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私たちの活動

テントなど越冬支援物資の配布終了

パキスタン地震の発生以来、PWJは、パキスタン北部の山間部の被災者たちが冬を越すために必要なテントなどの配布を続けてきましたが、このほど、これら緊急支援物資の配布を終了しました。被災地は厳しい冬の季節を迎えていますが、越冬用のテントを受け取った被災者からは、「これで冬の間も何とか生活ができる」と、安堵の声が漏れています。

PWJは、地震発生翌日の10月9日、日本とアフガニスタンから国際スタッフ5人をパキスタン入りさせて活動を開始。支援開始以来、テント約1800張▽キッチンセット(調理・食器セット=皿・カップ・スプーン・フォークなど)約1000セット▽ポリタンク(20リットルのものを1世帯に原則2個)約1000セット▽ツールキット(スコップ、つるはし、斧、ハンマー、一輪車など)約1500セット▽ストーブセット(ストーブ、ランタン、ビニールシート)約1500セットを配布しました。

パキスタンパキスタン

写真左:テントやストーブを受け取って帰る
写真右:冬用のテントを設置した被災者

(C)Peace Winds Japan

PWJでは、当初から配布拠点を置いているバラコットにとどまらず、馬やロバなどの動物を使って物資を運搬したり、暫定的に復旧したばかりの道路を通行したりするなどして、バラコット北部の谷沿いにある集落でも緊急支援物資の配布を行いました。バラコットから車で2時間かかるカガンなど他の援助団体がほとんど入っていない場所でも活動を展開しました。また、道路から離れて山の斜面に点在する家いえを実際に回って調査し、援助が届いていない世帯にテントやストーブなど冬に向けて不可欠な物資を受け取るための引換券を配布。後日、配布場所に取りに来てもらう方法で、物資を配りました。

山間部で生活する被災者の状況を考えて、できるだけ冬に強いテントを配布。とくに奥地の山間部用に配布したテントは、起毛のある裏地のついた厚手の素材で、煙突のための穴もある仕様。受け取った男性の一人は「ほかのテントは雨が中に入ったりするが、このテントはいい。素材が二重になっているし、雨や雪にも強い。ここは冬、2メートルの雪が積もるけど、冬の間も使い続けるつもり」と感想を話しました。その半面、「雪が積もるようになっても、このテントで大丈夫だろうか」と不安を漏らす人もいました。パキスタン北部の冬はそれだけ厳しいのです。

パキスタンパキスタン

写真左:受け取った道具でがれきを解体
写真右:各所で使用される一輪車
(C)Peace Winds Japan

雪が迫ってくるなか、生活再建への息吹も感じられるようになってきました。山間部でもバラコット市街でも、がれきを除去し、そのがれきを使って、家を再建する人たちの姿があります。冬を前に作業を急ぐ被災者の役に立っているのが、PWJが配布したツールキット。一輪車やハンマーを使って作業する人の姿が、各所で見受けられます。

PWJが活動の重点を置いていた山間部は、冬場を迎えて、車による通行も徒歩による調査も難しい状態になったため、PWJでは越冬支援のための緊急物資の配布活動を終了しました。パキスタン政府などによる被災者支援も本格化し、他の援助団体による活動も継続されています。

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写真左:復興の息吹もみえるバラコット市街
写真右:雪が間近に迫る山間部
(C)Peace Winds Japan

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