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ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

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2021.10.28

【スリランカ】有機農業普及プロジェクト・スリランカで今、何が起こっているのか

スリランカ 海外人道支援

「今日こうして有機認証を取得することができたのは、皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。」
 


グループ有機認証を取得したムトゥール郡の農家
 

グループ有機認証を取得したクッチャベリ郡の農家
 

グループ有機認証を取得したパダビシリプラ郡の農家
 

有機認証の個人認証を取得したムトゥール郡のタッキーハンさん

 
誇らしげな表情で写っているのは、有機農業を実践する農家の方々です。2019年から有機農業プロジェクトに参加し、約1年半継続的に有機農業に取り組み、ついに有機農家としての認証を得ることができました。認証は首都コロンボでも認知されているGood Marketという企業が提供する有機認証で、この認証取得による信用のもと、様々な場所でマーケット展開が可能となります。彼らはこのトリンコマリー県を含む東部州で有機認証取得できた初めての農家グループとなりました。
 
私たちピースウィンズ・ジャパン(以下、PWJ)は、スリランカ東部州トリンコマリー県で活動しています。この地は2009年に終結した30年近く続いた内戦のため、スリランカでも特に開発が遅れている地域で、内戦による帰還民が多い再定住地域です。中には、自分の農地であっても長らくHigh Security Zone(高セキュリティ地域)に指定され立ち入りが禁止され、近年になってようやく解放された土地で農業を再開した農家もいます。
 
 
【スリランカで今、何が起こっているのか】
世界的に大流行している新型コロナウイルスですが、スリランカの首都コロンボから車で6時間離れたトリンコマリー県でも、影響は例外ではありませんでした。感染者が増え、多くの人が亡くなり、政府はロックダウンの決断を迫られました。経済は停滞し、スリランカの主要な外貨収入源である観光業は廃れ、たくさんのホテルが廃業を余儀なくされ、多くの人が職を失い、国の財政も行き詰まりました。そして、この経済・財政危機を受け、スリランカ政府はその対策の一つとして、スリランカ国内で生産が可能な農作物の輸入を制限すると共に、化成肥料および農薬の輸入規制による国内生産の向上と有機農業への転換を決断しました。日本でも今年2021年5月に、国土の25%まで有機農地を拡大する政策が農水省により打ち立てられ、2050年までの実現を目指しています。スリランカにとっても、上記の輸入規制が大きな挑戦の一つとなっており、これまで当たり前のように政府より供給された化成肥料や農薬、除草剤は、現在店に残っている在庫のみとなり、価格高騰し、入手できなくなりました。現在、政府に対する抗議デモなどが全国的に行われており、既に農家の生計の大部分を占める雨季の稲作を行わないと決めた農家もいます。
2021年11月、スリランカは有機農業への政策転換後、初めてのマハ期(農家が大規模な稲作を行う雨季)を迎えます。仮に収量が大幅に低下した場合、農家の生計は大打撃を受け、国内の食糧事情にも大きく影響すると思われます。スリランカの農家たちの挑戦が始まります。
 
【農家一人ひとりに寄り添った支援を】
PWJは、2019年より有機農業普及プロジェクトとして様々なトレーニングプログラム(コンポスト製造、育苗管理、有機液肥・自然農薬製造など)と農業資材を支援しています。中でも力を入れているのは、一人ひとりの農家を訪問して行う、トレーニングや資材提供後のフォローアップです。それぞれの農家が抱える病害虫や生育障害等の課題はもちろん、家庭事情や経済状況、健康状態にも配慮し、現地の人びとに寄り添いながら支援を行っています。PWJのスタッフたちは毎日フィールドを訪問し、電話でも常にやり取りをし、農家たちと学びを共有して、共に成長しながら取り組んでいます。
 


地域で簡単に採取できるハーブを使った自然農薬の製造トレーニング
 

もみ殻燻炭を使った砂質土壌改良トレーニング

 
 
【スリランカの将来を担うモデル有機農家】
今、PWJのプロジェクトに参加した有機農家は、トリンコマリー県で有機農業を先導する農家として認知され、このスリランカの将来を担うモデル有機農家となっています。彼らの近所に住む農家は、化成肥料や農薬が高騰し手に入らなくなったことを受け、地域の農家たちからも頼りにされています。スリランカ政府からも多くの職員が彼らの有機農場の視察にやって来ました。
 

 


カンタレ郡で有機農業を実践するチャンディカさん、日本式のコンポスト製造方法を自己投資して大規模製造体制を確立。このコンポスト撹拌機も自分で作りました(動画)。大規模もみ殻燻炭製造にも成功しました(写真)。

 
 


 

病害虫や潅水も適切に管理され、とても良い生育状況の緑豆。豆類を育てることで土壌への窒素固定を狙っている。パルメラの木の葉でフェンスを作り、周辺農家からの防除も徹底している。この動画はタッキーハンさんが撮影し、農家グループ間のチャットで自ら共有しました(動画)。タッキーハンさん(写真)。

 
スリランカではまだまだ有機農業への急速な政府の方向転換に追いついていけない農家がたくさんいます。確かに唐突な政策転換は、農家に混乱を与えますが、過去に化成肥料や農薬などの過剰散布による健康被害が出ていた事実もあります。この国が迎えるこの大きな転換期、PWJが数年前からこの地で有機農業プロジェクトに取り組んでいたことには、何か意味があるのだと思います。この国の危機を乗り越えるために、日本のNGOだからこそできることを考え、現地の人びとと共に今後も活動を続けてまいります。
 
本事業は外務省の日本NGO連携無償資金協力からの助成金とサポーターの皆様からの寄付金、また農業局等の地元政府のサポートからの協力を得て実施しております。また、スリランカの有機農業への転換を受け、スリランカの発展に寄与できるようなソーシャルビジネスに関するお問い合わせ等もお待ちしております。ご支援ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 
 
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特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は2019年12月19日、広島県より「認定NPO法人」に再認定されました。これにより、PWJへのご寄付は、寄付金控除の対象となります。くわしくは寄付金控除(認定NPO)についてをご覧ください。
 
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