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私たちの活動

【シリア】シリア国内で食糧配布を実施

「自分の心の中にある痛みや悲しみを、表現できるような言葉が見当たりません。毎朝、起きるたびに、悪夢のような今の状況が終わっていることを願うのです。」
マラムさん(仮名)は、とある戦闘が激しかった地域に住んでいました。現在は、避難先の土地で、家族5人で暮らしています。右足を失い、松葉杖をつくマラムさん。当時、仕事をしていたときに迫撃砲が彼の働いていた近くに落ち、その結果右足を切断することになったのです。

話をしてくれたマラムさん(仮名)
【話をしてくれたマラムさん(仮名)】

「適切な治療を受けられる病院がなく、痛みに苦しみ続けました。このままここにいれば命に危険がおよぶと思い、避難せざるを得ませんでした。右足を失ったこと、そして、そのために仕事を続けられなくなったことに深い悲しみを感じました。母と兄弟の支えがなければ、普通に生活することができません。」
右足を失い、仕事を失い、そして避難を余儀なくされたことに加えて、紛争で兄弟のひとりを亡くしたことが、さらにマラムさんの心を苦しめました。
「自分の人生は、壊されました。」
PWJはシリア国内の提携団体とともに、マラムさんのように戦闘によって負傷した人、女性や子ども、お年寄りなど、特に弱い立場に置かれている家族を対象に、一時的でも彼らの家計の負担を軽減し、十分な量の食糧を得ることができるように、食糧キットの配布を行っています。
食糧キットを運ぶのを手伝う子どもたち食糧配布の様子

【食糧キットを運ぶのを手伝う子どもたち(写真左)・食料配布の様子(写真右)】

「食糧キットを配布してくれて、感謝しています。職を失い、住んでいた家も町も離れなくてはならなくなってから、食べ物を買うことがとても難しくなりましたから。」
そう感謝の気持ちを話してくれたマラムさん。食糧キットには、米やパスタ、小麦粉や豆などの主食、ミート缶など保存の利くもの、避難生活を送る中で買うことが難しい食糧品が入っています。

配布した食糧キットの中身
【配布した食糧キットの中身】

特に激しい戦闘の影響を受けた地域では、支援や物流アクセスが制限され、現地市場ではありとあらゆるものが不足する事態が起こりました。その結果、食糧品をはじめとした物価が高騰し、人々は簡単に食糧品を買うことができなくなりました。国連は、シリア国内の650万人は深刻な飢餓状態にあり、さらに400万人が飢餓状態に陥る危険性があると、警鐘を鳴らしています。
人々は、たとえ戦闘から逃れることができても、空腹や貧困に苛まれ、心から安心して生活できる状況にありません。また、マラムさんのように戦闘に巻き込まれ、負傷したことによって職を失い、経済的にも精神的にも苦しい状況にある人々も少なくなくありません。特に過酷な状態にある人々へ、継続的な人道支援が必要です。PWJは、引き続き、シリア国内でひとりでも多くの人に支援を届けられるよう、取り組んでいきます。
本事業は、みなさまからのご寄付のほか、ジャパンプラットフォームからの助成金により実施しています。今後とも、みなさまからの温かなご支援を、どうぞよろしくお願い致します。
*シリアの現地情勢を考慮し、関係者に危険や不利益がおよばないよう、仮名を使用し、活動地域の詳細は伏せています。

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