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私たちの活動

故郷再建の一助として

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は2006年から南スーダンのジョングレイ州で帰還民を対象とした水・衛生支援を続けています。
昨年11月には、同州最北に位置するファンガック郡に5本の井戸を建設、今年2月にはその南東に位置するアユッド郡、ウロール郡の2郡に計13本の井戸を完成させました。

引き渡された井戸で大喜びする子供たち
引き渡された井戸で大喜びする子供たち

アユッド郡で井戸を建設した村の一つ、トイゴック村では、1998年から部族間紛争が激しくなり、治安が悪化したため、住民は故郷を離れ、国内避難民として避難先での生活を余儀なくされました。
その後、治安が安定してきたため、再び故郷で生活できる喜びと希望を胸に、2012年から住民の一部が村に帰還しましたが、長い間誰も住んでいなかった村は荒れ果てた状態となっていました。
しかし、そんな困難に直面しても、住民は在りし日の故郷を思い浮かべながら、生い茂った草木を伐採し、土地を少しずつ切り開き、生活環境を整えてきました。
それでも、生活に欠かせない飲料水や生活用水の確保にはなお苦労しており、最も近い井戸まで毎日往復2時間以上かけて水汲みに行かなければならない状態でした。
このような状況を改善するために、PWJは現地政府と調整し、この村に井戸を建設することにしました。
フェンス設置作業の合間に記念撮影
フェンス設置作業の合間に記念撮影

ニャピンニさんも、故郷トイゴック村への帰還を心待ちにしていた一人でした。
彼女は井戸管理委員会のメンバーにも選ばれるほど、リーダーシップのある女性で、7人の子どもを育てるお母さんでもあります。
井戸を引き渡す際、彼女は故郷への思いをこう語ってくれました。
「10年以上避難先で暮らしていたから、そこで生活基盤はできていたけれど、トイゴック村のことを忘れたことは一度もなかったわ!どんな土地でも暮らせるけれど、生まれ故郷はここしかないもの。」
ニャピンニさん一家と親族の建設中トゥクル前にてPWJスタッフへ故郷への思いを語るニャピンニさん
ニャピンニさん一家と親族の建設中トゥクル前にて  PWJスタッフへ故郷への思いを語るニャピンニさん
また、井戸ができたことについては、「PWJが井戸を建設してくれたおかげで、子どもたちにも安全な水を飲ませることができるし、なにより、トイゴック村を昔以上に実り多い土地にすることができて本当にうれしいわ!この子たちにも在りし日のトイゴック村を見せることができるわ!」とさらなる希望を胸に、語ってくれました。
井戸まわりの土盛り作業に精を出すニャピンニさん達
井戸まわりの土盛り作業に精を出すニャピンニさん達

こうした帰還民の人びとの希望に寄り添い、住民が少しでも早く安全な水を利用できるよう、PWJは引き続き水・衛生分野を中心に支援を行っていきます。
報告者:齊藤大作(事業部)
本支援は、ジャパン・プラットフォームからの助成や、皆さまからのご寄付により実施しています。

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