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ピースウィンズは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

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2022.10.27

【ウクライナ危機】避難所でのオンライン授業

ウクライナ 海外人道支援

モルドバの避難所を訪れると、恐らくそこに暮らす子どもたちの数に驚くはずです。
冷静に考えればそれが当たり前なのですが、開戦当初、避難してくるウクライナ人は高齢者と子連れの家族が大部分を占めました。今でこそ若い世代の避難民も散見されますが、それでもやはり避難所で生活をしている避難民の多くが子どものいる家族です。ごく短期の避難ならまだしも、既に開戦から7ヶ月以上。子どもたちの教育が大きな問題となってきています。
現地を取材してきたカメラマン近藤より、避難所で暮らす人々の最新の様子をお伝えします。



ウクライナが実は隠れたIT先進国であることは有名な話です。様々な行政サービスが電子化され、コロナ禍の影響もあり、授業のオンライン化も積極的に進められていました。
私がモルドバを訪れた10月にも避難所内では、スマホやタブレットを前に授業を受ける子どもたちの姿を何度も確認できました。さすがはIT先進国、小学校低学年程度に見える子どもですらスマホの扱いに迷いはありません。
共用スペースではUNHCRが解放する無料Wifi (接続速度も非常に快適!) に接続でき、避難所内には子どもたちが自由に使えるコンピュータ室まで揃っています。デジタル機器とそれを用いた教育サービスの提供。一見、不自由なく教育を受けられそうですが、理想と現実には齟齬があります。授業を監督する仕組みまでは出来上がっていない避難所で、集中力を保って授業を受けている子どもは少ないです。



実際、オンライン授業を受ける子どもたちを目にしたと私は述べましたが、近づいて「授業?」と聞くと、そそくさとYouTubeからZoomの授業画面に変える、なんていうことが何度かありました。絶対に授業中であろう時間にも関わらず、外でボールを蹴っている男子たちもよく見かけます。中にはきちんと母親が監督し、おもちゃや友達の通る共用スペースではなく、自分の部屋で授業を受けさせている家族もいますが、私の知る限りそれは少数派です。



しかし、だからといって保護者たちを責められないのも現実です。避難民の家族にはほとんどの場合父親が同行していません。原則として父親の同行避難が認められるのは、子どもが多い場合 (どうやら4人以上のようです) や子どもに障害がある場合、または父親本人が徴兵対象外の場合であり、両親そろって避難してくる家族は非常に少ないのです。母親は避難中の子育てや家事を一手に引き受け、支援物資の受け取りのため朝早くから列に並ぶことも少なくありません。1日中子どもの教育監督までこなすなど、本来無理な話なのです。



ピースウィンズは現在この問題を確認し、既に事業形成を始めています。モルドバ各地の避難所で、きちんと監督官のいる場でのオンライン授業を実現させ、たとえ避難中であっても教育の遅れを生じさせないこと、そして、いずれウクライナへ戻る時に、彼らの受けてきた授業がきちんと教育の記録として認められる制度のサポートを進めています。これもすべて未来を担う子どもたちが、次こそは平和な世界の礎を築けるようにと願っての支援です。



ピースウィンズは、今後もウクライナの人々、そして彼らを支え続けるモルドバの人々に寄り添う支援を届けてまいります。引き続き皆様からのあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。

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