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【フィリピン・ミンダナオ南部紛争】国内避難民約7,000世帯にコメを配布

フィリピンのミンダナオ島南部では、イスラム教徒住民の分離独立主義を訴える反政府軍と政府軍との間で長期間武力紛争が続いてきました。人口約100万人のミンダナオ島サンボアンガ市では、9月に発生した大規模な戦闘により、2013年12月時点で6万1,000人を上回る人びとが避難生活を送っています。また、ミンダナオ島マギンダナオ州では、毎日のように反政府軍と政府軍との間で銃撃戦が起こっている模様です。
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こうした人々への支援物資は、避難所に集中する傾向にあり、親せきや知人宅等に身を寄せる世帯には支援が不足しています。そこでピースウィンズ・ジャパン(以下、PWJ)は、11月27日から12月14日にかけて、ミンダナオ島南部のザンボアンガ市・マギンダナオ州・北コタバト州において避難所以外で避難生活を送る6,991世帯に対しコメの配布を行いました。11月23日に現地入りしたPWJスタッフのイ・チャンウが、今回PWJの支援を受けた受益者の声を報告します。
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① グイアナリアさん(40歳・女性)
以前は夫・子供7人(2歳から高校生まで)・母と一緒にマギンダナオ州ダサワオ町で暮らしていました。避難後は北コタバト州ピキッ市で幼稚園の先生をしています。通勤には、まだ銃撃戦が続いているダサワオを通らなければならず、流弾に当たるのではないかと心配です。今朝も7時に爆発音が聞こえました。連日戦闘が続いているため、地元に帰りたくても治安上帰れないし、帰っても何も残ってないでしょう。紛争がいつ終わるか想像もつきません。
IMG_0599②サルマさん(64~68歳-生年月日の記録がない・女性)
娘・息子・孫2人と住んでいたマリキ町では、もともと露店で野菜を売り、1日平均60ペソ(約140円*)ほどの収入がありました。しかし、紛争で自宅を含む大半の家が破壊され、収入も無くなりました。政府が支援するコメは1週間に2kgだけで、うちでは普通1・2日分ぐらいの量ですが、水で量を増やして命をつないできました。今回コメ10kgをもらえると聞いてとてもありがたいです。
※参考:サンボアンガのコメの価格は1kg当たり37~42ペソ(86~98円*)ほど(2013年11月現在)
his familly two son and wife (1)③アシさん(39歳・男性)
紛争前は妻・子供2人とマリキ町に住み、小舟で漁に出て捕った魚を売り、主な収入源としていました。1日平均120ペソ(約280円*)は稼いでいましたが、今は紛争で家も舟も焼け、収入がなくなってしまいました。今一番困っているのは食糧不足です。それに、心臓病で苦しんでいる母親(70歳)のために、薬を買うこともできずにいます。
息子(10歳)は将来警察官になりたいと言っていますが、政府によって転校の手配ができていないため、このあたりに避難してきた子どもたちは学校に通えていない状態です。
注*)1ペソ=2.33円で換算。
このようにミンダナオ島南部では、長びく紛争の影響で家や仕事を失い、身の安全に不安を感じながら、困窮した避難生活を送る一般市民が数多くいます。PWJはその中でも特に支援の届きにくい人々への食糧配布を、現地のパートナー団体であるミンダナオ人権行動センター(MinHRAC: Mindanao Human Right Action Center)と共同で実施しました。昨年末に発生した台風ハイエンで注目されるフィリピンですが、ミンダナオの状況についても継続的に注視し、今後も必要に応じて支援を実施できるような体制を維持していきたいと考えています。
報告:イ・チャンウ(事業部)
*本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金や寄付金により実施しています。
◆関連リンク
【フィリピン・ミンダナオ南部紛争】「見えない」避難世帯に支援を届けるために(2013.10.28)
 

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