【 連携事例紹介 】
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ロシアによる軍事侵攻の影響で厳しい財政状況が続くウクライナの教育機関では、学校の備品を十分に整えることができません。ピースウィンズはミコライウ州教育局からの支援要請を受けて、ペルポマイスク特別支援学校で不足していた食堂の椅子やテーブル、衣類、乾燥機、テレビ、洗濯機、シェルターのための赤外線ヒーターなどを届けて、子どもたちが安心して、楽しく学校生活と寮生活を送ることのできる環境を整えました。この事業は、パナソニックグループの従業員の皆様からのご支援で実現することができました。
この学校には脳性麻痺や視覚障害などの障害のある児童44人に加えて、国内避難民の児童9人、保護者のいない児童16人など131人が在籍し、このうち47人が寮生活を送っています。家具は古いものが多く、修理も困難でした。子どもたちにとって、何かが新しくなったり、新しい電化製品が生活に加わることは、とてもうれしい体験だと学校職員は話してくれました。
子どもに安全な丸テーブル
この学校で学ぶコツィヤさん、アンドリィさん、ロマンさんは口々に、食堂の新しいテーブルと椅子は「色が明るくて、座り心地もいい」と喜んでくれました。また、ある職員はこう話してくれました。「丸テーブルは怪我をする恐れがなく、安全なものを選んで欲しいという私たちの希望を聞き入れてもらえました」。
洗濯機と乾燥機
ペルポマイスク特別支援学校には寮生もいるため、洗濯物が大量に出ます。洗濯機と乾燥機が足りなかったので、以前は大変だったと洗濯担当のアーラさんとガリーナさんは話してくれました。今回、洗濯機2台と乾燥機2台を届けたため、衣類とベッドリネンを学校中から受け取って色分けして洗うのを並行して進められるので、スピードアップしたと喜んでくれました。
調理室には新しいオーブンを取り付けました。調理スタッフのインナさんとヴァレンティナさんは、これを使って料理するのが楽しみだと話します。
シェルターにはヒーターを
地下シェルターにはヒーターを備えました。学校職員のミコラさんは言います。「以前はシェルターの室温は5度から7度くらいで、長時間滞在できない寒さでした。ヒーターが入ったおかげで心地よい暖かさになりました」。この聞き取りをしている時にミコライウ州に空襲警報が出され、みんなでシェルターに入りました。
寮には、クローゼットやロッカーなどを届けました。
子どもたちは「簡単にドアが開いて使いやすい。近くにベンチがあるので着替えも楽。色で自分のロッカーを見分けられる」と大喜びでした。共同生活をする子どもにとって、自分のものを収める場所があるのは精神的にも発達の上でも大切なことだそうです。
ピースウィンズは引き続き、戦時下のウクライナの人々の痛みを少しでも和らげることができるよう支援活動を続けていきます。