ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2003.12.26

帰還の希望を胸に、難民代表就任式

シエラレオネ 海外人道支援

2003年11月28日、常夏のシエラレオネの晴れた空の下、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が運営するバンダジュマのリベリア難民キャンプで、キャンプ難民代表とキャンプ難民執行委員会の面々の就任式が行われました。会場となったキャンプ内の幼稚園の仮校舎は、緑や花できれいに飾りつけられ、難民たちの表情からは帰還への希望が感じられました。

今年8月に臨時政府が設置され、国連安保理の決議にもとづく国連平和維持活動(PKO)として、国連リベリア支援団(UNMIL)が展開されたリベリア。しかし、モンロビアとその周辺を除く国土の大部分ではまだ治安が確約されておらず、多くの難民にとって、帰還およびその時期は、決定的なものにはなっていません。

バンダジュマキャンプは、シエラレオネに8つあるリベリア難民キャンプのひとつ。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の指揮下でPWJによって運営されていますが、日々のキャンプ運営は、難民自身の参加なしでは行えません。約6000名の難民を擁するこのキャンプは、規模としてはひとつの町に匹敵します。そのため、キャンプ内には自治体とも言える難民執行部が形成され、難民代表は民主的な直接選挙で決定されます。代表の就任期間は1年と決まっており、今回も、前任者の任期が切れたところで選挙が行われました。

当選者はエマヌエル・ヤサドゥ氏。政府代表、UNHCR、PWJおよびその他の関係者が見守るなか、キリスト教徒であるヤサドゥ氏は聖書を片手に、任期を公平かつ効率的に勤めることを宣誓しました。

難民代表は、キャンプを運営するうえで日々の要であり、PWJにとっても大切なパートナーです。しかし、名誉職であり、報酬はまったくありません。当初はこの点があまり理解されず、選挙が各民族同士の諍いの代表戦に発展することもありましたが、キャンプ運営も3年目に入る今回の選挙は、混乱もなく、公平に行われ、シエラレオネ政府代表からもそうした選挙結果への祝辞が送られました。個々の祝辞が行われた後は、太鼓とアフリカ版マラカスを使った伝統的な音楽と踊り、そしてごちそうが皆にふるまわれ、大団円となりました。

就任式に参加したPWJのシエラレオネ駐在スタッフ、福井美穂が強く感じたのは「キャンプで生活している人びとの間に、もうじき故郷へ帰ることができるという思いがあり、閉塞感がなかった」こと。キャンプ生活も後わずかであるというその思いが、就任式を明るいものにしていた感があります。皆が安心して帰還できる日々を心待ちにしつつ、キャンプの運営を前向きな姿勢で共に行えたら、というのがPWJキャンプチームの願いです。


就任式の様子


セレモニーを祝って踊るキャンプの人たち

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