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私たちの活動

人が生きていくということ -「入ってくるもの」と「出ていくもの」-

昨年12月中旬に発生した内乱により、多くの人々が生活する場所を失い国内避難民となりました。
こうした状況を受けて、国連やNGOをはじめ多くの支援団体が活動を開始し、徐々に状況は改善されています。
一方で、水や食糧など「入ってくるもの」は最低限の生活が営める量が供給され始めましたが、生活排水やゴミなどの「出ていくもの」に関する支援は一足遅れ、キャンプ内はコレラの大発生が危惧される程劣悪な環境が続いていました。
こうした状況に陥る理由のひとつは、生活排水関連の支援(例えば排水路の整備やトイレ掃除など)が、物を配布する支援よりも時間がかかり大変だからです。そしてまた、物資を配布して、その場で現地の人々に喜ばれるのに比べ、こうした活動は従事者がすぐに手ごたえを感じにくいのも事実です。
しかしながら、人が生きていくためには「入ってくるもの」と「出ていくもの」の両方に意識を向けることが必要です。
こうした中、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は国内避難民キャンプ内で手薄になっている衛生支援に着目し、現地NGOと連携して衛生促進活動とゴミ回収を実施しています。今回はゴミ回収の活動報告をいたします。
写真1
写真:衛生普及員と回収トラック
首都ジュバに設置された国内避難民キャンプ内では当初、生活排水やゴミの処理は後回しにされ、敷地内は溢れるごみや排泄物などで鼻を衝く臭いが充満し、不衛生な状態が続いていました。これでは食べものがそろっていても、衛生状態の悪化が原因で病気や下痢になり、生活環境はいつまでたっても改善されません。
こうした状況を受けて、PWJは現地NGOと連携して毎週3回4トントラック3台を施設内に派遣してゴミ回収を行うことを決めました。それと同時に、「ゴミ回収の場所・日時」「手洗いの大切さ」「所定の場所でトイレを済ます」こと等をキャンプ内のコミュニティに伝えるワークショップも開催しました。
写真2写真3
写真左:活躍するごみ回収スタッフ
写真右:国内避難民キャンプ内を走るごみ回収トラック
効果はすぐに表れ、キャンプ内の避難民住人から「匂いがしなくなった。」「ハエがいなくなった。」「ゴミを捨てる場所が出来て、テントの周りがきれいになった。」などの声が聞かれました。
その一方で、キャンプ内の医療支援現場から出る医療廃棄物も含め、ゴミの量は増え続けています。
今後PWJではゴミの回収頻度を増やし、避難民の方たちの生活が改善されるように活動を続けていきます。
4、5月になると、半年以上の長い雨季が始まります。キャンプ内には雨対策の排水設備が整っておらず、「地面がぬかるみトラックが入れずゴミ回収ができない」「洪水でトイレ内の汚物があふれ出す」などの問題が予想されます。これら雨季の課題にも事前に適切に対応し、国内避難民の方々が少しでも人間的な生活を営めるように尽力していきます。
報告:長村 裕(南スーダン事業担当)
※本支援は、ジャパン・プラットフォームからの助成や、皆さまからのご寄付により実施しています。

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