ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

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2020.3.17

シリアに生まれてージャワッドの夢

シリア 海外人道支援

2020年3月で9年目を迎えるシリア危機。戦闘によって多くの子どもたちが、学校に通うことができず、悲惨な経験から心の健康に影響を受けています。このような危機にさらされ続けることで、子どもたち世代全体が「失われた世代」にならないようにする支援が求められています。

戦渦に生きる子どもたちは、どのような経験をし、どんな夢を描いているのでしょうか。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が2019年夏に実施したサマーキャンプにシリアから参加した2人に、話を聞きました。

ハラ(17歳)の話は、こちらから

ジャワッド(17歳)の場合

ジャワッド

■包囲された生活、戦渦で迎えた誕生日
2011年までは、普通に生活していました。その後、人生が一気に変わりました。親戚も、友だちもシリアを離れてしまったので、長いこと会えていません。
住んでいた町が包囲され、恐怖でいっぱいでした。食べものも電気もなくて、自分の家に銃弾が撃ち込まれたこともありました。
学校も、1年間通うことができませんでした。そのことで、今でも自分の中で何かが欠けている気もしています。家族と友だちと一緒にいると、そのときの喪失感を埋められる気もするんだけど。学校に戻った時は、授業に追いつくのに大変でした。
悲しい思い出だけじゃなくて、嬉しい思い出もあります。
2012年の僕の誕生日、小麦粉や砂糖が手に入らなくてケーキを作ることができなかったんですが、お母さんがケーキの代わりに大きなファラフェル(ひよこ豆で作ったコロッケのようなもの。シリアの家庭料理のひとつ)を作ってくれたんです。大きなファラフェルにキャンドルを立てて、お祝いをしました。

黄色い部分がファラフェル。イタリアンパセリなどで飾り付けされたファラフェルケーキの写真を、今でも大切に持っている。(2012年 ジャワッド撮影)
通常のファラフェルは、お団子ほどの大きさ。潰したひよこ豆とスパイスを混ぜ合わせて揚げたもので、アラブ諸国で一般的なファストフードです。(レバノンのファラフェル屋さんにて撮影)

町が包囲から解放された後は、家族と出かけることができました。やっと自分たちが住んでいた厳しい環境を忘れて時間を過ごすことができ、楽しかったです。

 
■気づいた教育の大切さ
教育の重要性を感じています。教育は、自分たちが抱える問題の解決につながると思うんです。知識がないこと、気が付いていないことで、多くの問題が起こっています。例えば、貧困。紛争も、人々が権利について学ぶことで止められると思います。
すべての子どもはちゃんとした教育を受ける権利があるけど、シリアではみんなが学校に行かれるわけではありません。Eラーニングができれば、この問題は解決するかな。

■いまの夢
夢は医療エンジニアになることです。多くの人が、戦闘で手や足を失いました。義手や義足で、そうした人たちが劣等感を感じずに生活できるよう助けたいです。
あと、もうひとつの夢はサッカー選手になること。今はスポーツクラブでサッカーをしていて、僕は主力アタッカーの一人です。チームのキャプテンには3回もなりました。

■「僕たちは、戦争の惨劇から世界を救うことができる」
兄弟や友だち、自分を支えて励ましてくれる人たちが、僕の周りにいます。住んでいる町はようやく安全になりました。でも、シリアの子どもたちや若者は、戦争の影響を受けて苦しんでいます。彼らには、心理ケアと自立支援が必要です。こうした子どもたちを助けて、世界に平和を広げたいです。紛争から復興し、子どもたちが安心して学ぶことができるようになった自分の国を、いつか見たいです。
僕たち若い世代は、戦争の惨劇から世界を救うことができると、世界に伝えたいです。平和のために、行動しなくてはいけません。

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