ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

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2014.7.10

コレラという強敵 -グンボ国内避難民キャンプでの支援-

南スーダン 海外人道支援

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は4月以降、南スーダンの首都ジュバ市内のグンボ避難民キャンプに支援活動を拡大しました。グンボ避難民キャンプはナイル川のほとりに位置し、約900人の避難民を抱えています。ジョングレイ州やそのさらに北のユニティ州から逃れた女性や子供、高齢者がこの避難民キャンプに集まってきたのです。これらの避難民は主にディンカ族で、家族の中で男性の家族は政府軍の一員として遠い地へ派兵されており、長い間家族のもとへ帰って来ません。一方で、支援機関の多くは、政府軍から迫害を受けているヌエル族へ支援を集中しており、ディンカ族の避難民に対する支援は行き届いていませんでした。避難民の多くは、地方の広い土地でしか生活した事が無い遊牧民であり、人口の密集する狭いキャンプで暮らしてゆく術を知りません。ただでさえ衛生設備の乏しいキャンプに、集団生活や定住の経験がない避難民が集まったことで、グンボ避難民キャンプの衛生状況はひどく悪化しました。
ところ狭しとテントが並ぶグンボ避難民キャンプ
写真:ところ狭しとテントが並ぶグンボ避難民キャンプ
このような状況を受け、PWJは、ジュバ市内の他の避難民キャンプで現地NGOと連携して行ってきた水・衛生支援を、グンボ避難民キャンプにも拡大する事にしました。開始から6月までの間に、避難民と地元集落の子供が通う学校にトイレを建設したほか、キャンプ内にごみ箱とごみ収集所を、トイレの横に手洗い場を設置しました。他にも、地元集落の児童も交えた衛生キャンペーン(掃除、手洗い、トイレの使用、水をためる容器の洗浄などについて正しい知識を普及するイベント)を実施しました。
学校に建設したトイレの前に集まる児童たちごみ回収をする避難民女性
写真左:学校に建設したトイレの前に集まる児童たち
写真右:ごみ回収をする避難民女性
こうしたPWJの活動について、グンボ避難民キャンプに住む4児の母・ローズさんは満足そうに語ってくれました。「PWJとTHESO(PWJと連携してこの事業を実施している現地NGO)の支援が入る前は、ゴミがそこら中に散乱して、悪臭がひどく、蠅も沢山いました。しかし、支援が始まるとすぐに悪臭が和らぎ、キャンプの中はとてもきれいになりました。衛生キャンペーンで教わったことも、私達の日々の生活、特に子供たちの健康を守るためにとても役立っています。」
衛生キャンペーンの日、水をためる容器を洗う避難民SAMSUNG CAMERA PICTURES
写真左:衛生キャンペーンの日、水をためる容器を洗う避難民
写真右:手洗い場で順番に手を洗う子供たち
しかし、キャンプの衛生環境が順調に改善されてきたのも束の間、コレラという強敵が避難民とPWJの前に立ちはだかりました。コレラは人間の排泄物や嘔吐物などを媒介に感染し、最悪の場合は死に至ることもある恐ろしい感染症です。4月中旬に初めて感染者が確認されると、雨季の本格化に伴ってコレラはジュバ市内各地へ蔓延し、5月中旬には総計1,124人の感染者が報告されました。この内189人がグンボ地域内の感染者です。
ジュバ市内で水・衛生支援を続けてきたPWJにとっては非常に胸を痛める出来事でしたが、他団体と協調し、早急にコレラ対策に乗り出しました。手洗いの徹底、ごみの散乱防止、ごみの定期的な回収、汚水や雨水が溢れたり溜まったりしないようにするための排水路整備と清掃など、感染拡大の予防策を実施しています。一度蔓延した感染症を駆逐するためには、あらゆる面での対策と日々の生活の中での避難民自身の努力が必要になりますが、一日でも早く避難民の人々がコレラに脅えることなく安心して生活できるよう、PWJは今後も他の支援機関と協力しながら支援を継続していきます。
報告:清水 貴子(南スーダン事業担当)
※本支援は、ジャパン・プラットフォームからの助成や、皆さまからのご寄付により実施しています。

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