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私たちの活動

井戸21本の建設終了、調査対象地域を拡大

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が活動するスーダン南部は11月から4月が乾期であり、現在がその真っ只中に当たります。雨期になると、道路の状況が悪化し、資材の運搬が非常に困難になることから、目下ハイペースで井戸の建設を進めています。1月22日にはジョングレイ州南ボー郡で井戸21本の建設を終了。現在は、井戸建設の対象地域をさらに拡げ、これまでほとんど支援が届いていなかった地域で調査を進めています。

今回調査しているのは、PWJ事務所があるジョングレイ州の州都ボーより約300キロ北に位置するアユッド郡です。今後、難民の帰還の本格化が予想される地域にもかかわらず、主要な町からのアクセスが困難なこともあり、限られた支援しか届いていません。しかし、この地域の水の問題は深刻で、現在の人口18万人に対して使用可能な井戸は20本ほど。つまり9,000人もの人びとに対して1つの井戸、という計算になります。
そのため、多くの人びとは、井戸からの水ではなく、雨期の間は自分たちで掘った穴に貯めた水を頼りに生活し、乾期にその貯めた水がなくなると、遠く離れたナイル川の近くに数カ月間移住し、また雨期になると戻ってくる、という生活を繰り返してきました。また、乾期の間に村が無人にならないように村に残された一部の若者たちは、片道2日かけてナイル川まで水をくみに行かなければなりませんでした。

アユッドで出会った子どもたち

アユッドで出会った子どもたち
(C)PWJ/Tetsuto BINNAKA

PWJはアユッド郡で水のニーズが高いことを踏まえ、数回にわたって調査チームを送り、地域の現状把握と、井戸を建設するコミュニティの選定を進めてきました。事務所から日帰りで行ける距離ではないため、車に十分な燃料やタイヤ、資機材を積み込み、数日間、泊まりがけでの調査になります。整備されていないがたがたの道や、時には道がない、やぶの中を切り開きながら各コミュニティを回り、郡のコミッショナー(首長)やコミュニティの人びととの話し合いを重ねてきました。

出発前に車を点検するPWJドライバー道中みつけた象の足跡

写真左:出発前に車を点検するPWJドライバー 写真右:道中みつけた象の足跡
(C)PWJ/Kaoru TAKAHASHI (C)PWJ/Tetsuto BINNAKA

昨年までであれば、乾期のこの時期、すでにこの地で水を手に入れることは難しく、水が得られるナイル川の近くに移住しなければいけない時期です。しかし、「今年はPWJが井戸を掘る」と聞いた人びとは、移住せずにPWJの井戸の完成を待ち望んでいます。来週にはいよいよ井戸建設場所が決まり、コミュニティとの合意書を結んで、掘削の準備を開始する予定です。もうすぐ井戸ができると聞いて、PWJスタッフに歓迎の踊りを披露してくれる女性たちや、PWJの車がコミュニティまで通れるように、やぶを切り開いてくれる人びとに接し、「人びとの期待に応えたい」と気が引き締まる思いで業務を進めています。

PWJスタッフを迎えるリーダーたち

PWJスタッフを迎えるリーダーたち
(C)PWJ/Tetsuto BINNAKA

水源の深さを調べる

水源の深さを調べる
(C)PWJ/Tetsuto BINNAKA

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