ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害、貧困などの脅威にさらされている人びとに対して海外国内問わず支援活動を行うNGOです。

特定非営利活動法人(認定NPO)ピースウィンズ・ジャパン
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シエラレオネの現地活動ルポ

シエラレオネの現地活動ルポ

【シエラレオネ】 フリータウン近郊被災地域復旧支援事業の終了

2018.4.17

被災世帯への生活物資配布支援

「あなたがたの支援に、本当に感謝しています」

そう優しい笑顔で答えてくれた彼女はこの土砂災害で被災したお母さん。被災以前は河川付近に住んでおり、洪水や土石流によって家、家財道具の全て、そして、最愛の旦那さんを亡くされました。配布日当日は息子と一緒に2人で生活物資を受け取りに来てくれました。

2018年2月14日と15日の2日間、私たちピースウィンズ・ジャパン(PWJ)と現地パートナー団体CEDA(Community Empowerment and Development Agency-SL)が支援している首都フリータウンのカニンゴ地区で生活物資セットと寝具セットの配布を行いました。物資の配布対象は、政府より特に脆弱だと指定を受けた家族にお年寄りが居る、家長が女性であるといったカニンゴ地区に登録された228世帯です。各世帯へはマットレス2枚、枕2セット、水タンク1つ、 料理用鍋1セット(大小)、 調理用炭火鉢1つ、 洗濯用桶1つの生活物資セットを配布しました。

At the distribution siteBeneficiaries of household goods distribution
【Photos】 被災者へ配布の流れを説明している様子 / 生活物資を受け取りに来たお母さんと息子

「これで明日からぐっすり眠れます。ありがとうございます。」

そう話してくれたのは、子どもたちと来ていたタンバさん世帯と妹たちと来ていたハワさん世帯。ベッドは洪水の際流出してしまい、今は床に直接寝ているそうです。タンバさんは親戚と家族9人で暮らしており、被災前は商店でドリンク等を売って生計を立てていましたが、店、テレビ、冷蔵庫、他にも殆どの家財道具を流され失い今はまた別の地に家を借りて住んでいます。ハワさんもまた家と家財道具を失い、現在は15人家族で親戚の家に身を寄せて暮らしています。

Mrs. Tamba and her familyMrs. Hawa and her family of 15
【Photos】 小売店を開いていたタンバさん  /  15人で暮らすハワさん一家

災害以前、カニンゴ地区の河川周辺にはたくさんの人びとの暮らしがありました。彼らの多くは今回の洪水・土石流で家を失い、家財道具を殆ど全て失いました。長年掛けて買いそろえた家財道具は、彼らにとって大きな財産です。すぐに買い戻すことは難しく、今回のような支援は本当に助かると仰っていました。離れた土地へ引っ越す人、親戚の家に身を寄せる人、土砂が流入した家を掃除して再び住む人等、被災者の状況は各々異なりますが、今回の支援がこれから始まる彼らの新しい生活の一助となり、心穏やかな幸せな日々が再び戻ってくることを祈っております。

被災地のこれから

2017年の11月から始まった支援も物資配布、地域住民が共用で利用する井戸修繕、コミュニティスクールの管井戸・トイレ建設、コミュニティヘルスセンターの整備、その全てが無事完了しました。今後PWJがフリータウンを去った後も、このカニンゴ地区の住民が主体となり修繕、管理していきます。

1.地域住民が共用で利用する井戸修繕
カニンゴ地区の共用井戸の殆どは河川と同じ高さに設置してあるため、これまでは一度洪水が発生すると、汚泥で汚染されていました。修繕後は井戸内部の洗浄はもちろん、浸水を避けるため少し高い位置にハンドポンプを、ポンプの周りにはフェンスが設置され、雨季乾季関係なく安全な水を利用できるようになりました。

Damaged well (Before)Rehabilitated well (after)
【Photos】  修繕前の共用井戸  /  修繕後の共用井戸

2.コミュニティスクールのトイレ建設
被災当初はこのコミュニティスクールが避難所となり、簡易診療所が開かれていました。コミュニティスクールには大量の被災者が押し寄せ、使用していた旧トイレは容量がいっぱいとなり衛生環境悪化の懸念から、閉鎖されていました。そのため、修繕前は写真にあるような布で仕切られた簡易トイレが使用されていました。再建後、トイレは男子用、女子用の2棟を建設され、学校の子どもたちは安心してトイレを利用できるようになりました。

修繕前トイレOLYMPUS DIGITAL CAMERA
【Photos】  修繕前のコミュニティスクールトイレ / 修繕後のコミュニティスクールトイレ

3.コミュニティスクールの管井戸建設
コミュニティスクールの井戸水は手洗いはもちろん飲料水としても今後は利用できるようになります。雨季乾季問わず、子どもたちは感染症予防のための手洗いに取り組め、周辺住民も安全な水を利用できるようになります。また、今後同じような有事の際も、コミュニティスクールは避難所として機能し、被災者へ安全な水、清潔なトイレを供給することができます。

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【Photos】  井戸のメンテナンス指導の様子 /  ハンドポンプで水汲みをする現地の少年

4.コミュニティヘルスセンターの整備
ヘルスセンターの設備であるトイレ、シャワールーム、手洗い場、洗濯場、廃棄物処理場の修繕により、本来のヘルスセンターとしての機能が回復すると共に、これまで以上に充実した利用者へのケアができるようになりました。もともとは妊産婦のケアを主として機能していたヘルスセンターのため、徹底した衛生環境が求められます。今回の修繕によって感染症等の脅威から妊産婦と赤ちゃんを守ってくれるでしょう。

修繕前ヘルスセンターOLYMPUS DIGITAL CAMERA
【Photos】  修繕前のヘルスセンター設備 /  修繕後ヘルスセンター設備

この洪水・土石流被災者支援は、2018年3月7日をもって終了しました。

災害で一度失ってしまったものはもう帰っては来ませんが、これからも被災者の生活は続きます。そして、気候変動によって天候が変化する中、またいつ同じような天災に見舞わられるか分かりません。

今回整備した設備は、今後また来るやも知れぬ災害の際も、洪水や押し寄せる被災者に耐えられる強度と許容量を備えています。万が一その時が来た際、最良の衛生環境が保たれ、人びとを守ってくれることを願ってやみません。

本事業はジャパン・プラットフォームの助成金とサポーターの皆様からの寄付金で実施することができました。たくさんのご支援・ご協力をありがとうございました。改めて御礼申し上げます。PWJはこれからも、より支援の必要な地域で活動を続けていきます。

佐藤(海外事業部)

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