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ケニアの現地活動ルポ

ケニアの現地活動ルポ

【ケニア】乾いた大地を彩る民族 ―トゥルカナ族―

2015.12.3

ケニア北西部、南スーダンとの国境沿いに位置するカクマ難民キャンプ。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)はここで南スーダンからの難民への支援を実施しています。今回は難民キャンプが設置される以前からカクマ周辺に住んでいるトゥルカナ族をご紹介します。

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色彩豊かなカクマの一角

私が思うトゥルカナ族を表すキーワードは3つ。「カラフル」「スペシャリスト」「遊牧民」です。
まずは「カラフル」。写真を見ていただくとお分りになるように、トゥルカナ族の女性の服装はカラフルでオシャレ。シャンガと呼ばれる彩り豊かな首飾りを身に着け、身体には東アフリカの布であるカンガなどを巻いています。カンガには主に東アフリカで使われているスワヒリ語でメッセージが一つだけ書かれており、それはことわざであったり信仰についてであったり愛についてであったり。もしかしたら、意中の相手にさりげなくカンガでアピールしている女性もいるかもしれませんね。

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シャンガとカンガでオシャレするトゥルカナ族の女性

次に「スペシャリスト」。何のスペシャリストかと言うと、牧畜です。トゥルカナ族は伝統的に牛、ヤギ、ラクダなどを飼い、牧畜を生業としてきました。そんな彼らにとって家畜の飼育はお手の物。家畜はお金の代わりでもあり、家畜が多いことは貯金が多いことを意味します。カクマでは、飼い主が見当たらないのに、いくつものヤギの群れが道路を我が物顔で歩いている光景を目にします。彼らにも帰巣本能があるのか、自由気ままに草を食べた後、自主的に飼い主のもとに戻るとのことです。

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渋滞を引き起こしても「我関せず」なヤギとヒツジ

最後に「遊牧民」。前述しましたが、トゥルカナ族は長らく家畜と共に生活をしてきました。彼らが住むトゥルカナ地域は雨がなかなか降らない半砂漠地帯。インフラが整っていないため、季節ごとに水や家畜の餌となる草を求めて移動を繰り返します。そのためか、トゥルカナ族の伝統的家屋は細い木や草葺きで建てられた非常に簡素なものです。

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伝統的家屋の前で写真に納まる子供たち

もちろん全てのトゥルカナ族がこのような服装・生活をしているわけではありません。一つの場所に定住し、日本の皆さんと同じ様な服に身を包み、スマートフォンを操ってビジネスをし、テレビで流れる欧米サッカーの中継に一喜一憂している人もいます。

カクマにおけるトゥルカナ族のように、難民キャンプができる地域に元々住んでいる人びとで構成された社会、つまり難民を受け入れる側の地域社会を「ホストコミュニティ」と呼びます。トゥルカナ地域はケニアの中でも特に貧しい地域とされ、トゥルカナ族より難民の方が食料や水、教育の機会などに恵まれていることが垣間見られることがあります。そのため、キャンプ内で難民を相手に商売をするトゥルカナ族を度々目撃します。このような中、難民ばかりを支援するとホストコミュニティと難民との間に軋轢が生まれ、また、難民を支援しているPWJとホストコミュニティの関係悪化を招く可能性があります。

これを防ぐため、PWJは難民支援に必要な資材をホストコミュニティから調達したり、ホストコミュニティの人びとに仕事を依頼することがあります。このような小さな積み重ねが、カクマに暮らすさまざまな人びとに、安心・安全な生活環境をもたらすのかもしれません。今後もPWJは難民だけではなく、難民を受け入れるホストコミュニティへも配慮しながら、難民がいつか自国に戻れることを願いつつ、支援を継続していきます。

報告:富樫良輔 (カクマキャンプ駐在員)

※この事業は、ジャパン・プラットフォームの助成や、皆さまのご寄付で実施しています。

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