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ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2011.3.4

洪水被害の実情に触れて

スリランカ 海外人道支援

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、大雨洪水被害を受けたスリランカ東部のバティカロア県及びトリンコマレ県にて引き続き緊急支援を実施しています。現地での緊急支援の様子を記録に残すため、2月5日から13日の間、現地を訪れました。

空港を出て、一路PWJが事務所を置くトリンコマレ県へ向かうまでの道中は、車やバイクのけたたましいクラクション、マーケットで野菜を売る威勢の良い掛け声、そこを行き交う人びとの雑踏、たくさんの野良犬、ヤシの木、そしてそのヤシの木々にロープを渡して吊るされたたくさんの洗濯物、広大な田んぼやプランテーション脇での路上でパイナップルを売る人・・・そうして車で30分も走ると、雨が降り始めました。視界に飛び込んでくる、初めて訪れたこの地のいろんな側面を体感しつつも、「この国を襲っている洪水の被害」という現実を思い知らされました。

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街の喧噪
(C)PWJ

途中、貯水池に隣接した土手を通過した際は、決壊しないよう水門を開放し未然に防ぐ対策をしている、とドライバーが説明してくれました。数日前は床下にまで浸水していた、というエリアで時折立ち往生しながら、車で約6時間後にトリンコマレに到着しました。

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トリンコマレの入り口
(C)PWJ

最初に視察を行ったのはトリンコマレから車で約7時間のバティカロア県。PWJが、洪水被害を受けたムトゥール郡で緊急食糧支援を開始した1月中頃、再び始まった豪雨により、二度目の大洪水がここバティカロア県とトリンコマレ県を襲いました。途中、Manampitiya付近では約30mにわたって道路が5か所ほど冠水しており、PWJの4輪駆動車のボンネットにまで達するほどの水の量でした。ここでは井戸の除菌洗浄作業のほかに、引き続き給水事業を行っており、「PWJがタンクを設置するまでは2kmも離れたところに水を汲みに行っていた。夫がいない時はそれはそれは大変な作業だった」と、そこに居を構える女性が話してくれました。子どもも、大雨にも関わらず給水車に寄ってきて水を汲んでいきます。どれだけニーズがあるかが、見ていてよく分かりました。

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写真左:冠水道路
写真右:大雨にも関わらず水を汲みに来る子どもと、
  彼を手伝うPWJ備中
(C)PWJ

Koralai Pattu West地区で避難所となった学校にも、依然400人以上の避難者がいました。各教室に着の身着のままで避難してきた被災者の方に話を伺うと、辛い避難生活にも関わらず、お母さんや子どもたちは希望の笑顔とともに小さい手を目一杯振って応えてくれ、こちらも嬉しくなりました。

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写真左:給水車に集まった受益者とPWJ備中
写真右:避難所となった学校での笑顔
(C)PWJ

各地で相次ぐ冠水被害により第一次被害からハイペースで進めた井戸除菌洗浄作業は、740本を終えた段階で、一旦中止にせざるを得ない状況に追い込まれました。緊急で井戸の除菌洗浄作業を行ったものの、またも洪水が押し寄せ、作業を終えた大半の井戸が飲み込まれたからです。さらには2月末頃までの予報も思わしくないものでした。現地の行政担当者も、「給水事業の方が今はニーズがある」と方向性をシフトするほどでした。

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プレデシアサバにて、今後の支援について話すPWJ備中と齊藤
(C)PWJ

一次被害を受けてから小康状態となっていた2月初旬、2/4はスリランカの休日であったにも関わらず、現地スタッフ及びヘルパーの皆も休日返上で食糧倉庫に集結し、パッキング作業を行いました。ヘルパーさん達も小麦粉で髪の毛まで真っ白になりながらも、懸命にパッキングを行う姿に心を打たれました。

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写真左:搬入時の様子
写真右:爽やかな笑顔を見せてくれたヘルパーさんたち
(C)PWJ

そんな矢先、再び2月3日から降り続いた雨が、ムトゥール郡に二度目の洪水となって牙をむきました。現地入りした2月10日頃、現場で目に飛び込んできたのは、居住エリアに残されたボート、家々の外壁に残された洪水の水位を物語る痕跡、稲穂の先端部分まで水没した田んぼ。当初は避難所として使っていた学校も二度目の洪水で被害を受け、避難所の方々も別の施設へと移動せざるを得なくなってしまったそうです。

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写真左:居住エリアでのボート移動
写真右:学校から引かぬ水
(C)PWJ

次なる食糧配布に向けて、予定地ヴェルガルへの陸路ルートが洪水被害を受け所々で陥没してしまったことを受け、輸送の際にタンクローリーが通れる道幅であるか、破損状況はどこまでかを調査しました。

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写真左:陥没した道路
写真右:調査を行うPWJ齊藤
(C)PWJ

その調査中、家路を急ぐ家族に会いました。避難していた福祉施設から自宅へと、その日戻る決意をしたそうです。洪水が再襲した時は「傘・水・バッグ、マットレスだけをもって福祉施設に避難した」と言います。二度の洪水により、「すべてのリソースを失った」と落胆している様子が表情から見て取れました。

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写真:福祉施設から自宅へと戻る家族
(C)PWJ

こういった現状を如実に伝えるとともに、被災者の方々のニーズに適した支援活動をさらに続けなければと、想いを新たにしました。2月10日前後の4日ほどは、多少の雲はあれど太陽が顔を出したこともあり、1週間前には7万人以上だった避難者の大半は避難所をあとにしました。このまま状況が好転し、避難している方々が元通りの生活に一日も早く戻れる事を願ってやみません。

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