ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

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2015.3.10

【南スーダン】1年ぶりのジュバ訪問

南スーダン 海外人道支援

2015年2月、PWJは約1年ぶりに南スーダンの首都ジュバを訪れ、ジュバ市内の事業地を始めて訪問しました。今回はこの3泊4日のジュバ出張についてご報告します。
ジリジリと照り付ける太陽の下、脱水症にだけはならないようにと水分補給をしつつ、私達は提携団体である現地NGOの案内で、国連敷地内にある国内避難民キャンプに入りました。
開設当初は1つしかなかったキャンプの区画は、避難民の増加に対応し、現在は5つにまで増設され、私達はその内の2区画で衛生支援を担当しています。
ごみ回収、トイレの汚物汲み取り、トイレや水浴び場の補修・改築、手洗い場の管理、衛生普及など、PWJが提携団体を通して行ってきた支援活動の様子を、日本大使館とJICA(国際協力機構)の職員にも同行頂き、一つ一つ歩いて見てまわりました。
避難民の暮らすテントが敷地を埋め尽くし、その他はトイレ、水浴び場、給水所、ごみ捨て場、そして悪臭を放つ簡易排水路があるのみです。
通路はPWJのごみ回収トラックがなんとか通れる程の道幅しかなく、数か月後に雨季が始まると更に移動が大変になります。
昨年は雨季の本格化に排水路整備が追い付かず、特に水はけの悪い区画で一部テントが浸水し、避難民は引越しを強いられました。
PWJは、乾季のうちに衛生設備を整備・改善すべく、現在簡易トイレの建替え補強や水浴び場の補強を行っています。
キャンプ内は延々とテントが並ぶ    視察時、キャンプではごみ回収が行われていた
写真左:キャンプ内は延々とテントが並ぶ
写真右:視察時、キャンプではごみ回収が行われていた
ジュバ橋を渡ったナイル川の反対側にあるもう一つの事業地、グンボでも、避難民キャンプ内で2014年2月から継続してきた衛生活動の現状を確認しました。
自身も避難民である衛生普及員の女性達が着飾って歓迎の歌と踊りで出迎えてくれた後、普段の衛生普及活動で歌っている手洗いの歌も披露してくれました。
ちょうどお昼の時間だったのでしょう、子供達は空のコップを手に、歌を歌いながら一列に並んで給食の配給場所である教会へ向かっていました。
グンボにあるトイレや洗濯場、手洗い場、水浴び場はどれも仮設ですが、全て日常的に使われており、避難民の生活環境の改善に役立っていることが伺えました。
紛争勃発を受けてキャンプが開設された直後は、避難民は大人も子供もぼろぼろの服を着て、顔を洗ったりシャワーを浴びたりする習慣もなく、衛生意識の低さが顕著でした。
普及員が衛生集会を開き歌や踊りで観客を楽しませながら衛生知識を伝え、地道に一軒一軒テントをまわって衛生指導をしてきたおかげで、グンボキャンプの人々は身だしなみを整える事を覚え、ほぼ毎日体を洗うようになったといいます。
キャンプ周辺の地元住民も、避難民と同じ井戸や仮設トイレを使っていますが、衛生普及活動はキャンプ外まで手が回らず地元住民の間では衛生知識が不足しているため、昨年の雨季には、キャンプの外でコレラが流行し、死者も出ました。
今年の雨季にはこのような悲劇を防ぐため、PWJは今後キャンプの外にも衛生普及活動を拡大し、住民の衛生意識向上と行動変容を目指します。
歌と踊りを披露する衛生普及員
歌と踊りを披露する衛生普及員
これら2つの事業地の他にも、今後活動を開始予定のキャンプ2つと周辺集落、そしてキャンプで回収したごみの行先であるジュバ市のごみ埋立地も視察しました。グンボのキャンプ近くに、今にも崩れそうな土壁の教室がありましたが、驚いたことに避難民の低学年の子供達が今もこの校舎を使っているというのです。地域にある他の学校に通うにはお金が足りないのだといいます。衛生分野での支援を担当するPWJは、この小学校の生徒のために男女別のトイレを1棟ずつ建設する予定です。
地方部では未だに局所的な戦闘が続いているため、PWJが長年活動を続けてきたジョングレイ州の事業地を訪問することはまだ叶いません。2014年にトイレと手洗い場を建設し、衛生普及活動を実施した州都ボーの小学校4校を視察できるように、ジョングレイ州を含む地方部での戦闘が早く収束に向かうようにと願うばかりです。そして、ヌエル族もディンカ族も、全ての南スーダン人が以前のように安心して共存できる日が早く来るよう、PWJ職員一同心から願っています。
報告:清水 貴子(南スーダン事業担当)
※この事業は、ジャパン・プラットフォームの助成や、皆さまのご寄付で実施されています。

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