ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2010.12.28

アユッドに新たな拠点を

南スーダン 海外人道支援

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、2010年度もこれまでに引き続きジョングレイ州で、井戸、トイレ、学校校舎等の建設を行っています。さる12月10日に、現地スタッフとともにアユッド郡に調査に行きました。アユッド郡は、ジョングレイ州の北部に位置し、ボー事務所から約240㎞。車で8時間ほどかかります。

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アユッド郡を示すサインボード
(C)Peace Winds Japan

PWJは2008年から2009年にかけて、このアユッド郡で井戸26本を建設しており、それ以降は、他の郡に展開して事業を続けてきました。私自身がアユッド郡を訪問するのは今回が初めてで、現地では、水・衛生・教育分野について政府関係者から現状を聴取するとともに、他のNGO等の活動や治安状況を調べました。
ボー事務所があるボー郡には、スーダン南部で最大の部族であるディンカ族が多く住んでいますが、アユッド郡はヌエル族が主な部族となります。アユッドに着いて初めにびっくりしたのは、ヌエル族の男性は、額に4~5本の「切り傷のあと」があります。耳のあたりから反対側まで、かなり長い傷あとです。これは、少年から大人になる時、一人前の男として認められるために、度胸試しを兼ねて行われる儀式といわれています。今ではあまり行われなくなったそうです。さらにこれには、もう一つの理由があり、それは、すぐに同じ部族だと分かるようにするためだそうです。
PWJが活動するスーダン南部では、異なる部族が財産である牛を奪い合う武力衝突が多く起こっています。日本人にはピンと来ないかもしれませんが、地元の人びとにとって牛は貴重な財産です。そして、武装集団からの自衛のためや、牛を守るためにAK47という型式のライフルなどの銃を持っている人も多く、車での移動中に、ライフルを持った牛飼いの人を目にすることは珍しくありません。

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アユッドのメインストリート
(C)Peace Winds Japan

アユッドで調査を行った背景としては、1年の半分が雨期という現地の気候のため、ボー事務所を拠点に活動範囲を決める従来のやり方では制約が大きいことから、アユッド郡にも新たに事務所を設置し、これまで雨期中の移動が阻まれていた地域に展開する可能性を模索していることがあります。そのため、今回はアユッドで市場の調査も行いました。建設事業に必要なセメントや砂、車両のスペアパーツや食料品は入手できるか、など。こうした情報は、支援活動との関連は薄いように思われるかもしれませんが、事務所開設を検討する際には重要な要素になります。

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アユッドの市場
(C)Peace Winds Japan

しかし、実際に活動範囲を広げていくことは、そう簡単にはいきません。それは、治安が確保できるかどうかの判断が常に求められるからです。上に述べた牛の強奪をはじめ、児童の誘拐、移動中の車両襲撃などは、実はPWJが活動する同じ地域でいつも起こっていることなのです。
そのような状況下で、PWJは常に治安情勢に注意を払っています。幸いアユッド郡は、最近は治安状況が比較的安定しているので、今後の活動拠点候補として訪問を決めました。来年度は、アユッドを足がかりに、よりニーズが高い地域まで活動を展開できるようにがんばりたいと思います。

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