ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害などの脅威にさらされている人びとに対して国内外問わず支援活動を行うNGOです。

海外人道支援

Overseas

2009.3.18

井戸建設のため住民たち自ら道路開削

南スーダン 海外人道支援

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)はスーダン南部ジョングレイ州の4つの郡で活動しています。その4つの郡の中でも、州都ボーから最も離れたアユッド郡内の村を訪問していると、なぜこんなところに人が住んでいるのだろうと疑問に思うことがあります。市場や病院、行政機関が集中する郡の中心から離れている上に、車が通れる道路からも、隣の村からも距離を置いて点在する集落に、人びとが生活をしているのです。そこに住んでいる理由は、先祖代々の土地だから、あるいは内戦中に争いに巻き込まれることを避けて移住してきたから、などだと聞きました。こうした村は車で訪れることも困難で、そのままでは井戸建設のための掘削機などを運び入れることができません。状況を変えるため、村の人が立ち上がりました。

井戸掘削地の調査を行ったときも、いくつかの村は車で到達できないところにありました。そこで私たちは、車が通れる道をひらいてくれるよう、村の人に話をしました。また調査のときには車でどうにか到達できた村でも、井戸掘削のときには掘削機を積んだ大きなトラックを村に運び入れる必要があるため、道を拡げてもらうよう依頼しました。

ひらかれる前の道 ひらかれた後の道

写真左:ひらかれる前の道
写真右:ひらかれた後の道
(C)Peace Winds Japan

村に井戸が来るならばと、村の人びとは立ち上がります。ナタやクワを手に集まり、邪魔になる木を切り倒し、枝を切り払います。そして車の走行を妨げる背の高い雑草やパンクの原因になるような切り株を焼き払います。その結果、例えば、隣村までの延長10キロの細い道が、数日後に再訪すると太く力強い道に変貌しているのです。私は道を開いていく村の人たちの姿を見ていて、心動かされるものがありました。日本で生活していた時にはなかなか出会う機会のなかった、「人が協力して体を動かし何かを完成させていく」、その力強さのようなものを感じたのです。
そんな村人の姿に感動すると同時に、村人たちによって開かれた道は、どんな将来を村の人たちにもたらすのだろうと、考えました。近いうちにこの道を通って掘削機が村に運び込まれ、井戸が掘られることになります。井戸は、これまで何キロもある道を往復して水を入手したり、水たまりや川の不衛生な水を使っていたりした村人たちに、安全な水を簡単に届けてくれます。水の改善は、この地域で最も一般的な健康上の問題である、下痢やトラコーマ(伝染性の急性および慢性角結膜炎)にかかることを抑えてくれます。

ため池でつりをしていた子供

ため池でつりをしていた子供
(C)Peace Winds Japan

この道を通って、行政やNGOのサービスが村に届けられることでしょう。さらに、道は病気やけがをした村人を町の病院へ運ぶことや、薪や材木、藁、家畜などを町へ売りに行くことも助けてくれるかもしれません。

ひらかれた道を行くPWJの車

ひらかれた道を行くPWJの車
(C)Peace Winds Japan

一方で、道は必ずしもいいものばかりを村にもたらすとは限りません。場合によっては、新たな紛争や民族間の争いに巻き込まれる可能性を高めてしまうかもしれません。貨幣経済の浸透は、より大きな経済格差をもたらすかもしれません。他にも環境汚染、都市への人口流出による過疎化、HIV/AIDSなど多くの問題が、村に持ち込まれる可能性があります。道を開き外部との繋がりを深めるという村人の選択がどんな将来につながっていくのか、支援活動を続けながら注意深く見守り、考えていきたいと思っています。

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