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私たちの活動

【ウクライナ】希望の絵 描く手元を照らすLEDランタン

「将来のプラン?もちろんあるよ。生きて、子育てをすること。
絵を通して戦争で怖い思いをしている子どもたちの手助けをして、
いつか必ず故郷のザポリッジャに家族全員で帰る」

 

 
ピースウィンズ・ジャパンは、パナソニックグループ(以下パナソニック)様によるご寄付を受け、人道危機の続くウクライナおよび隣国モルドバに支援を届けています。
停電が続いていた現地の状況を踏まえ、寄付金と並行してパナソニック様が手配してくださったのが、同社のLEDランタンと交換用乾電池です。今回は、現地から届いたアーティストのご家族のストーリーをご紹介します。
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デニスさん(41歳)はウクライナ南東部のザポリッジャ出身。妻と3人の子供と暮らし、コンピューターサイエンスの教師として勤めるかたわら、心理学の修士コースを修了する直前でした。妻のアナスタシアさんは画家。美術学校で教え、心理カウンセラーとしても働いていました。家族みんながアーティスト一家。クリエイティブなことが大好きで、趣味を仕事にしていました。
 


デニスさん(右)、妻アナスタシアさん(左)

 
そこへ昨年2月のロシアによる全面侵攻。ザポリッジャには原発もあり、前線にも近い。とにかく避難を、と家族全員でウクライナ西部へ来ました。避難生活中もオンラインで教鞭をとり続けています。夫妻で避難民の子どもたち向けにリヴィウ市やドロホビチ市 (リヴィウ市の約70km南)でワークショップとアートセラピーも実施しています。
 


ご自身の作品を掲げるアナスタシアさん(右)

 
さらにドロホビチ市では学校などの教育施設の壁に壁画を描くプロジェクトも進行中。近くのナフエヴィッチ村は、作家で医者で活動家のイヴァン・フランコ (1856–1916)の生誕地として有名で、彼の名を冠したイヴァン・フランコ・ハウスの壁画も手掛けました。
私たちがデニスさん一家のことを知るようになったのは、ピースウィンズ・ジャパンのパートナー団体である「Right to Protection (R2P =「保護の権利」という意味)」の心理ケア専門家がカウンセリングの話をしたことがきっかけです。「あまりに多くの避難民の子どもたちに日々接し続けるので、自分自身もカウンセラーだけれども、心の底から疲れているのを感じる。」というアナスタシアさんの話を聞いたことで、デニスさん一家のアートワークについても知るようになりました。
 
今回、パナソニック様による約2,000個のLEDランタンと交換用乾電池8,000個の寄贈のおかげで、デニスさん一家にもサポートを届けることができました。
 


子どもを抱くアナスタシアさん(左)と、同じ避難所で暮らす2人、中央の赤い服の子もデニスさんとアナスタシアさんの娘。

 
避難所の壁などにも絵を描いているというデニスさん。ランタンを届けたR2Pのスタッフの目を見ながら、こんな風に話してくださいました。
「これで停電中でも絵を描き続けられるね。僕たち避難民のために足を運んでくれて、必要なものがないか聞いてくれる人たちがいるというだけでどんなに慰められるか。励まされるか。僕たちのことを心にかけてくれて本当にありがとう。今はウクライナにとって厳しい時だけれど、きっと乗り越えます。そして家族みんなで故郷に帰ります」。
 
(参考記事)
日本経済新聞「ランタン、乾電池でウクライナ支援 パナソニックが寄付」(2022年11月29日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF297ZL0Z21C22A1000000/
 
■R2Pについて
ウクライナを代表する人道支援団体のひとつで、国内避難民、難民、無国籍の人々の権利擁護のために活動してきました。ウクライナに暮らすすべての人々の安全と尊厳を守ることを目標にしています。戦争開始直後の昨年2月末に食料と衛生用品の配布を開始し、3月には車椅子などの器具の配布を始め、並行して心理社会的支援と法律支援を継続して行ってきました。
 

 

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