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私たちの活動

【ウガンダ】事業開始から一年を迎えました

南スーダン難民のために始まったウガンダ事業が、12月でちょうど一年を迎えました。
私たちピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、あらゆるニーズの中から、給水・衛生支援を選びました。文字どおり死に物狂いで、ここに逃れてきた難民たちがこれ以上脅かされることなく、安心して命をつないでいくために最も重要だと考えたからです。
ウガンダの難民居住地区に押し寄せる難民
【写真説明】ウガンダの難民居住地区に押し寄せる難民
一年前、私たちは焦っていました。高さ約2mの10,000Lのタンクを居住地区に10基設け、給水トラックが給油に走る計画。急増する難民のために一刻も早く、一基でも多く、という状況にもかかわらず、世間はクリスマスや年末年始を控えてお休みムードでした。さらに品不足が重なり、ウガンダ北部一帯からあらゆる在庫がなかったため、巨大な水タンクを約900km離れた首都カンパラから陸送しなければならず、業者は「もうクリスマスだからみんなお休みだよ。届くのは年明けになっちゃうな」という始末でした。
もちろん、業者は悪くありません。クリスマスやお正月が楽しみなのは当然です。家族でご馳走を囲んで過ごすのでしょう。しかし一方で、難民居住地区では、「家族が銃殺された」「兄弟とはぐれて行方が分からない」と苦しむ人たちがいます。ご馳走どころか、十分な水さえもありません。
「難民の人たちにクリスマスなんてないんだよ!」
焦りと苛立ちから、業者に怒鳴ってしまいました。それまでにこにこしていた彼は、目を丸くしました。どんな反撃をされるのかと思いきや、彼は「そうだよね、クリスマスどころか水がないなんて大変だよね。分かった、仲間の業者たちにもかけあって何とかしてみるよ」と考え直してくれました。彼はすぐにあちこちに電話をかけ始め、「クリスマスって何言ってるんだ!難民の人たちは水がなくてそれどころじゃないんだぞ!」とまで。私の切実な思いが響いたのか、先ほどの「お休みムード」とは打って変わって動いてくれ、何とか3日間で全てのタンクを用意してくれました。
PWJがビディビディ難民居住地区に設置した水タンク
【写真説明】PWJがビディビディ難民居住地区に設置した水タンク
「毎日あの丘を越えて、1kmも2kmも先のタンクまで水を汲みに行っているのよ」。居住地区での調査に訪れた際、子どもをかかえたお母さんが遠くを指さして教えてくれました。水を運ぶジェリカンという容器は25L入り、つまり25kgにもなります。そして乾季だった当時の気温は、40度を超えていました。しかし、もうすぐここに水タンクを設置する予定だということを伝えると、険しかった顔が明るくなりました。
「もうあんなに遠くまで行かなくていいのね」
メイン写真)PWJが設置したばかりの水タンクから水をくむ子どもたち
【写真説明】PWJが設置したばかりの水タンクから水をくむ子どもたち
クリスマスシーズンを迎え、ふと、あの喜ぶお母さんの笑顔と、頼もしかった業者さんの姿を思い出しました。「苦しんでいる人を助けたい」。あの時、私たちを突き動かしたのは、そんな純粋な気持ちでした。難民の避難生活は長引くことが予想されています。支援を途切れさせないためにも、あの日の思いに立ち返り、現場に向き合っていきます。

                                           ウガンダ事業責任者 竹中奈津子

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