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【ウガンダ】「男性に頼るのではなく、責任を共有していきたい」女性センターでの研修

「トレーニングに参加し続けるために抱えている課題を共有して、困難を乗り越えましょう!」
 
そう呼びかけた講師の女性をまっすぐ見る40人の女性たち。
 
ピースウィンズが建設したウガンダ北部インヴェピ難民居住地区にある女性支援センターで、11月、このセンターで行っている裁縫や美容・理容、石鹸制作などの生活能力トレーニングに参加する難民やコミュニティの女性に対して、ジェンダーに基づく暴力、月経衛生や基礎衛生について学ぶことを目的としたトレーニングが行われました。
 


グループワークで話し合ったことを発表する女性

 
ウガンダでは長期化する避難生活と新しい難民の増加とともにジェンダーに基づく暴力の被害の報告件数が増えています。特に新型コロナウイルス感染拡大により、社会的経済的に弱い立場に置かれやすい女性たちは、より暴力の被害に遭うリスクが高まります。
 
女性たちが参加している生活能力トレーニングは、手に職をつけるためのスキルを学ぶことで社会参加や経済活動への参加の一歩を促し、社会的経済的に不平等な立場におかれやすい状況を改善することを目的としています。しかし、ジェンダーに基づく暴力の問題は、被害者の立場の低さだけでなく、ジェンダーに基づく暴力そのものへの知識と理解の不足、被害への自覚の難しさ、偏見や話題にすることの抵抗などの問題もあります。このため、トレーニングに参加する女性に対して、知識としてジェンダーに基づく暴力などについて学ぶトレーニングを行いました。
 
ジェンダーに基づく暴力や月経衛生を専門とする講師を招いて行った3日間にわたる研修では、講義だけでなく、グループワークや参加者による発表の機会を設け、研修の内容について自分たちで考え、自分の言葉にすることでより理解を深められるようにし、さらにほかの参加者と話すことでより知見を広げられるようにしました。合間にリラックスできるような時間を設けたり、参加者同士が交流する時間を設けたりもした成果でしょうか、トレーニングでは積極的に自分の考えを発現する参加者の姿が見られ、生き生きとした雰囲気が感じられました。
 


グループごとに分かれて、与えられたトピックについて話し合う女性たち

 


基礎衛生のセッションでは、ピースウィンズのスタッフが講師としてトレーニングを行いました。

 
また、センターでは、子どもがいてもいなくても学ぶ機会を得られるよう、ケアテイカーを配置して子どもを預けられるようにしており、このトレーニング中も子どもがいる女性たちも参加し、最終的に35人の女性が研修を終えることができました。
 
参加した女性からは、
 
「家庭内での衛生管理の方法を学ぶことができました」(スザンナさん、30歳)
 
「GBV(ジェンダーに基づく暴力)サバイバーへの支援があることに気付いていませんでした。でもトレーニングを通して、どこに行けばいいのか分かりました。また、家族計画について、特に子どもを持つことのペースや、家族計画を選ぶ権利があることも学べたので、自分の子どもたちが教育を受けられるようになります」(ロイスさん、21歳)
 
「男性に頼るのではなく、男性と協力し、責任を共有していきたいと思います」(タブさん、27歳)
 
といった声が聞かれました。
 
ジェンダーに基づく暴力をなくしていくためには、女性だけでなく男性も、ジェンダーに基づく暴力について学び理解を深めることが大切で、また、ジェンダーに関係なく、男性も被害者になり得ることを知る必要があります。そのため今後は、コミュニティーの男性や、ライフスキルトレーニングに参加する女性の男性家族を対象にしたトレーニングを行う予定でいます。
 
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