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【NGO相談員:ネパール】埼玉大学の学生さんが来られました!

美しく荘厳なヒマラヤ山脈を国土とするネパールでは、2015年4月25日に発生した大地震によって、多くの人命が失われました。生き延びた人々も、それまでの高山の豊かな自然とともに生きてきた暮らしが今もなお、揺るがされています。
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、2019年2月22日に埼玉大学教養学部近藤ゼミ(教員1名、学生6名)による研究調査を、地震被害の最も大きかった地域の一つ、第3州(旧:バグマティ県)シンドゥパルチョーク郡の事業地にて受け入れました。これは、PWJが外務省より受託しているNGO相談員事業の一環でもあります。

調査の当日は、埼玉大学とPWJ、提携団体のISAP(Institution for Suitable Actions for Prosperity)がともに、PWJが過去に行った事業「バグマティ県地震被災者の早期復旧支援事業」の支援対象となったご家族2世帯を訪問し、13:00から16:00までインタビューを実施しました。インタビューで話された内容の一部をご紹介します。
<インタビュー内容抜粋>
Q:震災直後はどこで、どのように過ごしていましたか?
A:近くの畑に竹を柱にしてもともと持っていた防水シートをかぶせ、簡易シェルターを自分たちで建てました。

Q:震災直後で一番困ったことや、一番不便だったことは何ですか?
A:避難した畑は全てが自分のものではなく、4.5家族が集まって避難していました。そのため、家族以外の人と一緒に食事を外で作ったり、生活をしなければならなかったことが一番不便だと感じました。

Q(女性への質問):震災時は、生理用品は物資として届きましたか?
A:インターナショナルNGOからの支援物資として4個入りが2パック支給されました。ネパール政府からは支給されませんでした。支給された分が無くなったらお金がないので古布で代用しました。お金があっても徒歩約1時間かけて薬局へ購入しにいきましたが、薬局に売っていない場合もありました。

今後、学生さんたちは調査結果を小論文にまとめ「報告集」を作成されるそうです。日差しが強い中にも関わらず長時間にわたり熱意をもってインタビュー調査をなされた学生の皆さんの姿に、同行した私たちも刺激をうけました。

シンドゥパルチョーク郡でのインタビューの様子
シンドゥパルチョーク郡でのインタビューの様子

筆者は、2019年1月からPWJネパール事務所の現地駐在員として勤務しています。調査を受け入れることとなった背景には、私たちが住まう日本での男女平等や、災害対策への課題に通じるものがあると私は思います。多種多様な風土、言語、宗教などが複雑に関係し合うネパールでは、男尊女卑の考えが根強いことや、アジア最貧国とも言われる貧困状況から、女児の就学率の低さや人身売買、児童婚などが今もなお問題となっています。
そんな中で、2015年に大地震が発生し、多くの人が犠牲になりました。震災という突発的かつ影響力が大きい問題が発生した際には、継続的に存在する諸社会問題は顕著となり、状況が悪化する危険性が高まるだけでなく、災害後の復興の妨げにもなり得ます。
自然災害が発生した際、このような社会問題にはどのような影響を及ぼし、どれだけ復興を妨げているのか?また、被害を受けた人だけでなく、支援する側の立場の人が、復興にむけてどのように行動すればよいのか?日本をも含め、世界中どこでも起こりうる自然災害に対する対策を考える上で、ネパールの人々がどんな課題に直面し、日々の暮らしの再建と復興を目指してきたのか、日本を含め国際社会にもっと知ってほしい思いから、今回の調査依頼を受け入れるに至りました。

埼玉大学の学生さんたち、先生との記念写真
埼玉大学の学生さんたち、先生との記念写真

PWJは、ネパール地震の2日後から救助活動を開始しました。現在は、「シンドゥパルチョーク郡給水アクセス改善事業」を通して、地震によって変化した新たな水脈からの飲み水と生活用水の確保に、「シンドゥパルチョーク郡農家のグループ化による営農改善と日本の過疎地域の経験を活用した生計向上事業」を通して地震被災地域の生計向上に、「ネパール伝統工芸ダカ織りを営む女性への技術支援事業」を通して女性たちの生計と地位の向上に取り組んでいます。
これらの事業は、それぞれ外務省の日本NGO連携無償資金協力、JICA草の根技術協力事業、民間基金による助成金、そしてサポーターの皆様からの寄付金と、ネパールの地元政府のご協力を得て実施しております。引き続き、皆様からのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
ネパール地震被災者へのご支援はこちらから:https://krs.bz/pwjpr/m/onlythistime?user=sh991203&rm=html

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