズ・ジャパンは、震災発生直後に支援を決定し、翌日に三陸沿岸の被災地に入りました。物資配布などの初動支援の後、みなさんが避難所から仮設住宅へ移るタイミングに合わせ、生計支援や心のケアを始めました。

  • 救援物資の配布
    調査と救援物資の配布 三陸沿岸部

    ヘリによる調査で、支援が届きにくいと判断した三陸沿岸部を中心に、食料品・暖房器具・寝具・衛生用品・衣類など約160トン(トラック約40台分)の物資を避難所などの約20,000人に届けました。

  • さまざまな緊急支援を現地へ
    さまざまな緊急支援を現地へ 気仙沼市/大島

    地震発生から5日、電話が不通で安否確認が進まない気仙沼市で、衛星電話による安否確認や、発電機による携帯電話の充電サービスを提供。離島の大島には医師を派遣しました。また、40カ所の避難所におもちゃ箱を配り、19カ所で映画上映会を開きました。

  • 仮設住宅入居者への物資配布
    仮設住宅入居者への物資配布 岩手県南部

    岩手県南部の9市町村に完成した仮設住宅や民間借り上げ住宅に入居した8,588世帯、22,987人に、寝具・台所用品・清掃用品などを提供。さらに、仮設住宅の寒さ対策として、暖房器具を7,590世帯に配布しました。

  • 漁協や商工会の再開支援
    漁協や商工会の再開支援 陸前高田市/大船渡市/南三陸町

    復興には産業の立て直しが重要と考え、漁協や商工会の事業再開に必要な事務用品・PCなどを支援。移動販売車21台を陸前高田市、大船渡市、南三陸町の商工会に提供しました。また、陸前高田市では、避難所・仮設住宅と病院やスーパーを結ぶ「おもいやりバス」の運行、2,398世帯6,319人に対する商品券の配布などを通じ、地元商店での買い物を支援しました。南三陸町では、漁協の仮設事務所の建設に加え、漁場調査のための道具一式を支援。大船渡市の漁協にはサンマの出荷に必要な製氷機や選別機などを提供しました。

  • 心のケア
    心のケア 気仙沼市/陸前高田市

    大切な人との別れや避難生活によるストレスを軽減するため、気仙沼市や陸前高田市などの27カ所を巡回する「アート&スポーツキャラバン」や、体を使った遊びを紹介する「ムービングフォワード」などのプログラムを提供。半年間で2,524人の子どもが参加しました。また、仮設住宅に住む親や高齢者が集って不安や悩みを語り合える「お茶っこ」の開催、教員やソーシャルワーカーを対象とした研修・勉強会など、地域全体で子どもを支える環境づくりを支援しました。

  • 福島の農家支援
    福島の農家支援 福島県

    原発事故で被害を受けた農家を支援するため、国が定める放射線量の暫定基準値を下回ったフルーツを販売する「福島応援フルーツ便」を企画。福島特産の桃、ぶどう、梨、リンゴを販売しました。

復旧期

仮設住宅での生活が落ち着いてきた2012年ごろから、ピースウィンズ・ジャパンは復興を見据えた地域コミュニティの強化へと支援の重点を移しました。商業や漁業の再開支援のほか、子ども支援や防災力向上などに取り組みました。

  • 商店街の復旧支援
    商店街の復旧支援 南三陸町

    南三陸町などの仮設商店街で営業を再開した325店舗に対し、商工会・商工会議所を通じて、店舗の内装工事や備品購入に必要な費用を支援しました。また、商店街の共用スペースとして、憩いの場や会議室などを設置しました。

  • 漁業の生計支援
    漁業の生計支援 南三陸町

    南三陸町の漁協と協力し、養殖ワカメの資材26セットを支援。サケの孵化場整備に必要な備品や倉庫も提供しました。2012年末には、アワビやウニの漁に必要なオールなどを550人の漁師に届けました。

