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ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

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2022.6.9

【スリランカ】帰還した避難民へ持続可能な農業支援

スリランカ 海外人道支援

ピースウィンズ・ジャパン(以下、PWJ)が活動するトリンコマリー県は、1983年から2009年まで続いた内戦のために基礎インフラが荒廃しており、開発が著しく遅れています。内戦から10年以上経過した現在も新型コロナウイルスのパンデミックが発生するまで、インドからトリンコマリー県への避難民の帰還が続いていました。これまで帰還した避難民のほとんどは農業に従事していますが、農地は30年以上も放置され、灌漑設備も破壊されてしまったため、自力で復旧可能な一部の農地での雨に頼った農業しかできていないのが現状です。
 
このため、PWJは2020年10月より、外務省の日本NGO連携無償資金協力からの助成金とサポーターの皆様からの寄付金を活用させていただき、スリランカのトリンコマリー県で農業水利施設の修復、米以外の農作物からの収入を得るために穀物・豆類などの高品質な種子の生産、化学肥料や農薬の使用を削減するための有機農業促進事業を実施し、昨年12月に3年事業の2年目を終了することができました。今回は私たちが行っている活動のご報告をさせていただきます。
 
(活動1)安定した水源の確保のため、農業水利施設の修復と設置
 
水不足を心配せずに安定した農業が行えるように、灌漑用小規模貯水池修復を行いました。修繕前は、貯水池や農地そのものがジャングルに覆われ、何もできない状態でしたが、修繕の結果、貯水池により安定した水源を確保できるようになり、農家もジャングルに覆われていた自分の土地を開墾するなどして、耕作可能面積は修繕前と比べて約1.5倍に拡大しました。
また、貯水池の近くに農業用井戸を設置したことにより、水へのアクセスが確保でき、乾季にも農作物の栽培が可能となりました。
農業水利施設の適切な運用のため、農民組合の代表者が貯水池や農業用井戸を自分たちで管理できるようにメンテナンスのワークショップも実施しました。
小規模貯水池の修繕と農業用井戸の設置により、安定した水量を確保することができるようになったため、今後は多くの農民が乾季の稲作および米以外の作物栽培を行う予定です。
 


(修復前)灌漑用貯水池堤防(完全にジャングルに覆われていたため、貯水池として機能していない)
 

(修復後)工事により貯水できるようになった。
 

農業用井戸と管理方法を学ぶワークショップ
 

用水路を整備したことで水の供給がスムーズに

    
 
活動2)米以外の穀物・豆類の種子生産と有機農業の導入
 
農民の多くは、米以外の農作物栽培に関する知識が十分になく、また農作物を販売するための販路の確保も困難で、安定した収入を得ることが難しい状況でした。さらに、気候変動による米の収量の増減や買取価格変動に対するリスクの影響を受けるため、栽培する農作物を多様化させて農業収入を増加させることが課題でした。また、質の悪い種子が多く出回っており、種を撒いても発芽しない、または生長不良があるなど、高品質な種子の確保も大きな問題となっていました。
このため、ピースウィンズ・ジャパンでは米以外の穀物や豆類などの高品質な種子の生産と有機野菜の生産促進を行い、農家が米以外の農作物から収入を得られるようにしました。
高品質な種子の生産については、88名の農家を対象とし、政府が認証を与える高品質な種子を生産するための研修を実施し、その後、種子や化学肥料などの物資の配付を行いました。結果、多くの農家が高品質な種子を生産し、政府の認証を受けることができ、高価格で販売することができ、副収入を得ることができました。
 


落花生の子実を大きくするため苦土石灰を配布
 

種子認証担当官による成長具合の確認

 
また、有機農業促進事業では、有機農業に関する基礎的な知識や、農業技術の向上を目指し、技術研修(コンポスト製造、育苗管理、有機液肥・自然農薬製造、各野菜の適切な栽培方法、剪定方法など)を実施し、さらにスプリンクラーやスプレイヤーなどの農業資材を支援しました。2年次は、研修に参加した94世帯の農家が有機栽培を実践し、中にはトリンコマリー県のベストファーマー受賞式で有機農業部門の1位を獲得する農家も生まれました。
 


各農家が持参した葉や魚を使って液肥と自然農薬を生産する様子
 

有機農業部門で1位を獲得されたアキールさん

 
ビジネストレーニングでは、会計記録のつけ方の指導やマーケティングの基礎を学ぶだけでなく、自分で作った有機野菜を実際に自分で販売するというトレーニングも行いました。
これまでほとんどの農家は、農作物の品質が良かろうが悪かろうが、地元にくる仲買人に二束三文の値段で野菜を量り売りしていたため、消費者と触れ合うことも品質を気にすることもなく、とりあえず量があれば良いという農業を行ってきました。
しかし、この実践販売トレーニング後の反省会では、「楽しかった!もっとお客さんに喜んでもらうために、もっと野菜を作りたい!」「来週もやりたい!」など、直接消費者と触れ合う機会を得ることにより感想や要望を聞き、それらを積極的に取り入れるようになった農家が多くおり、1年次、2年次とも、この販売トレーニングを行った後から販売する楽しさを知り、より真剣に有機農業に取り組む農家が増えたことは間違いありません。また、本事業に参加した農家の中には、ビジネストレーニングをきっかけに地元で有機野菜販売所を初め、大口のお得意様を得た農家もいます。
どんなに農作業を頑張っても滅多に褒められることのない農家が、有機野菜の販売を通して多くの消費者から称賛の言葉をもらえたことが非常に嬉しかったようで、モノが売れていく度に彼らの表情が目に見えて変わっていき、内戦などでなくした自信を取り戻しているように思いました。
 


県庁で有機野菜販売イベントを開催
 

実践マーケット・トレーニング後の振り返り

 
           
2021年5月にスリランカ政府が突然、全国的に有機農業に切り替えると宣言しました。化学肥料や農薬、除草剤などを輸入禁止にしたことで、2021年10月頃から始まる雨季の米の栽培時に、今まで政府が無償で配布していた化学肥料が配られず、農薬や除草剤の価格も高騰し、入手が困難となりました。このため、今まで完全に化学肥料に依存した農業を行っていた農家は、有機農法における有機稲作の手法や技術や管理方法を知らないまま収穫期を迎える結果となりました。現在、政治的混乱と経済危機に直面しているスリランカでは、化学肥料は解禁されましたが、経済危機によって農業資材が手に入りにくい状況が続いており、有機堆肥や自然農薬など、地元の資源を活用できる有機農業に対するニーズが高まっています。ピースウィンズ・ジャパンでは引き続き、現地の農家に寄り添った支援を今後も進めて参ります。
 
本事業は外務省日本NGO連携無償資金協力とサポーターの皆様からの寄付金を得て支援を行っております。外務省日本NGO連携無償資金協力の3か年事業の3年目となる本事業は、より多くの裨益者の方々に農業と給水の支援を継続し行うために、今年1月1日から開始しています。
 
皆さまからのご協力、またスリランカの農業の復興に寄与できるようなお話等もございましたら、是非ご協力いただけますよう、よろしくお願いいたします。
 
 
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