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私たちの活動

【ニジェール食糧危機】現場から第一報が届きました!

長引く乾季と不規則な雨で農産物の収穫高が激減し、2012年に入っても食糧価格の高騰と、食糧不足の状態が続くサヘル地域の人びとを支援するため、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、2012年8月4日からスタッフをニジェール共和国に送り、効果的な支援内容を検討するための調査を行っています。
今回は、現地で調査を行っているPWJ齋藤からの第一報をお伝えします。
▼過去の記事はこちら(2012.8.1)
https://global.peace-winds.org/news/activity/report/niger/2870

食糧が入手できないニジェールの人びとのために

日本を出る前は、ニジェールといえば「ひとたび町を出ると砂漠のような乾燥した荒涼な大地が広がっている」というイメージを持っていましたが、首都のニアメから北東へ190kmのフィレンゲ郡へ移動する車の窓から見る景色は、実に緑豊かでした。

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雨季の間、緑豊かな土地

しかし、フィレンゲ郡で訪ねた村で人びとが語る「食糧危機」の現実は、道中の緑の豊かさとはかけ離れた、とても厳しいものでした。

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タシ村のソフィさん

タシ(Tassi)村のソフィさんは、3年前と比べて今年の状況を次のように話してくれました。
「3年前は、作物もたくさん収穫できて、お金で苦労することもなく、7人の子どもも夫も元気で、市場で食べものや暮らしに必要なものを買えました。
今年は家計を助けるために、村で日払いの作業をしました。一週間後にお金をもらえることになっていたのですが、食糧を買うお金がまったくなかったので、村の穀物銀行の責任者にお願いして、お金を貸してもらいました。なので、もらったお金は借りたお金を返したら無くなってしまいました。」
「7人の子どもに食べさせるものも買えず、このままでは、夫は仕事を探しに村を離れて町に出ていくしかなく、家族が離れ離れになってしまいます。」
村人の多くは十分な収入がなく、この地域の主食である雑穀は去年の同じ時期に比べ1.6倍に値上がりして買うことができず、キャッサバの葉をゆでてキャッサバの粉と混ぜて食べたり、村に生えている木の葉を摘み、ゆでて食べたりして、食糧が足りない状況を補っています。

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タシ村の人びと

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村の女性たちから話を聞くPWJ齋藤

この村では政府による支援も行われているそうですが、それがいつ終わってしまうのかわからず、先行きの不安を抱えています。中には、家族のだれかが出稼ぎに出るだけでなく、食べ物が買えないまま村で暮らすことをあきらめて、家族みんなで町へ出ていくケースも少なくないとのことです。
PWJは、フィレンゲ郡において、村の土地を整備する作業に携わった人びとに定額を払い、そのお金で食糧が買えるようにする方式の支援事業(キャッシュ・フォー・ワーク)を、現地のパートナー団体と協力して行う計画を進めています。地域では栄養不足の子どもも増えており、必要な支援をできるだけ早く始められるよう、迅速に対応していきます。

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村の子どもたち
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ニアメ郊外の保護区で見かけたキリンの家族

*本事業は、ジャパン・プラットフォームによる資金や寄付金などにより実施しています。
報告:齋藤 雅治(事業部)

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