  • 2012 Summer 子ども支援
    子ども支援 南三陸町

    南三陸町で再生を担う子どもを対象に、学びの場を提供。町の大人が先生になって地元の歴史や伝統、仕事について教えたり、町外の企業の協力で、科学や金融など多様な知識を学ぶ講座を開いたりしました。スポーツ選手と一緒に体を動かす企画もあり、2012年夏から約1年間で計50回、延べ639人の子どもが参加しました。また、被災地で演劇に携わる子どもと四国の子どものミュージカルによる交流を支援し、公演を東京で行いました。

  • 防災力向上支援
    防災力向上支援 陸前高田市広田町
    福島県浪江町・楢葉町/宮城県南三陸町

    2012年末ごろから、次の災害に備えて地域の防災力を高めるため、陸前高田市広田町の自主防災会による震災記録冊子の作成を支援。また、福島県浪江町や楢葉町、宮城県南三陸町などに防犯用ソーラー街灯を設置しました。

  • 福島で被災した犬・猫保護
    福島で被災した犬・猫保護 福島県

    パートナー団体と協力し、福島県で被災した犬や猫を保護して里親を探したり、福島県内での保護施設の建設をサポートしたりしました。また、伝統行事である相馬野馬追に参加する馬を貸与しました。

  • 地域の活性化を図る支援を
    地域の活性化を図る支援を

    地域の魅力を再発見することで活性化を図るため、気仙沼市唐桑で活動するNPO法人「あすわ」と共同で連続イベント「リアスワールド」を開きました。「遊び」「体験」「食」などをテーマにした計20件のイベントに、延べ200人以上が参加しました。また、震災の影響を受けた東北の伝統工芸を再興するために見本市への出展支援や医療用多目的ヘリコプターの運行支援も行いました。

復興期

地元のみなさんが主体となった被災地の復興を進めるため、地域活性化に取り組む地元NPOの運営をサポートしています。未だ復興途中であり、これからも被災地に寄り添った支援を行っていきます。

  • 観光振興支援
    観光振興支援 気仙沼市

    2012年末から、気仙沼市を拠点に食と自然体験を通じた地域再生に取り組むNPO法人「ピースネイチャーラボ」の立ち上げを支援。2015年には、観光・交流の拠点として活用できる施設も完成しました。地元の食材を使った産品の販売のほか、カフェで牡蠣入りのパスタやシーフードカレーなどを提供します。外部のウッドデッキには洗い場も設置され、釣った魚をその場で調理する自然体験プログラムなどにも利用される予定です。

  • 高齢者の活動支援
    高齢者の活動支援 南三陸町

    高齢者の不安を和らげ、元気を取り戻してもらうため、南三陸町で、趣味やサークル活動の拠点となる「晴谷驛(ハレバレー)」を建設しました。地元の住民らが設立したNPO法人「びば!!南三陸」と協力し、2014年-15年にグラウンドゴルフや手工芸、植木剪定などの講習会を計300回以上開き、延べ約3,000人が参加しました。今後も高齢者の交流の場となるよう支援を続けます。

  • 福島からの移住支援
    福島からの移住支援 福島県

    2013年ごろから、原発事故のため帰還が難しい避難者の移住についてニーズ調査を行い、広島県神石高原町で移住者の定住や就業を支援しています。

    • 広島土砂災害 被災者支援

    • ネパール地震 被災者支援

    • 熊本地震 被災者支援

  • 日常を取り戻すための支援
    日常を取り戻すための支援 南三陸町

    津波で壊滅的な被害を受けた「南三陸さんさん商店街」の再開など少しずつ復興が進む中、地元のみなさんが日常を取り戻すための支援を続けました。また、被災地の復興を願って開催された「復興支援フォトコンテスト」の寄付先に、ピースウィンズ・ジャパンを選んでいただきました。

    • 九州北部豪雨 被災者支援

  • 高齢者の生きがい支援
    高齢者の生きがい支援 南三陸町

    NPO法人「びば!!南三陸」とともに65歳以上の町民4200人の生きがいの場を広げていくため、遠隔地からの仕事受注などを目指しました。また、海外自動車メーカー5社による復興支援プロジェクトでの募金を、高齢者のコミュニティ再生活動に寄付していただきました。

  • メモリアルイベントの開催
    メモリアルイベントの開催 東京都目黒区

    東日本大震災より7年。被災地の人々の想いを共有し、応援し続ける気持ちを多くの人へ取り戻すため、メモリアルイベント「見て、食べて、聞いて、感じる!南三陸の今」を開催しました。

