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【南スーダン】「難民キャンプ」と聞いて何を思い浮かべますか?

皆さんは「難民キャンプ」と聞いて何を思い浮かべますか?
広大な土地にテントがずらっと並び、そこに栄養失調で大きく膨れたお腹の子どもや疲れ切った表情で子どもを抱く母親、食料の配給に列を作る人々がいる、というような少し暗いイメージをお持ちではないでしょうか。最近ではインターネットなどを介してキャンプ内の映像や写真を見ることができますが、実際に彼らはどのような生活をしているのでしょう。今回は、南スーダンの首都ジュバ市内にある国際連合南スーダン派遣団の拠点の中に設置された国内避難民キャンプでの事業視察に同行し、そこで垣間見た避難民の生活についてご報告します。
南スーダン私が訪問した4月は、赤道に近い南スーダンの厳しい乾季が終わる時期でしたが、現地では最高気温が40度を超えることも珍しくありません。同時に雨季の始まりでもあり、日本の梅雨時期の蒸し暑さに、ギラギラとした太陽を加えたような状況でした。避難民キャンプは、市内の中心地から悪路を車で走ること約30分の場所にあり、民族対立から逃れてきた南スーダン人が国連の保護の下に暮らしています。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、現地パートナー団体と協働して、キャンプ内のごみ回収、トイレの汚物汲取り、トイレや水浴び場の補修・改築などの衛生支援活動を進めています。
キャンプ内に入ると、通路のところどころに商店が開かれていることに気付きました。そこには豆や米、パスタのような主食となるものから、野菜やお菓子、生活雑貨なども並んでいました。質問をすると、これらは隣国のウガンダから入ってくるものが多いそうです。並んでいる商品の中で、一際目も鼻も引いたのが茶色い物体でした。それは乾燥させた川魚で、発酵が進んでいるのか強烈な臭いがしますが、南スーダン人にとっては馴染みの食材で、スープに浸し、柔らかくしてから食べるそうです。その他にも食堂からは豆の煮込み料理のいい匂いがしてきたり、商店からはレゲエのような音楽が大音量で流されていたりと、キャンプ内でも経済活動が行われていることを窺い知ることができました。

南スーダン
キャンプ内の商店の店先

また、女性たちが共同洗濯場で近所の人達と会話をしながら洗濯をしていたり、テントの外で炭と七輪を使って食事の支度をしたりしているのを目にしました。家事や育児の傍ら、伝統的な刺繍することに時間を費やしている女性も見つけました。見せてもらうと、それはとても色鮮やかで、何色もの糸を使って複雑な模様をいとも簡単に作り上げていました。

南スーダン
女性が刺繍をしている様子

子どもたちはというと、とても元気いっぱいです!小さな子どもは、視察している私たちの後を裸足でちょこちょことつけて来ては、握手を求めます。人懐っこい彼らの笑顔を見ていると、こちらまで自然と笑みがこぼれてきました。小学生くらいの年齢になるとサッカーや長縄をする姿が見られ、普通に日本でも見たことのある光景がそこにはありました。

南スーダン
カメラに笑顔で答える少年たち

しかし、一見すると普通にも見えるキャンプ内の暮らしは、柵と有刺鉄線が張り巡らされ、武装した兵士の警備により、辛うじて守られている暮らしです。民族間の争いによって避難している人たちは被害者ではありますが、また一部は加害者でもあり、暴力の応酬に怯えていなければならないのです。彼らの笑顔の裏には民族紛争という過酷な経験と、今の状況の中で必死に生きる強さがあります。彼らの心からの安らぎが一日も早く実現することを願って止みません
報告:三好雅子(南スーダン会計担当)
※この事業は、ジャパン・プラットフォームの助成や、皆さまのご寄付で実施しています。

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