ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2009.6.25

井戸28本を建設して今期の水衛生事業が終了

南スーダン 海外人道支援

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、スーダン南部で井戸建設の支援を進めていますが、このほどボー郡ベイピン村に建設した井戸の地元への引き渡しを行い、2008年9月から続けてきた今期の井戸建設と、井戸修理技術者養成トレーニングのすべてを終了しました。今期、新たに建設した井戸は28本で、トレーニングも合計5回行いました。

井戸ができたことに喜ぶ子ども

井戸ができたことに喜ぶ子ども
(C)PWJ/RYU SAKUMA

道路事情が悪い南部スーダンでは、雨期の間は大型車両や重機を移動させることが困難になるため、井戸の建設は乾期の間にしかできません。
今期の井戸建設は、まだ雨期が終わっていない2008年9月、PWJの事務所があるボー近郊の村を訪問して建設地の選定を行うことから始まりました。そして雨期が明けて道路状況が改善していくのに合わせて、調査(アセスメント)の範囲を徐々に広げていきました。
今期は例年よりも雨期明けが遅れたことから、PWJが活動地域の中でもボーから最も離れたアユッド郡(ボーとの距離は約260キロ)を訪れることができるようになったのは2009年1月末でした。建設チームは掘削地を決めるチームを追いかけるように、順番に建設を行っていきました。以前よりもアクセスが困難な場所に井戸を建設していったこともあり、事業の進行には、例年よりも時間がかかり、すべての井戸建設が終了した2009年6月には新たな雨期がすでに始まっていました。

井戸の説明を受ける村人

井戸の説明を受ける村人
(C)PWJ/RYU SAKUMA

28本の井戸の内、11本は、前期に続き、井戸の必要性が高いことが確認された遠隔地のアユッド郡に建設しました。PWJがこれまで積み重ねてきた活動地域についての知識や経験があったからこそ、道路状況や治安の問題から事業を進めるのがより難しい場所、それゆえ支援が届きにくい場所にも井戸を建設することができました。村にできた井戸は、これまで何時間もかけて水くみに行かなければならなかった人や、川や水たまりの水を使って生活していた人に大変喜んで使ってもらっています。ある村に井戸の引き渡しを行ったときには、その喜びを歌と踊りで表現してくれる人もいました。
小学校の敷地内に建設された井戸は、2月に新学期が始まってから生徒や先生の手洗いや飲み水としてだけではなく、給食を作ったり、掃除をしたりするのにも使われています。28本の井戸を使うことができる人の数は合計で約25000人に上ります(住民約4700世帯と、小学校の児童・教員計約1700人)。

講義を行うPWJ備中

講義を行うPWJ備中
(C)PWJ/RYU SAKUMA

PWJはまた、井戸修理技術者養成のトレーニングも実施してきました。これは、郡の一つ下の行政単位に当たるパヤム(複数の町で構成)のレベルで簡単な修理を行える技術者を養成し、郡レベルではより高度な技術を持った技術者を養成していくことを目的としました。井戸の数が増えてきたボー郡で2回、アユッド郡で3回の研修会を開催。各地域から選ばれた79人に、井戸の仕組みや地下水の分布について講義を行い、井戸修理方法を実技を通して学んでもらいました。
村にとっては井戸の故障は大問題です。受講生たちは、故障を防ぐ使用方法や、故障しやすい箇所、故障した場合の直し方について、真剣な眼差しで講習に参加していました。

トレーニングの様子

トレーニングの様子
(C)PWJ/RYU SAKUMA

スーダン南部では、まだまだ多くの人びとが安全な水を待ち望んでいます。こうした人たちが住む地域に井戸をつくり、地域の人たち自らが現地の行政機関と協力して井戸の維持管理と修理を行っていけるよう、PWJは今後も水衛生支援事業を続けていきたいと考えています。
※今期のPWJの水衛生事業は、外務省(NGO連携無償資金協力)、国連人道支援基金(Common Humanitarian Fund)の協力も得て実施しました。

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