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シリアの現地活動ルポ

シリアの現地活動ルポ

シリア国内にて、食糧と冬服配布支援を実施

2018.3.15

「夫は障がいがありますが、バイクを買い、人々の移動や物資の輸送を手伝うことで収入を得て家族を養うため働き始めました。私たちには、2歳から15歳の6人の子どもがおり、教育を受けさせたいと願っています。」

 2011年に勃発したシリア危機は、2018年3月で8年目に入りました。国連の報告書によれば、約1,870万人(2015年時点*1)のうち避難民の数は610万人に上り、1,310万人が何らかの支援を必要としていると推計されています*2。支援を必要とする人々の半分以上は、複数回におよぶ避難と支援へのアクセス不足等により、特に厳しい困窮状態にあります。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、シリア国内の現地提携団体とともに、昨年12月から今年1月にかけて、食糧に加えて、子ども用の冬服の配布支援を行いました。支援を受け取った裨益者から話を聞いていると、そこには困窮状態のなかでも子どもたちの将来の幸せを願い、必死に生きる家族の姿がありました。

*1 国連による2017年6月時点の人口推計データで直近の年の数字を記載(https://esa.un.org/unpd/wpp/Download/Standard/Population/)(アクセス日:2018年3月1日)
*2 UNOCHA, Humanitarian Needs Overview: Syrian Arab Republic. November 2017

写真①
(写真:とある日、配布場所として使用した学校の教室。休暇に合わせて装飾がつけられていました。)

聴覚と言語に障がいがあるカリーム(仮名)さんは、家計が苦しく、家族を十分に養うことができずにいます。彼の気持ちを代弁するように、妻のファティマ(仮名)さんは、今までの生活について、話してくれました。

「以前の生活は、質素ではありましたが、いいものでした。食事を摂ることができ、水を飲むことができ、そして6人の子どもの衣服もまかなうことができました。しかし、シリア危機後、食糧品だけでなく、衣服やありとあらゆるものの価格が高騰し、以前のような生活をすることができなくなりました。」

日々の生活が苦しい中で、子どもたちに教育を受けさせたいと願い、カリームさんは、バイクを購入し、人々の移動や荷物輸送のためのバイクタクシーとして働きはじめたそうです。

「夫も私も、子どもたちを働かせることで、教育機会を奪いたくありません。そのため、夫とともに、なんとか家計をやりくりしています。例えば、最低限の限られた食料のみを買うこと、それから子どもたちに新しい服を買わないこと。それはイードのお祝いのときもです(断食月ラマダン明けのお祝い「イード」では、新しい服を新調するのが習わしとなっている)。」

PWJが提携団体と配布した食糧と冬服を受け取ったカリームさんとファティマさん一家。

「支援を受け取ることができて、とても嬉しいです。普段自分たちでは買うことができない食糧品を手に入れることができましたし、量も1ヵ月分の食事に十分な量です。おかげで、食費を節約できます。子どもたちは新しい服をもらえて、喜んでいます。持っている服は古くなり、擦り切れていましたから。」

写真②
(写真:配布した冬服キット)

写真③
(写真:配布された冬服キットを持ち帰る女の子)

夫のカリームさんは、提携団体とともに食糧と冬服配布チームの一員として、食糧と冬服の配布を手伝ってくださいました。

「夫は支援にとても感謝しています。それだけでなく、支援を必要としている人々へ物資を届ける手伝いができたことに、喜びを感じています。」

「あなたたちのおかげで、私たちが笑顔になれただけでなく、町の人たちも笑顔になりました。そして、私たちの心に、希望を与えてくれました。」

未だ終わりの見えないシリア危機。人々は不安定な情勢に疲弊しつつも、未来への希望を捨てず、私たちと同じ今を生きています。PWJは継続して、シリア国内で必死に生きる人々へ、支援を実施していきます。

本事業は、みなさまからのご寄付のほか、ジャパンプラットフォームからの助成金により、実施しています。一人でも多くの人に支援を届けることができるよう、引き続き温かいご支援を宜しくお願い致します。

*シリアの現地情勢を考慮し、関係者に危険や不利益がおよばないよう、仮名を使用し、活動地域の詳細は伏せています。

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