ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2010.3.24

ピボールに水を

南スーダン 海外人道支援

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、現在、事務所のあるスーダン南部ジョングレイ州都ボーから東へ約200km離れたピボール郡で井戸建設の支援を進めています。ピボール郡に向かう片道8時間半の道路は、道路事情の悪い南スーダンを象徴するかのように乾期が始まっても道がなかなか車両の通行できる状態にはなりませんでした。道路事情や、雨期を避けて活動が可能な期間が短いことなどの悪条件に加えて、部族間抗争の火種を抱えるピボール郡は、ジョングレイ州の中でも援助の手がまだまだ届いていない地域のひとつです。

車両での移動が再び困難となる雨期の始まりが4月頃と、活動できる期間が非常に限られる中、PWJは2010年1月からピボール郡長から推薦されたコミュニティを訪れ、水のニーズを調査するフィールドアセスメントを開始しました。それぞれのコミュニティが使用する水場の水源、水場までの距離、人口などを調べ、コミュニティごとの水のニーズの全体像に迫っていきます。訪れた21コミュニティの中でも、井戸のあるコミュニティは、パヤム(郡の一つ下の行政単位:複数の町で構成)の中心地のほかにほとんどなく、周辺の村々では井戸建設のニーズが高い要素が伺えました。

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水のニーズ調査
(C)PWJ/Ayuko TAKAHASHI

  
フィールドアセスメントを行った、川から離れている村の中には、警備のための数人を残し、住民のほとんどが川辺に移動している村や、全住民がパヤムセンター(中心地)など水へのアクセスのある場所に移動してしまっている村など、水不足のために住む場所を移動しなければならない人々の姿が見受けられました。農業を生業とする村々の中には、雨期の始まる前までに土地を耕さなくてはいけないため、水場が近くにない村に留まり、毎日片道3-4時間かけて、中心地の井戸や川まで歩いて水汲みをする女性・子供も見かけます。

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水を運ぶ女性
(C)PWJ/Ayuko TAKAHASHI

   
ピボールの川は干上がっている部分も多くあり、川に水場を持つ村々の住民はところどころに残っている川の溜まり水を、飲料水、沐浴、洗濯用に使用しています。いくつかの村では、伝統的な手法で川の水をせきとめ、川全体が干上がるのを防ぐ為の工夫をしています。それらの村々も、せきとめた水を生活のあらゆる用途に使っています。
このように、訪れた多くの村々では、安全で清潔な水へのアクセスが限られているだけでなく、コミュニティとの話し合いの中で、お年寄りや子供などは慢性的な下痢等の問題を抱える人が多いとの話を聞くこともありました。

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川が干上がり、動物の死骸が目立つようになった
(C)PWJ/Ayuko TAKAHASHI

  
ピボール郡の地下水源は豊富ではなく、井戸掘削候補地を決定する前に、その地域の水の有無を確認する水源調査を行っています。PWJはフィールドアセスメントを通して調査したコミュニティの井戸建設のニーズと、水源調査の結果を合わせて、最終井戸候補地決定の決め手としています。アセスメントの結果、井戸掘削候補地に選ばれた村の住人たちは、村に水場を迎えるために村をあげて協力してくれています。少しでも早く、安全で清潔な水を届けるために、PWJは今日もピボールで井戸建設事業を続けています。

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コミュニティも井戸掘削に参加
(C)PWJ/Ayuko TAKAHASHI

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