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【ネパール洪水】136世帯へ緊急支援物資を配布・今後の支援について

8月5日、ピースウィンズ・ジャパンと現地の提携団体ISAP(Institutions for Suitable Actions for Prosperity) は、被災地ラウタハト郡ガウル自治体のムシャハリ村に暮らす136世帯の被災家庭へ、食料、キッチン用品、衛生用品などの緊急支援物資の配布を行いました。
 

2019年7月11日から降り始めたモンスーンの豪雨により、ネパール、インド、バングラディッシュの国境地帯を中心に洪水や土砂崩れが相次ぎ、7月18日までに227人が死亡、1,000万人以上が被災した。ネパールでは、洪水と地滑りの影響で117人が死亡、38人が行方不明、80人が負傷した(ネパール政府、7月28日発表)。洪水被害は、タライ地域の第1州および第2州の11郡にまたがり、3300世帯(17万6800人)が支援を必要としている(ネパール政府、7月30日発表)。
PWJとISAPが活動を行うラウタハト郡では、サルラヒ郡との郡境にあるバグマティ川の氾濫により29人の死傷者、30,596戸の家屋破損、約80,000人に影響が出た(ネパール政府、7月23日発表)。

 

緊急物資配布の前

今回支援物資を配布したムシャハリ村はラウタハト郡・ガウル自治体の中心街から歩いて10分程で、特に支援を必要としている、社会的・経済的に不利な状況にあって貧しいカースト(民族)の人々が多く暮らす村です。

この地域のほとんどの住民は自分の農地を持たず、農業労働者として働いています。働いた報酬の大部分は農作物で支払われ、彼らは蓄えた農作物を頼りに生活しています。今回の洪水では蓄えていた農作物、キッチン用品、衣類等たくさんのものを失いました。

被災時の状況や現在の生活について聞き取りを行った。
「キッチン用品は全て流されてしまったわ。4家族でお金を出し合って新しく購入して、皆で使っているから食事の支度には1時間半もかかっているの。洪水の前は30分で支度できたのよ」
洪水時の水位を教えてくれた被災者の女性。家の土壁は洪水をかぶったため、ひびが入ってしまった。
彼らの家には鍵がないため、大切な土地の権利書等をこうした箱に保管している。洪水の時はこの重い箱を担いで避難した。
被災者の女性「洪水の後、4家族でお金を出し合い、料理用ガスボンベとコンロを買ったの。キッチン道具はすべて流されてしまったけど、どこからか流れてきた別の鍋を拾って今は使っているの」

ムシャハリ村136世帯への緊急物資配布

8月5日ムシャハリ村の近くで被災者への緊急物資配布を行いました。教育機関がちょうど休暇期間中だったため、地域の小学校を借りて物資の配布を行いました。

小学校の前で事前に配布した整理券を確認し、ひとり一人の写真を撮影。
物資の受領確認をしている様子。字を書ける人が殆どいないため署名の代わりに拇印を押している。
PWJ職員から物資を受け取る被災者の男性。
支援物資を持ち帰る被災者の家族。右の母親は30キロのお米を頭にのせて運んでいる。

 

緊急支援物資を受け取った被災家族。

 
物資配布は2時間半程で混乱なく終了し、被災者の家庭に無事に物資を届けることができました。なお、配布には地域のリーダー、警察、現地NGOからこのラウタハト郡の郡長まで、様々な人の協力のもと行われました。
 
物資配布後の被災者の声

物資配布を終え、再びPWJとISAP職員がムシャハリ村を訪問し、被災者の人々へインタビューを行いました。

支援物資を受け取った女性「私も子どもたちもこのレンズ豆が大好きなの!もうこんなに食べてしまったの!」
支援物資はどれも本当に助かったと話す被災地域の女性たち。
寝室で嬉しそうに蚊帳を見せてくれた被災者の女性。
配布前には4世帯でキッチンセットを共有して使っていたと話す被災者の女性。
「これでそれぞれの家庭でご飯が作れるわ!早速このコンロで料理したのよ」


被災地のこれからと今後の支援について

8月5日の緊急物資配布後に、冠水のため最初の調査では入れなった村、冠水により村人が全員避難していたが水位が下がり生活を再開したという村への視察を行いました。

被災者の女性と話すPWJ職員。
「家財道具は全て流されて、家は泥で住めない状況なの。今は夜だけ親戚の家へ行って寝ているのよ」
被災した地域の女性たちから被災後の生活について話を聞く。「家の中がまだ湿っていて、匂いが酷いので夜は家の前の道で寝ているの」

 

村全体が屋根上まで冠水し、村人全員が15日もの間堤防の上に避難していた。家の中はまだ汚泥で汚れているため、夜はまだ土手の上で過ごす人もいる(写真左)。食料、キッチン用品等をはじめ、大切にしていた家畜も失った。一部の家は屋根や壁が崩れ、ブルーシートで応急処置をして生活している(写真右)。洪水当時、避難するときに子どもが1人、洪水で路上にあいた穴に気付かずに落ちてしまい亡くなった。

 
ピースウィンズ・ジャパンは今回の初動調査の結果を踏まえ、「社会的・経済的に不利な状況にあって貧しいカースト(民族)」、「女性が世帯主」、「障がい者やお年寄りのいる家庭」、「子どもの多い家庭」といった、支援を特に必要としている被災者へ目を向けて、緊急支援を継続することを決定しました。
また、ネパールでは11月から厳しい冬が始まります。2017年の大洪水の年は寒冷による風邪と体温低下等によって、多くの子どもたちやお年寄りが命を落としました。被災者の多くは今回の洪水で、冬を乗り越えるためのあたたかな寝具や衣類を失っています。今年の冬も一層厳しくなることが予想されるため、PWJとISAPは寝具等の配布を計画しています。現地政府、支援に入っている他NGOと協力しながら、一人でも多くの被災者へ支援物資が行き届くよう支援を続けていきます。

今回の洪水は被災規模が広く、まだまだ多くの人々が支援を必要としています。
引き続き、支援者の皆さまからのあたたかなご支援・ご協力をお待ちしています。

本調査事業はシャンティ国際ボランティア協会(SVA)と共同でジャパン・プラットフォームの助成金とサポーターの皆様からの寄付金で実施しております。

 
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