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ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

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2021.3.23

【東ティモール】品質向上に向けた土壌改良の取り組み

東ティモール 海外人道支援

ピースウィンズ・ジャパン(以下PWJ)が東ティモールで活動しているレテフォホは現地で話されているテトゥン語で「山の上」という意味を持っています。その名の通り、標高1200m~2000mの丘陵地に位置し、点在した集落を囲むように、広がった森にコーヒーが植えられています。昼と夜の気温差が大きい熱帯高地であること、雨季にはまとまった雨が降ることなど、高品質なコーヒーの生育に最適な環境です。このレテフォホに事務所を置き、生産者への栽培・加工技術指導、資材の提供などを行い、生産者と二人三脚でコーヒーの品質向上に取り組んでいます。
 


1_おいしいコーヒーは熟度が大きく影響するため、コーヒーの熟度を目で確認できるチェリーパドルを使って品質をチェックするスタッフ(右)

 
昨年より、栽培・加工だけではなく、コーヒーが育つ土壌を調査した結果、栄養を与えることで更なる品質向上が見込めると判断し、土壌改良に着手しました。
 
標高の高いレテフォホでは、平地がほとんどなく、コーヒーは傾斜地に植えられています。そのため、強い雨が降ると栄養分をたくさん含んだ地面の表層部分の土が流されてしまう土壌侵食が起こります。それにより、コーヒーやコーヒーの日陰樹の根がむき出しになり、栄養がしっかり吸収できず、品質の低下・収穫量の減少が起こり、木も病気になりやすくなってしまします。
 
このままの状況が続けば、家計のほとんどをコーヒーによる収入に頼るレテフォホの人々の生活に大きなダメージとなってしまうことから、土壌浸食を防ぎ、土を豊かにする「ビオポリ」という手法で土壌改良に取り組んでいます。
 


2_落ち葉や枝など有機物で一杯になったビオポリ

 

ビオポリとは、コーヒーの根が栄養を吸収しやすい場所に、縦横50cm〜1m、深さ50㎝ほどの穴を掘り、その中に日陰樹の落ち葉や雑草、家畜の糞等、コーヒーの圃場(ほじょう:畑のこと)で手に入る有機物を埋めたものです。
雨で流れる水や土をビオポリが受け止め、土壌侵食を防ぐと共に、水をしっかりと土壌の中に染み込ませることで、土壌の保水性を高めてくれます。
 
さらに、このビオポリの中に埋めた有機物がゆっくりと腐葉土となることで、水分・栄養分を蓄え、コーヒーやコーヒー圃場内に植えられている作物の栄養となります。
 
この土壌浸食を防ぎながら土を豊かにすることができる、レテフォホにうってつけの農法は、2019年に農業研修のためにインドネシアより招いたコーヒー専門家に伝授していただきました。現在は、専門家に学んだPWJスタッフが、各生産者の圃場を訪問し、作業を共にしながら普及に取り組んでいます。
 


3_生産者にビオポリを指導するPWJスタッフ

 

実は、これまでもコーヒーの成長促進のため、何度か有機肥料の作り方を伝え、コーヒー圃場への施肥を勧めてきましたが、有機肥料を作るところまではできても、コーヒー圃場ではなく庭先にある家庭菜園に完成した肥料を与えてしまう生産者がほとんどでした。
 
聞き取りの結果、コーヒーの木に施肥を行わなかった一番の要因は、せっかく肥料を作っても、重い肥料を遠くにある圃場まで運搬するのは危険なうえ、急な傾斜に植えられたコーヒーの木一本ずつに肥料を与えることは重労働だとのことでした。
 


4_収穫したコーヒーを抱えて斜面を下る。袋の重さは20㌔を超えることもあるが、肥料はもっと重い。

 
実際にレテフォホのコーヒー圃場に通い、急な傾斜を歩く機会も多いのですが、生産者の方が急斜面は危険だと言っていたのも頷けます。
 
それに対してビオポリは、落ち葉や腐葉土など肥料作成に必要な材料がコーヒー圃場で全部揃うため受け入れやすく、森の資源を生かした農法であることが魅力です。
 
ビオポリ内の有機物が腐葉土となるまでに半年から一年ほどかかるため、コーヒーの収穫量の増加や品質向上という点から効果を測ることはまだできていませんが、昨年実施したグループからは「乾季の雨が降らない期間も、ビオポリを設置した付近のコーヒーの木は元気が良かった、気に入った。」という声もありました。
 


5_ビオポリの効果で、土に変化が見られたと喜ぶ生産者

 
コーヒー圃場には岩が多く、傾斜地で硬い土をクワやスコップを使って穴を掘る作業の大変さから、昨年は導入に意欲的でなかった生産者から「実際に土が変わったというのを聞いた、今年はやってみたい。」という声も聞かれ、コーヒー作りへの意識が少しずつ変わり始めていることを実感でき、とても嬉しかったです。
 
今後も生産者と一緒にレテフォホという土地に適した方法で、美味しいコーヒー作りに取り組みます。
 
東ティモール事務所
弓田淳也
 
 

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