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新潟の現地活動ルポ

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新潟県中越地震 被災者支援 [まとめ] 倒壊不安ない「バルーンシェルター」に好感 避難所指定後、登録や医療相談も実施

2005.1.17

2004年10月23日午後5時56分ごろ、新潟県中越地方を震源とする大きな地震が発生。 川口町で震度7を観測したほか、小千谷市などに甚大な被害をもたらし、長期間にわたって余震が続きました。PWJは地震発生当日、緊急支援の開始を決定。第1陣のスタッフとボランティア、緊急支援用大型テント「バルーンシェルター」をその夜の内に出発させました。

小千谷市内のスーパー「ジャスコ小千谷店」<法人名称=イオン(株)>駐車場に、イオンとともに最大時4セットのバルーンシェルターを設置し、自宅が倒壊したり、余震を恐れて建物内にいられなかったりした被災者に避難所として活用していただきました。余震の収束と、電気や水道などのライフラインの復旧とともに避難者数が減少したため、11月10日までにすべてのバルーンシェルターを撤収、現地での支援活動を終了しました。

 

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【発生翌日にバルーンシェルター設置】
PWJでは、日本国内における自然災害などの緊急事態に備えるため、かねてからイオンと調査・連携を図ってきました。合わせて、東海地震の発生時に大きな被害が出ることが懸念される静岡県内の自治体との協議も重ねてきました。

新潟県中越地震の甚大な被害を受け、PWJはイオンとの協議を経て、PWJのバルーンシェルターを現地に搬入することを決定。24日午前2時30分ごろ、スタッフ4人とボランティア2人が、バルーンシェルターを積んだトラック1台と乗用車1台に分乗して東京事務所を出発。24日午前、被災地に到着しました。現地の状況を調査・検討した結果、小千谷市大字平沢新田字荒田、ジャスコ小千谷店の敷地内に設置することに決定。夕方までに2セットを立ち上げました。

翌25日には1セットを増設。PWJ所有のシェルターに加え、イオンは、東海地震を想定して静岡県内の店舗に配備しているバルーンシェルター1セットを被災地に運び込みました。設置初日は150-200人の被災者がバルーンシェルターを利用、最大時には450人近い被災者が4つのシェルターの中で避難生活を送りました。

PWJの現地支援チームは最大時、ボランティアを含め17人の体制で活動しました。

 

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【倒壊の不安がないシェルターに好感】
バルーンシェルターは、PWJが繊維メーカーの帝人と共同で開発した緊急支援活動用の大型テント。耐風圧性能などの強度も合わせ持ちながら携帯性に優れ、収納時は1m×1m×0.8mのサイズ(重要約60kg)。小型飛行機による運搬も可能です。設置は約30分で行うことができ、軽量の素材を空気を送り続けて維持するため、倒壊や、倒壊によるけがなどの心配がありません。

立ち上げると、1セットあたり約100人を収容することができ、PWJでは、インド震災支援やアフガニスタン避難民支援の現場で使用。緊急物資の配布や避難者登録を行う施設などとして活用しました。国内では、新潟県中越地震で、初めて本格的に使用しました。

被災者の間では「余震も続き、屋内にいるのは恐い」という声が強く、車の中で寝泊まりする人からは体の疲れや「エコノミークラス症候群」への不安も聞かれていました。バルーンシェルターは好感を持って受け入れられ、被災者の心身の負担軽減にもつながったのではないかと受け止めています。

現地での運営・管理には、PWJとイオンが協力してあたりました。

 

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【設置4日目の深夜、市の避難所に指定】
ジャスコ小千谷店の駐車場に設置されたバルーンシェルターは当初、行政からは避難所として認められていませんでした。そのため、おにぎりなどの配布や、行政による救援物資の配給は行われませんでした。炊き出しは、イオンが食材を提供し、PWJスタッフやボランティアらが協力して実施しましたが、シェルターに避難した被災者たちが救援物資を受け取るには、市指定の避難所まで取りに行く必要がありました。

シェルター設置から4日目、地震発生から5日目の深夜になって、小千谷市の避難所として指定を受け、その後は行政による掲示板や意見箱の設置、巡回診療なども行われるようになりました。

【利用者登録や医療相談なども実施】
避難所指定を受けたこともあり、PWJは利用者登録なども開始。合わせて利用者の家族構成や被災状況の把握などにも努めました。市による被災者向けの情報提供に加え、インフラ復旧状況(電気・水道・ガスなど)、道路復旧状況、医療情報、その他生活情報を盛り込んだ「情報掲示板」を設置。医療スタッフによるPWJ独自の医療相談も行いました。

バルーンシェルターの各セットで、利用者の間からリーダーとサブリーダーを選出してもらい、情報交換のため、リーダーミーティングも開始しました。こうした対応には、海外での緊急支援やキャンプ運営の経験も取り入れました。

また、PWJスタッフで一級建築士の今井弘は、新潟県建築士会の呼び掛けに応え、小国町で住宅などの応急危険度判定の作業に加わりました。

 

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