    • 西日本豪雨 被災者支援

    • インドネシア・ロンボク島地震 緊急支援

    • 北海道胆振東部地震 被災者支援

    • インドネシア・スラウェシ島地震 緊急支援

    • 九州北部豪雨 被災者支援

    • 台風15号 被災者支援

    • 台風19号 被災者支援

  • 長年続けてきたヘリによる支援活動を組織化
    長年続けてきたヘリによる支援活動を組織化

    これまで一人でも多く、一秒でも早く救助・救命活動を行うためにヘリコプターでの緊急災害支援を続けてきましたが、さらに強固な協力体制を構築するため、空飛ぶ捜索医療団 “ARROWS”として組織化しました。

  • 防災啓発支援
    防災啓発支援

    被災経験がない、または将来被災する恐れのある地域「未災地」での防災講座、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”とYahoo!防災アプリ「災害マップ」の連携協力など、東日本大震災発生から9年、被災地の活動で培ったこれまでの経験をもとに、さまざまな防災に関する支援を行っています。

  • 1,800をこえる企業との連携支援
    1,800をこえる
    企業との連携支援

    現金寄付に加え、震災発生直後の物資寄贈・物資輸送・ボランティア派遣や、復旧・復興期における映画上映会・講座などのイベント開催など、10年間で、延べ1,800件をこえるサポートを企業・団体からいただき、それぞれの特性を活かした支援を被災地に届けました。

  • 多くの力に支えられた10年
    多くの力に支えられた10年

    震災直後に支援を始めて10年。東日本大震災被災者支援のため、これまでにピースウィンズ・ジャパンに寄せられた個人からのご寄付は8,500件超にのぼります。緊急期、復旧期、復興期と、その時々に必要とされる支援を被災地に届けることができたのは、皆さまからのあたたかいご寄付や協力のおかげです。被災地の現場で感じた無力感、「もっとできることはないか」という自らの問いかけがあるからこそ、この先の災害への備えの強化に継続的に取り組んでいきます。

開発期

これまでの記憶や経験をつなぎ、将来の災害に備えた「防災・減災」活動・支援に取り組みます。助け合いや防災への意識を高め、さまざまな地域の災害リスクの軽減を目指します。

  • 命を守る備えを、一緒に
    命を守る備えを、一緒に

    いつ、どこで起こるかわからない災害。あなたのために、大切な人のために、その日を恐れるだけではなく備えることができるように。ピースウィンズ・ジャパンはこれからも、一人でも多くの命を守るための活動を支援し続けていきます。

 

教訓と感謝をつなぎ、二度と津波で命を失わせない町へ。

宮城県本吉郡 南三陸町長佐藤 仁

インタビュー01
宮城県本吉郡 南三陸町長/佐藤 仁

漁業の先行きが見えなかったとき支援に励まされ、助けられた。

宮城県漁業共同組合 歌津支所長(当時)千葉 信哉

インタビュー02
宮城県漁業共同組合 歌津支所長(当時)/千葉 信哉

生まれ育ったこの町のために何か動かずには、いられなかった。

ピースウィンズ・ジャパン 東北事業 現地事業責任者西城 幸江

インタビュー03
ピースウィンズ・ジャパン 東北事業 現地事業責任者/西城 幸江
あなたは、だれかの力。

被災地に駆けつけることはできなくても、
いま、あなたができる支援を。
明日の災害に備える力につながります。

(認定NPOピースウィンズ・ジャパンへのご寄付は、寄付金控除の対象となります)

ピースウィンズ・ジャパンが運営する「空飛ぶ捜索医療団(災害緊急支援プロジェクトARROWS)」は、
"一秒でも早く、一人でも多く"の被災者を助けるために、平時から準備・訓練しています。
私たちの活動は、全国の皆さまからのご支援・ご寄付によって支えられています。

『#東北10年』あなたの経験を伝えてください。

あの日、あの時、あなたは何を思いましたか。
あなたの投稿が、みんなの気づきとなり、防災意識を高める力となります。

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